eスポーツ、特に格闘ゲームの大会は近年大きな盛り上がりを見せ、それと同時に各プレイヤーが使うコントローラーも注目を集めている。
ゲームの操作にパッドを使うプレイヤーもいるが、やはりトッププレイヤーたちのプレイを見ていると、アーケード筐体での感覚そのままに操作できるアーケードコントローラー、通称”アケコン”が欲しいと思ってしまうもの。とはいえ、決して安い買い物ではない。どれを買ったらいいのかわからない人のために、今回は編集部おすすめのアケコンをピックアップして紹介する。
チョイスしたモデルは主に2022年以降の発売であり、PS5にもしっかり対応していたり、以前のモデルからブラッシュアップされていたりするので、いざ購入してみたら現行機種とは相性がいまいち……といったことがほぼ起こらないのも安心ポイントだ。
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アーケードコントローラー選びのポイント
レバーの有無
まず考えるべきなのは、“レバーあり”か“レバーなし(レバーレス)”か。
え? レバーのないものがあるの? と思われる人もいるかもしれないが、近年はレバーの代わりに上下左右に相当するボタンを配置したレバーレスのアケコンも人気を博している。慣れてしまればレバーレスのほうが必殺技を出しやすい、誤操作が減る、といった声も聞かれるほど。
たとえば、右向き時の昇竜拳コマンド「→↓↘」をボタンで押すと想像すれば、操作感がつかめるかもしれない。ちなみに、ボタン配置は独特で、手前にひとつだけあるボタンは下(↓)ではなく上(↑)。この配置も使ってみると理にかなっていることがわかる。
サイズ、重量
アケコンを置く場所や持ち運びの有無だけでなく、アケコンを机に置いてプレイするのか、足(太もも)に乗せてプレイするのか、といったプレイスタイルとも関連してくるのがサイズと重量。重量感のあるものは安定性がありアーケードの感覚により近いが、足に乗せたほうがプレイしやすい人もいるので、自身のプレイスタイルを確立している人は考慮したいポイント。よくわからない人は、極端なものを避けるのが無難かもしれない。
静音性
ゲームに夢中になると、どうしても操作に力が入ってしまうもの。そうなると気になるのがレバーやボタンをガチャガチャする音。夜にゲームをすることも多いと思うので、部屋の防音性や同居人の状況などにより、静音性を求める人は、それを意識した作りになっているモデルを選ぶのがよい。カスタマイズ性の高いものであれば、自分でレバーやボタンを静音性の高いものに変えるのもいいだろう。
おすすめ・レバーありアーケードコントローラー
ファイティングスティックα for PlayStation 5, PlayStation 4, PC
価格 | 24,800円(税込) |
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メーカー | HORI |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PC(Windows11/10) |
サイズ | 幅410×奥行き300×高さ120mm(スティックレバーを含む) |
重量 | 2.7kg |
どのアケコンを購入すればいいか悩む場合は、まずメーカーを決めて、その中から予算や用途に応じて選ぶのもいいだろう。それでいくと、伝統と安心のホリ製「ファイティングスティック」は筆頭にあがる候補であり、なかでも「ファイティングスティックα」はおすすめ。PS5に対応している公式ライセンスアーケードコントローラーだ。
自社製のHAYABUSA ユニットによって高い操作性を実現、従来のボタンより厚みやストロークを減らしたことで、素早い入力が可能なこのモデルは、レバーもVカットハウジングカム構造にすることで、滑らかな入力と高い耐久性を実現した。さらに、専用アプリを使うことでの各種機能が設定できたり、キーロックモード、タッチパッド、ステレオヘッドホン/マイク端子の搭載。また、底面に滑り止めマットを備えるほか、筐体を開けてスティックやボタンのメンテナンスが可能で、ケース内へのUSBケーブル収納もできるなど、機能面もしっかりしている。
天面のデザインプレートをカスタマイズすることも可能なので、世界にひとつだけの1台に仕上げることができるのも嬉しいところだ。ちなみに、天面のデザインプレートが「TEKKEN 8」や「ストリートファイター6」のバージョンもある。
ファイティングスティックα SILENT for PlayStation 5, PlayStation 4, PC
価格 | 29,980円(税込) |
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メーカー | HORI |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PC(Windows11/10) |
サイズ | 幅410×奥行き300×高さ120mm(スティックレバーを含む) |
重量 | 2.7kg |
静音性を重視している方には、「ファイティングスティック」シリーズの「ファイティングスティックα SILENT」がおすすめだ。サイズや重量は上記の「ファイティングスティックα」と同じであり、ポイントはやはり静音性のレバーやボタンかどうか。
スティックユニットは光学式スイッチ搭載で、操作時に発生するスイッチ音を静音化。ボタンは、自社製のHAYABUSAボタンのストロークを改良した新ユニットを搭載し、非静音ボタンと遜色ない入力感がありつつ静音性を確保している。レバー、ボタンともに4〜5dBの静音化を実現した、操作性と静音性の両立を求める人には最適のモデルだ。
ファイティングスティックmini for PlayStation 5, PlayStation 4, Windows PC
価格 | 7,480円(税込) |
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メーカー | HORI |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PC(Windows11/10) |
サイズ | 幅210×奥行き150×高さ87mm(スティックレバーを含む) |
重量 | 500g(ケーブルを含む) |
コンパクトさを求める人には「ファイティングスティックmini」がおすすめ。そのPS5対応モデルが2024年1月に発売された。なお、姉妹版としてNintendo Switch向けに「ファイティングスティック mini for Nintendo Switch」がラインアップされている。
特筆すべきはサイズと重量で、サイズは「ファイティングスティックα」の約1/4(幅と奥行きがそれぞれ約1/2)、重量は約1/5となっている。また、価格もアケコンとしてはかなり安価であり、家で気軽にアーケード感覚を楽しみたい人にはうってつけのモデル。それでいて、性能面では自社オリジナル構造のスティックレバーを搭載しており、滑らかな入力や耐久性の高さは、このモデルでも実現している。
Qanba Obsidian 2 Arcade Joystick
価格 | 47,800円(税込) |
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メーカー | Qanba |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PC |
サイズ | 幅486×奥行き260×高さ116mm(スティックを除く台座の高さ58mm) |
重量 | 3,350g(ケーブルを含む) |
ホリと並んでオススメのメーカー、Qanba。特にハイエンドモデルであるこの「Qanba Obsidian 2 Arcade Joystick」は、トップeスポーツアスリートも愛用しており、黒を貴重としたスタイリッシュな外観と高い機能性が融合したモデルだ。2023年発売モデルということで、PS5にもしっかり対応している。ホリ製と同様、こちらもSONY PlayStation 日本国内公式ライセンス商品。
レバーとボタンは、アーケードゲーム筐体でも使用されている三和電子製。入力精度や耐久性も心配ない。本体裏側のネジを外して、ボタンやレバー、レバーボールの交換といったカスタマイズが可能で、静音レバーやGravityメカニカルスイッチなど、好みに合わせることもできる。また、本体のサイドパネルを開けてUSBケーブルなどを収納できるため、持ち運んで場所やシーンを問わずに使えるのもありがたいところ。
Qanba Titan Arcade Joystick
価格 | 35,800円(税込) |
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メーカー | Qanba |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PC |
サイズ | 幅384×奥行き242×高さ115mm(スティックを除く台座の高さ58mm) |
重量 | 2,250g(ケーブルを含む) |
こちらの「Qanba Titan Arcade Joystick」も業務用ゲーム筐体で使われている三和電子製のレバーとボタンを搭載しており、ゲームセンターと同様の操作性を実現している。
さらに、ほかのモデルと見比べてもらえばわかるように、レバーとボタンの間隔が広い「ワイド レイアウト」になっているのも特徴だ。それでいてコントローラーのサイズは「Qanba Obsidian 2 Arcade Joystick」よりひと回りコンパクトであり、重さも2/3と、持ち運びや収納がしやすい。高精度な入力とサイズ、耐久性を兼ね備えたモデルだ。
Qanba Drone 2 Arcade Joystick
価格 | 19,800円(税込) |
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メーカー | Qanba |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PC |
サイズ | 幅356×奥行き221×高さ116mm(スティックを除く台座の高さ60mm) |
重量 | 1,250g(ケーブルを含む) |
Qanba製のコンパクト&軽量タイプを求めるなら、「Qanba Drone 2 Arcade Joystick」がいいだろう。2023年6月2日発売の本モデルはPS5にも正式対応。サイズは「Qanba Titan Arcade Joystick」よりもひと回り小さくなり、重量は約1kgマイナス。価格も1万円台で購入できる。
パームレスト部分には手首が滑りにくいエンボス加工がなされ、底面には滑り止めマットを装備。そのほか、タッチパッド、3.5mm ステレオヘッドホン/マイク端子、LEDインジケーター付ミュートボタン装備など、機能や使いやすさも損なわれていないのはありがたいところ。
Victrix Pro FS
価格 | 57,728円(税込) |
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メーカー | パフォーマンス・デザインド・プロダクツ |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PC |
サイズ | 幅480×奥行き340×高さ120mm |
重量 | 4,680g |
三和電子製ボタンと特許取得済みのリンク2デタッチャブルジョイスティックを採用したことで、精度の高い入力と耐久性を兼ね備えている「Victrix Pro FS」。こちらもSONY PlayStation 日本国内公式ライセンス商品だ。サイズや重量はずっしりしているが、その分アーケード感覚で遊べる。カラーバリエーションがPurpleとWhiteの2通りあるのもうれしい。
耐久性に関しては、ボディが航空機グレードのアルミニウムから作られており、不意の衝撃や落下に耐えることができる。さらに、バックパネルから内部にアクセスして、レバーの収納やパーツの交換も簡単に行えるので、安い買い物ではないが自分好みに仕上げることも可能だ。ちなみに、Victrixは同シリーズのレバーレスコントローラー「Victrix Pro FS-12」も販売している。
8BitDo アーケードスティック for Switch & PC
価格 | 12,680円(税込) |
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メーカー | 8BitDo |
対応機種 | Nintendo Switch、PC、Steam |
サイズ | 幅303×奥行き203×高さ111.5mm |
重量 | 2,100g |
Nintendo Switch向けのアケコンとしては、上記で紹介した「ファイティングスティックmini」のNintendo Switch対応モデルか、この「8BitDo アーケードスティック for Switch & PC」がいいだろう。レトロなコントローラーで有名な8BitDo製らしく、このアケコンもレトロ感あふれる見た目に愛着を感じる人が多そう。サイズもコンパクトなので使いやすい1台だ。
専用ソフトウェア「8BitDo Ultimate Software」でレバーややボタンの機能を細かくカスタマイズ可能で、アクション2つを登録できるマクロ機能も搭載。ゲームセンターでのプレイを想起させる適度なスプリング感と正確なレスポンスを再現したレバーとボタンを標準装備しているが、こちらは他社製のレバーやボタンに変更することもできる。SwitchモードとPCモードの切り替えに合わせて、ボタン横の表記がデバイスに応じたボタンレイアウトが自動でチェンジする機能もありがたい。また、有線だけでなくBluetooth接続や2.4GHz帯USBレシーバーによる接続もできるので、ワイヤレスでもプレイ可能だ。
おすすめ・レバーなしアーケードコントローラー
Victrix Pro FS-12
価格 | 57,728円(税込) |
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メーカー | パフォーマンス・デザインド・プロダクツ |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PC |
サイズ | 幅480×奥行き340×高さ120mm |
重量 | 4,680g |
上記で紹介した「Victrix Pro FS」のレバーレスモデルとなるのが「Victrix Pro FS-12」だ。Victrix製のレバーレスが欲しければこのモデルを選ぶのがいい。詳細は「Victrix Pro FS」の欄を参照していただきたいが、機能性はこちらも同様にすぐれている。
ちなみに、レバーレスのアケコンとしては「Hit Box Arcade」を紹介しているところも多いが、「Hit Box Arcade」はそのままではPS5で使えないことに注意が必要。なお、公式サイトで販売しているキットを用いて自分で工作して使えるようにすることはできるので、それを理解したうえで選ぶのであれば問題はない。
Razer Kitsune
価格 | 48,880円(税込) |
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メーカー | Razer |
対応機種 | PlayStation 5、PC |
サイズ | 幅296×奥行き210×高さ192mm |
重量 | 815g |
ゲーミングデバイスなどでもおなじみのRazerによるレバーレスアケコン「Razer Kitsune」。見た目で特徴的なのは、ゲーミングアケコンとも言えるライティングだ。さまざまな色の組み合わせと効果によって、ユーザーの格闘スタイルに合わせてカスタマイズできる「RAZER CHROMA RGB」に対応している。
性能も妥協しておらず、進化した高精度のクワッドムーブメントボタンのレイアウトと、応答性の高いリニア薄型オプティカルスイッチを採用しており、プレイ時の入力エラーを減らすことができる。また、大きさはちょうどA4サイズで、重量も1kg未満。USB Type-C ケーブルは取り外し可能なため、携帯性も抜群だ。なお、価格は53,880円(税込)と少し高くなるが、「ストリートファイター6」のChun-Li EditionとCammy Editionもある。
JunkFood Custom Arcades SnackBox MICRO
価格 | 48,400円(税込) |
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メーカー | JunkFood Custom Arcades |
対応機種 | PlayStation 5、PlayStation 4、PlayStation 3、Nintendo Switch、PC、Android、Steam Deck |
サイズ | 幅253×奥行き133×高さ150mm |
重量 | 363g |
アメリカのゲーミングデバイスメーカー「JunkFood Custom Arcades」が、ゲームコミュニティの要望をまとめて商品化した「SnackBox」シリーズ。「SnackBox MICRO」は、レバーレスコントローラーとして最小クラスの小ささが特徴。コンパクトかつスリムなデザインのタブレットサイズで363gと超軽量であり、持ち運びや収納にも便利だ。
ボタンは、ロープロファイル メカニカルスイッチ最速クラスの「Amber」を搭載。通常のロープロファイルスイッチと比較して作動点が0.5mm短く、一瞬の操作スピードが勝敗に直結する対戦格闘ゲームで最大限の威力を発揮する。さらに、スイッチ部品はネジを外すことなくカスタマイズ可能であり、専用アプリを使ってのスイッチ各種機能や、アートワーク(フェイスプレート)もカスタマイズ可能。より自分好みの操作性、見た目を追求できる1台となっている。