【Steam】1度ハマると抜け出せない!PC傑作タワーディフェンスゲーム3選!

アキバ総研をご覧のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。

 

突然ですが、普段はあまり遊ばないけれど、突然無性にプレイしたくなるゲームのジャンルはないでしょうか? 筆者は先日、タワーディフェンスゲームが急にめちゃくちゃ遊びたくなり、いろいろと探して買い漁ってしまいました。タワーディフェンスとは、自身の陣地に侵入してくる敵を倒す迫りくるジャンルのこと。敵を迎え撃ち、防衛するというわかりやすいルールで、中毒性からファンも多いタワーディフェンスゲームのタイトルは、スマホゲームでは「にゃんこ大戦争」や「アークナイツ」などが有名ですが、今回はSteamで遊べるオススメのタワーディフェンスゲームをご紹介していきます。

目次
「Plants vs. Zombies GOTY Edition」
「Infinitode 2 – Infinite Tower Defense」
「メゾン・ド・魔王」

1度ハマると抜け出せない!PC傑作タワーディフェンスゲーム

1.植物とゾンビの壮絶バトル! カジュアルで遊びやすい王道タワーディフェンス「Plants vs. Zombies GOTY Edition」

  • 「Plants vs. Zombies GOTY Edition」(PopCap Games, Inc.)
  • ジャンル:ストラテジー
  • 2009年5月6日発売
  • 価格:498円(2021年5月19日時点)
  • コピーライト:(C) 2009 PopCap Games, Inc.

人気非対称型対戦ゲーム「Dead by Daylight」では、最近「バイオハザード」とのコラボチャプターが配信されるというニュースで話題となりました。新たな殺人鬼であるネメシスはAIで動くゾンビを従えるという特徴を持っているとのことで、プレイヤーたちがゾンビの恐怖に震えることとなりそうですが、これからご紹介する「Plants vs. Zombies GOTY Edition」は、ゾンビが大量に登場するタワーディフェンス作品です。

なお、本作は本記事執筆時点では日本語未対応となっていますので、その点はあらかじめご注意ください。

本作は、プレイヤーの家に侵入しようと企むゾンビの群れを迎え撃つタワーディフェンスゲーム。ゾンビというホラーゲームの定番モチーフが登場する世界観でありながら、おどろおどろしさを感じさせないカートゥーン風のゆるくてポップなグラフィックが特徴的です。

メインとなるアドベンチャーモードをさっそくスタートしてみると、プレイヤーの目の前にはマス目状に区切られた緑豊かな庭が広がります。何を隠そう、この一見穏やかな庭が本作の舞台であり、ゾンビと熾烈なバトルを繰り広げることとなる戦場なのです。そして、じわじわと画面の右側からやってくるゾンビたちを倒すためにプレイヤーが仕掛ける防御用のタワーは、タイトルにもある“Plants”こと植物たちです。

正面に向かって豆を発射する植物「peashooter」をはじめ、攻撃力はないものの耐久力が高い巨大なナッツ「wall-nut」や、近寄ってきたゾンビを食べてしまう、近距離特化型の人食い植物「chomper」など、本作には性能や攻撃タイプが異なるバラエティ豊かな植物たちが40種類以上用意されています。

これらの植物を庭のマスに配置してゾンビと戦うわけですが、好きなときに好きなだけ置けるというわけではなく、植物を植えるためには都度コストを支払う必要があります。本作における配置コストは、一定時間ごとに上空から降ってくる太陽の光である「sun」。このsunを集めて植物を配置するシステムによって、じわじわと近づいてくるゾンビを見ながら、sunがたまるのを待つスリルと、たまったsunで攻撃植物を配置して一気に反撃に転じる爽快感という、ゲームのお手本のような緊張と緩和を楽しめます。

植物の中には、攻撃ができない代わりに「sun」を定期的に生み出すヒマワリ「sunflower」や、キノコ「sunshroom」なども存在します。

また、配置した直後に爆発する、サクランボの爆弾「cherry bomb」や、ゾンビが触れると爆発するジャガイモの地雷「potato mine」など、特殊な攻撃を行う植物も、多数登場します。

スタート直後は、ひたすらsun稼ぎに徹して徐々に戦闘態勢を築いていくのか、それとも最初から戦闘用の植物をガツガツ配置していくか、はたまたsunをできる限り貯蓄しながら応戦して強敵相手のここぞというタイミングで爆弾を放つのか……などなど、自分の好みにあうさまざまな戦略を立てる楽しさを味わえるのも、本作の魅力のひとつと言えるでしょう。

40種類以上という圧倒的な植物のバリエーションが目を引く本作ですが、実は敵であるゾンビのバリエーションもなんと20種類以上という大ボリューム。

 

鉄製のバケツや工事現場の三角コーンをかぶった、たったそれだけの装備にもかかわらず、通常のゾンビよりはるかに防御力が高いゾンビや、1度だけ植物を飛び越えてしまう棒高跳びゾンビ、四方にバックダンサーたちを召喚するノリノリのダンシングゾンビなど、ひとクセもふたクセもある厄介なゾンビたちが多数登場します。画面の右端から現れるゾンビの種類を見極めて即座に配置する植物を選ぶという判断力と瞬発力が求められる局面も多々あり、忙しくも楽しいというタワーディフェンスの真骨頂が体験できます。

本作における個性的な存在は、植物やゾンビだけではありません。彼らがバトルを繰り広げるステージである庭も、バラエティに富んでいます。

 空からsunが降ってこなくなる夜のギミックや、水上専用の植物しか配置できないプールのギミックなど、ステージにはさまざまな仕掛けが設けられており、プレイヤーを悩ませます。

本作のステージは、序盤のチュートリアルステージを除いてすべてが縦5×横9の計45マスで構成されており、画面スクロールがない一画面固定となっていますが、数々のギミックの存在によって、同じ45マスでも毎ステージまったく異なるプレイが楽しめる飽きのこない作りになっています。

ゾンビを植物が迎え撃つという風変わりな世界観でありながら、タワーディフェンスゲームとしては王道を行く作品の「Plants vs. Zombies GOTY Edition」。わかりやすいシンプルなルールと遊びやすいカジュアルな難易度、そして本記事執筆時点でワンコイン以下というお手頃な価格も相まって、タワーディフェンス入門にはもってこいのゲームです。タワーディフェンスというジャンルに触れてみたいという人はぜひ、チェックしてみてください。

2.やりこみ要素無限大!?シンプルな見た目で奥が深いタワーディフェンス「Infinitode 2 – Infinite Tower Defense」

  • 「Infinitode 2 – Infinite Tower Defense」(Prineside)
  • ジャンル:ストラテジー
  • 2021年4月30日発売
  • 価格:520円(2021年5月19日現在)
  • コピーライト:(C) 2021 Prineside

先ほどご紹介した「Plants vs. Zombies GOTY Edition」はポップなキャラクターが印象的なタイトルでしたが、次にご紹介する「Infinitode 2 – Infinite Tower Defense」は、対象的にクールな雰囲気がただようデザインのタイトルです。

「Infinitode 2 – Infinite Tower Defense」は、シンプルなグラフィックとレトロゲーム風のピコピコサウンドことチップチューンのBGMが特徴的なタワーディフェンスゲームです。

ステージは2D見下ろし型となっており、ポータルと呼ばれる紫色のオブジェから現れてプレイヤーの自陣である緑色のベースを目指して侵攻してくる敵軍を、空いたマスに防衛用のタワーを設置して迎撃するというのが基本ルール。タワーには遠距離用でリロード長めのスナイパーや近距離用で高攻撃力のキャノンなど、一長一短あるものが複数種類用意されています。全体的に、タワーディフェンスとしては比較的オーソドックスなシステムが採用されていると言えるでしょう。

本作でまず目を引くのは、敵も味方もすべて丸や三角などのシンプルな図形で描かれているという点です。

見た目がオシャレであるというだけではなく、「丸い敵より四角い敵のほうが耐久度も高い」など、図形から受ける印象がゲームに落とし込まれており、直感的なプレイに繋がっているのもポイント。大量の敵が攻めてくるために画面がなにかとゴチャゴチャしがちなタワーディフェンスゲームですが、シンプルな図形で描かれていることにより、全体的に画面がスッキリして見えるのも本作の遊びやすい点だと筆者は感じました。

先述のとおり、タワーディフェンスとしては非常にオーソドックスな作りの本作ですが、ほかの同ジャンルのゲームではあまり見かけない独自のシステムも多数存在しています。

そのひとつが、タワーごとに戦略を設定できる機能。本作では、敵を迎撃するためのタワーに個別に「最後尾」「最弱」「最強」などの優先するターゲットを設定可能となっています。タワーを建ててひととおりレベルアップを終えたらあとは見ているだけになりがちなタワーディフェンスゲームですが、本作では次のウェーブに備えてタワーの設定を都度変更したりなど、プレイヤーが常にゲームに働きかけられる仕組みが作られており、飽きることのないスリリングなプレイが楽しめます。

もうひとつ、特筆すべき本作の特徴的なシステムは「研究」です。

これは、敵撃破やステージごとに設定されたクエストをクリアすることで、獲得できる資材を使用し、アップグレードの開放を行い、タワーの基礎能力上昇や獲得経験値倍率上昇など、さまざまな恩恵を受けられる機能。つまり、いわゆるスキルツリーシステムですが、RPGではよく見かけるもののタワーディフェンスに実装されているのはなかなか珍しいように思います。しかも、このアップグレードは、なんと400以上という膨大な数があり、やりこみ要素としては十分すぎるレベル。ゲームタイトルにもあるとおり、まさにInfinite(無限)を感じさせる遊びごたえです。

本作のやりこみ要素は「研究」だけではありません。自分でステージを作成できる「マップエディター」や、ステージごとのハイスコアを全世界のプレイヤーと競えるオンラインランキング、さらに毎日更新されるデイリークエストやデイリーボーナスなど、盛りだくさんの遊びが用意されています。ただでさえ中毒性が高く、みるみる時間が溶けていくタワーディフェンスゲームですが、本作はまごうことなき本格的な沼。1度クリアして終わりではなく、いつまでも飽きることなく継続して楽しむことができるため、まさにInfiniteの看板に偽りなしです。

シンプルなビジュアルとオーソドックスなゲーム性を備えながら、ディープすぎる大量のやりこみ要素が楽しめる「Infinitode 2」。タワーディフェンスで遊んだことがない人にも、タワーディフェンスマニアの人にも自信を持ってオススメできる作品です。

3.大家さんは魔王さま!?アパート経営×タワーディフェンスの異色作「メゾン・ド・魔王」

  • 「メゾン・ド・魔王」(Petit Depotto)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 2013年8月16日発売
  • 価格:398円(2021年5月19日現在)
  • コピーライト:(C) 2013 Petit Depotto

遊園地や水族館、デパートなど、さまざまな施設を経営する楽しさを味わえる経営シミュレーションゲーム。誰しもが1度は遊んだことがあるであろう定番ジャンルですが、これからご紹介する「メゾン・ド・魔王」は、そんな経営シミュレーションゲームとタワーディフェンスが融合した個性的な作品です。

ほんわかした手書き風のグラフィックの本作の舞台は、ボロっとした雰囲気の小さなアパート。そして本作の主人公は、ヒゲとメガネと個性が光る髪型、そしてマント風のぶかぶかの服が特徴的な一人のおじさま。何を隠そう、このおじさまこそが本作のタイトルにも掲げられている「魔王」その人なのです。シューベルトの楽曲の魔王に「魔王が居る 怖いよ」という歌詞がありましたが、坊やに見えていたのがこの魔王だったのであれば、そんなに怖くはない気もしますね……いや、むしろ逆に怖いかな……?

さて、本作におけるプレイヤーこと魔王の目的はというと、ずばり世界征服です。……と書くとなんだか壮大ですが、そのために実際にやるべきことはアパートの経営という、とても地道な活動です。千里の道も一歩から、といったところでしょうか。

ゲームを開始すると、ヒヨコやケンタウロスのような姿のモンスターたちが、アパートの前の看板の前に入れ代わり立ち代わりやってきます。

 

その中で、電球マークの吹き出しが付いたモンスターをクリックすると、アパートの空き部屋にめでたく入居となります。

モンスターを部屋に住まわせると、一定の期間ごとに家賃収入が入ってくる仕組みとなっているのですが、モンスターには満足度というパラメーターが設定されており、家賃を高めに設定しすぎたり、部屋の環境が悪すぎたりすると満足度が下がってしまいます。逆に、住人たちが欲しがっている家具を、部屋に設置してあげたりすると満足度を上昇させることができます。これによって住人は、攻撃力や防御力などの各種パラメーターにボーナスが加わります。このあたりのプレイ感は、まさに経営シミュレーションゲームといった手触りです。

さて、なぜアパート経営シミュレーションゲームに「攻撃力」や「防御力」といったパラメーターが出てくるのでしょうか。その答えは簡単、本作が単なる経営シミュレーションではなく、タワーディフェンスゲームでもあるからです。

魔王やモンスターがいるこの世界には、ファンタジー世界の常と言うべきか、彼らを討伐しようと企む冒険者たちが存在しています。プレイヤーは、アパート前の看板からクエストを選択し、冒険者たちをおびき出すことが可能。

 

アパートにやって来た冒険者たちは、屋上に設置されたテントこと魔王の部屋を目指して攻めてくるので、住人たちが住む部屋のドアをノックして応戦してもらうのがプレイヤーの役割となります。遠距離攻撃をする住人をフロアの奥側の部屋に住まわせたり、タイミングよくドアをノックして住人で冒険者を挟み撃ちにしたりと、アパート経営シミュレーションならではの戦略を楽しめる点が、本作の唯一無二の特徴です。クエストをクリアすると、報酬としてお金が手に入り、新たなキャラやアイテムが開放されたりと、より快適で強固なアパート作りができるようになっていきます。

アパートに住むモンスターたちが、ただ部屋にいるだけではなく、それぞれきっちりと生活をしているという点もまた、本作のユニークなポイントです。モンスターたちは、(中には無職もいますが)それぞれ職業に就いており、ときおり部屋を出て仕事や遊びへと出かけていきます。もしモンスターが不在の間に冒険者たちがやって来てしまうと魔王軍はピンチに追い込まれるので要注意。また、住人たちは恋人と同居して家族になり、子どもを生むこともあります。子どもは親よりもステータスが高くなるため、攻略のために積極的に世代を重ねさせていきたいところです。

 

このように、モンスターたちの生活がタワーディフェンスでの戦略に活きていくという点が本作の面白さのひとつですが、単純にモンスターたちの生活を見ること自体が楽しいという点も特筆すべきポイント。「へえ~、このモンスター、高層ビルの窓ふき係をやってるんだ」「おお、恋人できたんだ! よかったじゃん!」などなど、住人たちの生活を覗き見て思わずニヤニヤしてしまうこと請け合いです。

アパート経営とタワーディフェンスがガッチリ融合した、独自性の高いシステムが醍醐味の「メゾン・ド・魔王」。実は本作、今から10年近く昔となる2012年にXbox 360向けに配信されたことを皮切りに、SteamだけではなくSwitchやPS4など多数のプラットフォームに移植されてきたという長い歴史を持つゲームであり、その面白さは折り紙付き。グラフィックや世界観、システムなど、何かひとつでもグッとくるものを感じた人はぜひ遊んでみてください。

Steamで腰を据えてじっくり遊ぶタワーディフェンスもまた良し!

というわけで、オススメの3作をご紹介しました。

スマホゲームを中心に、世界中で人気のジャンルであるタワーディフェンス。普段はスマホでちょっとした空き時間や移動時間に楽しんでいるという人も、たまにはSteamでじっくり腰を据えて遊んでみるのもいいかもしれません。ただし、ハマりすぎてパソコンの前から離れられなくなっても責任は持てませんのであしからず!

筆者:百壁ネロ
ゲーム買い過ぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。
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