【Steam】買い逃しはない? Steam新作ゲーム1月発売オススメ紹介!ランダム要素のある街づくりから推理アドベンチャーまで

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。皆さま、年末年始はゲーム三昧を過ごされましたか? 年末年始に限らず、ゲーム三昧なんて、いつでもどれだけあってもよいものですが、今回はそんなゲーム三昧のお供に最適なオススメのインディータイトルを、12月から1月に発売されたものの中から厳選してご紹介していきたいと思います。

1,ファンタジー世界で未来への道を切り拓け!ランダム要素のある街づくりシミュレーション「Against the Storm」

いきなりですが、街づくりシミュレーションゲームってときどき無性に遊びたくなりませんか? 家や施設を建設したり、市民を増やしていったり、文明を栄えさせていったりという、コツコツした作業がたまらなく好きというゲーマーも多いのではないかと思いますが、ご紹介する「Against the Storm」はそんな方にオススメのタイトルです。

「Against the Storm」は、ファンタジー世界を舞台にした街づくりシミュレーションゲームです。すべてを破壊する現象「ブライトストーム」に苦しめられている世界では、女王「スコーチ・クイーン」が統治するスモルダリング・シティだけが唯一の安全な場所。プレイヤーは、女王が任命した総督のひとりとなって、未開の荒野におもむいて新たな入植地を築き、スモルダリング・シティの再建を助けることが目的です。ファンタジーRPGを連想とさせるような世界観が面白く、引き込まれます。

本作のクリア条件は、名声ポイントを集めて画面下部に表示されている青色の「名声バー」を満タンにすること。ただし、赤色の「女王の怒り」が満タンになる前に、という制限つきです。女王の怒りは時間経過などでたまっていってしまいますが、ゲーム中に登場するミッションである「指令」を達成することで下げることができます。また、指令達成で名声ポイントも得られるので、ゲーム中は積極的に指令の達成を目指していくこととなります。

ゲームのメインとなる入植地の画面では、まずさまざまな施設を建設していきます。
「木こりのキャンプ」や「石切人のキャンプ」を建てて周囲の木や石といった素材を収集したり、住民たちが暮らすための家を建てたりといった具合です。ただし、「木こりのキャンプ」などの施設は、建てただけで住民が作業を始めるわけではなく、担当者を割り当てなければならないので要注意。なお、住民たちは「人間」や「ビーバー」や「リザード」といった種族があり、人間なら農業が得意、ビーバーは木工が得意といったように得意な分野があるため、適材適所を狙うと効率が上がります。人間だけではなく獣人やモンスターのような種族が一緒に暮らして作業をするというのは、本作のファンタジーな世界観ならではの面白さです。

入植地の周辺には、霧で覆われた空き地が複数存在します。木を切って空き地と入植地をつなげることで空き地の霧が晴れ、新たな資源を手に入れたり、採取することが可能となっていきます。時には、廃墟や物資箱などがある空き地もあり、さらなる資源や物資を獲得できるチャンスも。これら「空き地イベント」は、住民を割り当てて調査をすることで報酬を得られますが、なかには迅速に対処しなければ有害な効果をもたらすマイナスの空き地イベントも存在。探索を進めて領地を拡大していくこのワクワク感とスリルによって、シミュレーションゲームでありながらRPGのような面白さを感じられます。

プレイするたびに変化する入植地の構造や、霧に隠れた空き地で得られるものなど、本作には大きな特徴としてさまざまなランダム要素が存在しているのですが、その中でも最たるものが、名声ボーナスによって獲得できる建物の設計図です。

木の採取など、基礎となる資源のために必要な建物は最初から建てられますが、高度な施設に関してはランダムに提示された中から選んで獲得する形となっているのです。それ以外にも、指令クリアで得られる報酬や、女王から定期的に得られる応援の内容、ゲーム内で1年がたつたびにもらえるパッシブ的なスキル「要石」なども、何が出てくるかはすべてランダム。

本作はシミュレーションゲームでありながら、ランダム性の高いローグライトの要素がふんだんに盛り込まれており、これこそが最大の魅力にして醍醐味となっているのです。そのため、リプレイ性が非常に高く、シミュレーションゲームとしては比較的サクサクと短時間で遊べることも相まって、繰り返し飽きずに遊び続けることができる作りとなっているのです。

プレイヤーレベルが上がっていくことでさまざまな施設や機能が解放されていったり、スキルツリー的なアップグレード要素もあるので、繰り返し遊ぶたびにどんどん有利になっていくのも本作の魅力。街づくりシミュレーションゲームが好きな方なら、あっという間に深い沼にハマってしまうこと間違いありません。

ファンタジー風の世界観、スピード感や判断力が必要となる街づくりシミュレーション要素、遊ぶたびにワクワクが止まらないランダム要素が見事に融合した「Against the Storm」。先述のとおり、リプレイ性が非常に高いため、長く遊び続けられるタイトルになっています。シミュレーションゲームが好きな方なら要チェックな作品です。

  • 「Against the Storm」(Eremite Games)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 発売日:2023年12月9日
  • 価格:3,980円(2024年1月23日時点)
  • コピーライト:(C) 2023 Eremite Games

2、難解な未解決事件の真相にたどり着けるか? パズルテイストの推理アドベンチャー「未解決事件は終わらせないといけないから」

世の中には“未解決事件”というものが存在します。真相や犯人がわからないまま、解決に至っていない難解な事件。ご紹介するのは、そんな未解決事件をテーマにした作品「未解決事件は終わらせないといけないから」です。

本作は、とある未解決事件をめぐる推理アドベンチャーゲームです。「REPLICA」「リーガルダンジョン」「The Wake」という、“最悪感三部作”と呼ばれる人気のインディーアドベンチャーゲームの開発者が制作した最新作となっており、前述の三部作同様、独特のシステムや世界観が楽しめる作品となっています。

本作の主人公は、12年前に警察を退職した清崎蒼という人物。清崎は12年前に、ひとりの少女・犀華ちゃんが行方不明となった事件の捜査をしていたのですが、聞き込みや捜査を繰り返すも解決ができないまま、ついには未解決事件となってしまっていました。
そんな元警官・清崎のもとを、あるとき、ひとりの若い警官が訪れて、「犀華ちゃん行方不明事件」を終わらせるよう協力を要請する……というのが、本作のあらすじ。黒をベースとしたドットグラフィック風のグラフィックデザインも相まって、ミステリアスな雰囲気が漂います。

ゲームのメインとなる画面は、LINEなどのメッセージアプリやSNSの画面を思わせるようなインターフェイスになっています。この画面上に、事件捜査で関係者たちとのやり取りがテキストとして表示されていきます。証言の中には、色が異なる表示をされているハッシュタグ付きのワードや、アットマーク付きの人物名が登場することがあります。これらをクリックすることで、ほかの証言が聞き出せたり、ほかの人物が登場したりというように、どんどん新たな証言が展開されていきます。

展開を進めていくと、犀華の父親や犀華の母親をはじめ、事件関係者たちの証言が次々に出てくるのですが、忘れてはならないのは、これらはあくまでも「清崎蒼の記憶」だという点。なので、証言の時系がバラバラだったり、発言している人物自体が違っていたりと、あやふやな部分が多数存在するのです。そのため、上から順番に証言を読んでいても「……ん?」となることがたびたびあります。

そこでプレイヤーが行うことは、証言の発言者を正しい人物に再設定したり、正しい時系列順になるように並び替えていくこと。証言の中の言葉をじっくり読み込んだり、証言の文頭と文末を観察したり、はたまたほかの人物の証言を注意深く読み解いていき、正しい形へと整えていきます。テキストベースのアドベンチャーゲームでありながら、ジグソーパズルを解くのに似たようなプレイ感覚があり、じっくり腰を据えて楽しめます。

なかには、表示される問題の答えとなるテキストを探し出してクリックしたり、誕生日など、事件に関連する日付を4ケタの数字で入力しなければ解除できない証言も登場します。さらに、証言の順番を複数回正しく並び替えることで得られる金色の鍵を使わなければ開かれない証言も存在します。これらの数々のパズルを解いていくうちに、プレイヤーは自然とテキストを丹念に読み込んでいくこととなり、同時に、難解な未解決事件の捜査に取り組んでいく疑似体験ができるのです。これはミステリー小説やドラマなどでは再現不可能な、“ゲーム”という媒体だからこそできる、非常にインタラクティブな謎解き体験であると感じました。

パズルのピースのような数々の証言を読み解き、正しい形に戻していくことで、謎めいた未解決事件の真相に迫っていく「未解決事件は終わらせないといけないから」。謎解きやパズル、脱出ゲーム、ミステリー小説などが好きな方ならぜひプレイしていただきたいオススメのアドベンチャーゲームです。

  • 「未解決事件は終わらせないといけないから」(Somi)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 発売日:2024年1月18日
  • 価格:800円(2024年1月23日時点)
  • コピーライト:(C) 2024 Somi

3、キュートな疫病神にジャンジャン貢ぎまくれ! クスッと笑えるハイスピード大喜利シミュレーション「貢がせろ!女苑ちゃん!!」

皆さま、大喜利(おおぎり)をやったことはありますか?
お笑い芸人さんやラジオのハガキ職人などでなければ、日常でそうそう大喜利をやることはないかもしれませんが、ご紹介する「貢(みつ)がせろ!女苑ちゃん!!」は、そんな大喜利を手軽に(?)楽しめるゲームです。

本作は、疫病神である「依神女苑(よりがみじょおん)」に、ひたすら物品を貢いでいくという、ハイスピード大喜利貢ぎシミュレーションゲームです。「依神女苑」とは、「上海アリス幻樂団」制作の弾幕シューティングゲームを中心とする作品群である「東方Project」に登場するキャラクター。つまり本作は、「東方Project」の二次創作作品という建て付けになっているのですが、とはいえ、「東方Project」の原作や二次創作に詳しくない方でも問題なく遊べる作りとなっているのでご安心ください。

本作の主役は、先述の疫病神、女苑ちゃん。プレイヤーの目的はというと、タイトルからも察せられるとおり、女苑ちゃんにひたすら物品を貢いでいくことです。ではどうやって貢いでいくのかというと、そこで“大喜利”が登場します。プレイヤーは、女苑ちゃんが要求してくるお題に沿って文字で回答を入力することで、その物品を貢ぐことができるのです。ちなみに、貢げる物品は2文字のものに限られており、うち1文字はお題にて固定されているため、プレイヤーが入力するのは残りの1文字だけです。

お題は「『た』のつく食べ物」や「『い』のつく便利なもの」など、さまざまなものが出題されます。そこでプレイヤーは、表示される仮想キーボードの文字をクリックして、「たい(鯛)」や「いす(椅子)」などの言葉を作り、お題に回答をしていきます。そこで、女苑ちゃんが物品を気に入って受け取ってくれたらお題クリアとなるのですが、面白いポイントは、作った言葉に対して女苑ちゃんがしっかりリアクションを返してくれること。

たとえば椅子を貢げば「あら、かわいい椅子ね」と笑顔で気に入ってくれますが、イカを貢ぐと「くっさ…直でイカ持ってくるのやめなさいよ…」と困惑した顔を見せてくれるといった具合。女苑ちゃんのリアクションが見たいがために、お題をクリアするという目的をついつい忘れてしまうこともあります。

ゲームはステージクリア型となっており、設けられた制限時間内に、設定された数のお題をクリアすれば次のステージが解放されます。このあたりが『ハイスピード大喜利』たるゆえんなのですが、ユニークなシステムとして、制限時間以外に「ごきげんメーター」と「予算」というものが存在する点があげられます。

ごきげんメーターは、女苑ちゃんの機嫌を可視化したメーターです。プレイヤーが貢いだ物品を女苑ちゃんが気に入ると、このメーターが上がっていき、合格ラインを上回った状態ですべてのお題をクリアすればステージクリアとなります。お題に沿ったものを渡せばメーターは上がっていきますが、お題に関係ないものやふざけたものを渡すと下がってしまうので要注意。

所持金は、その名のとおり、プレイヤーのそのステージにおける所持金です。大喜利で作った物品にはそれぞれ価格が設定されており、女苑ちゃんに貢ぐたびにその金額が所持金から引かれていくのですが、ステージクリアまでの間に所持金がマイナスになるとクリア失敗となってしまいます。

「うに(ウニ)」や「ふか(フカヒレ)」など、高価なものを渡せばメーターは大きく上がりますが、そのいっぽうで所持金が大きく減ってしまい、予算オーバーで失敗となるリスクも高まります。高価すぎず、でも喜ばれるものを、制限時間内に考えるというこの絶妙な「ヒリヒリ感」こそ本作の醍醐味であり、中毒性の高いポイントとなっているようです。

大喜利に答えてスピーディーに物品を貢いでいくという、ユニークで唯一無二のゲーム性が魅力の「貢がせろ!女苑ちゃん!!」。苦しまぎれに入力した文字で予想外の言葉が誕生し、思わぬ笑いを生み出してくれるのも本作ならではのハマるポイントです。気になる方はぜひ語彙力を振り絞って女苑ちゃんにジャンジャン貢いでみてください。

  • 「貢がせろ!女苑ちゃん!!」(ISY)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 発売日:2023年12月5日
  • 価格:700円(2024年1月23日時点)
  • コピーライト:(C) 2024 ISY

新作のオススメSteamタイトル、気になるものはあった?

というわけで、Steamのオススメ新作タイトルをご紹介しました。

街づくりシミュレーション、推理アドベンチャー、そして大喜利ゲームと、ジャンルの異なるバラエティー豊かな三作をご紹介してみましたが、気になるタイトルはあったでしょうか?寒さが厳しい今日このごろ、おうちでぬくぬく楽しむためのゲームとしてぜひ、チェックしてみてくださいね。

百壁ネロ

百壁ネロ

ゲーム買いすぎちゃう系ライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「轟運探偵の超然たる事件簿 探偵全滅館殺人事件」(星海社)、「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)など。
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