「MODEROIDマジンガーZEST」プラモレビュー! 限られたパーツ数のシンプル構造なのに、プロポーションも可動もプレイバリューも抜かりなしの秀作キット

毎月、新旧さまざまなアニメ、映画、ゲームのロボ、メカがプラキット化されている、グッドスマイルカンパニーのMODEROIDシリーズ。そこにまたしても、ファン感涙の「マジンガーZEST」がラインアップに加わりました。

「マジンガーZEST」は、Webサイト「ホビージャパンウェブ」に連載中のコミック「破獄のマジンガー」に登場する主役ロボです。無数のマジンガー同士が生存をかけてバトルロイヤルする世界に迷い込んだ主人公・鉄(くろがね)シレンは、自身もマジンガーZESTに乗り込んで終わりのない戦いに身を投じます。

劇中ではまだ放熱板が未装備だったり、フェイスガードの形状が違っていたりと、その全貌が明らかにはなっていないのですが、今回発売された「MODEROIDマジンガーZEST」は放熱板を装備しているほか、フェイスガードもマジンガーZに準じた形状になっています。おそらく今後この「マジンガーZEST」がバリバリ活躍するんだろう……。と期待感が高まります!(3月31日更新回より、その雄姿が拝めるのでは……と予想しています)

 

劇中の活躍に先駆けて立体化が実現するという、異例の商品化となった「MODEROIDマジンガーZEST」。今回は、このキットをレビューしてみたいと思います。

シンプルなパーツ構成でマジンガーの魅力を最大限に表現!

 

まずはパッケージから見てみましょう。

 

荒野を舞台に、マジンガーたちと激闘を繰り広げるマジンガーZESTが描かれたパッケージ。

 

説明書は、漫画の作画を手がける星和弥さんによるイラストが表紙。カッコイイ!

続いてパーツを見てみましょう。

 

 

思った以上に少ないランナー数にびっくりします。かなりシンプルな構造となっており、作りやすいキットだと思います。

また、一部アンダーゲートが採用されているので、可能な限りゲート跡が目立たない作りになっています。

 

 

こちらは彩色パーツ。顔パーツは細かく色分けされ、胸の放熱板およびロケットパンチのエフェクトは、クリアパーツにクリアレッドが塗装されています。ホバーパイルダーのキャノピーもクリアブルーで塗装されています。

 

ホイルシール。一見シンプルな配色のマジンガーZESTですが、実は細かく色分けされているようです。こちらはピンセットでていねいに貼り付けていきましょう。

 

もちろん接着剤不要のスナップフィットキットです。ニッパーとナイフを用意すれば、パチパチッと組み上がります。

ストレートに組んだマジンガーをチェック!

 

というわけで、パチパチッとストレートに組み上げました。

 

映画「マジンガーZ infinity」版のようなディテールの細かさと、マッシブな体型が特徴のマジンガーZEST。まさに令和の時代にアップデートされたマジンガーといったルックスです。

 

胸の放熱板は、シルバーのホイルシールを貼った基部パ―ツにクリアレッドのパーツを重ねることで、キラキラと光を反射します。

 

黒いパーツの表面はツヤありの美しい仕上がり。いっぽう、グレー部分はシルバーのメタリック素材で鈍い輝きを発しています。その迫力は、まさに「鉄の城」!

 

背面はこの通り。背中には用途不明な四角い穴が……。今後のバリエーション展開に期待しちゃいますね。

 

腕の可動はこの通り。真上に振り上げることができるほか、横方向にもかなり高く上げることができます。肘は90度ほど曲げられるほか、ロール回転が可能。

 

 

胸部に可動があり、胸を反らしたり、うつむいたりできます。また腹部にはロール回転軸があるので、大きく上体を回転させることができます。

 

この上半身の可動を組み合わせると……

 

「ブレストファイヤー!」のポーズもこれこの通り。これはどこからどう見ても、マジンガー!

 

次に下半身の可動を見てみましょう。

 

膝部分は二重関節になっているため、大きく折り曲げることが可能。股関節の可動も非常に優秀なので、膝立ちも難なく可能。

 

腰のスカート部分を跳ね上げれば、正座もできちゃいます。

差し替えナシの完全変形・合体のホバーパイルダー!

続いて、ホバーパイルダーを見てみましょう。

 

マジンガーZESTの頭部とホバーパイルダーは、着脱可能。

 

 

めちゃくちゃ小さいのですが……

 

このように変形ギミックもばっちり再現。もちろんこのまま頭部へのドッキングが可能です。ただし、無理に力を入れて着脱すると破損してしまう恐れがあるので、合体遊びをする際はやさしく、ていねいにしましょう。

 

飛ばそう! 鉄拳・ロケットパンチ!

 

左右ともにハンドパーツは握り拳と平手の2種類ずつ。計4つが用意されています。

 

そして、ロケットパンチに接続する刃と、ロケットパンチ発射時のエフェクトパ―ツ。これでアイアンカッターも再現できるのです。

 

ロケットパンチ側の軸にエフェクトパーツをかぶせます。

 

それを再び二の腕に接続すると、発射時のアクションを再現可能。

 

刃を腕の両サイドに接続して、アイアンカッターを再現。

 

エフェクトパーツと組み合わせて、ダブルアイアンカッター! 発射!! ご覧の通り、かなりプレイバリューが高いことがおわかりかと思います。これだけあれば、自分の好みの活躍シチュエーションをほぼ再現できるのでは?

 

というわけで、ここまで紹介してきた可動やパーツを組み合わせて、いろんなポージングに挑戦してみましょう。

 

背中と腰には3ミリ径の穴があるので。ここに「THEシンプルスタンド」を接続可能。

 

このように、空中から地上の敵に向けてのブレストファイヤーのポーズを取らせることが可能。

 

飛びかかるマジンガーZEST!

 

強敵と対峙し、構えをとるマジンガーZEST。

 

マジンガーらしい力強さと、令和のロボットらしいスタイリッシュさとディテール。そして思い描いたアクションを無理なく再現できる可動と、ストレートに組み立てるだけで、ここまで満足度の高いキットというのもなかなかないと思います。

シルバー塗装で、より重厚に!

 

そのまま組み立てても十分に楽しい「MODEROID マジンガーZEST」ですが、せっかくなのでちょっと手を加えて、よりカッコよく仕上げましょう。

 

シルバー部分のパーツをタミヤカラーの「メタルシルバー」で塗装。さらにガンダムマーカーのスミイレペンでディテールアップするのと当時に、残りのシールを貼り付けました。キット全体の情報量が一気に増しました。

 

テカテカの黒パーツと、ギラギラしたシルバーの組み合わせが金属質の、より重厚な印象を与えます。塗装済みの顔パーツは塗り直しをしなくて済むように、塗装済み個所をマスキングテープで防護してから一気にスプレー塗装しました。

 

「アイアンカッター!!」

 

アイアンカッター×鉄拳で、強敵を粉砕!

 

「ブレストォ……」

 

「ファイヤーーーー!!!」

  

ストレートに組み立てるなら2~3時間程度。部分塗装とスミイレをしても実質1~2日でここまで仕上がるなんて、「MODEROIDマジンガーZEST」……かなりデキる子です。

今回の作例のように、ちょっと手を加えるだけでかなりクオリティアップできると思います。ただシルバー部分のパーツは、ウェルドライン(樹脂を流し込む際に生じる線状の模様)が目立つところもあるので、気になる方は1回ヤスリなどで表面処理をすると、より美しく塗装が乗ると思いますよ。

 

シンプルで作りやすいがゆえに、いろんな完成させ方が思いつくと思います。お値段もお手頃価格ですので、新しい工作テクニックを実践する練習用キットとしてもピッタリかも!?

皆さんも、ぜひ一度組み立ててみてはいかがでしょうか。

商品情報

■MODEROIDマジンガーZEST

・発売中

・価格:3,900円(税込)

・メーカー:グッドスマイルカンパニー

・仕様:組み立て式プラモデル

・ノンスケール

・全高:約145mm

・原型制作:Caloan(GOD BRAVE STUDIO)

・設計:T-REX

・メカニックデザイン:阿久津潤一(アストレイズ)

 

©Go Nagai/Dynamic Planning