2018年秋アニメは今年も50本以上。新アニメ放送枠の話題作から人気シリーズの続編まで注目作が目白押しです。そこで今回は見逃せない5作品をピックアップしました。位置情報ゲームが原作の「INGRESS THE ANIMATION」、「SAO」シリーズ最新作「ソードアート・オンライン アリシゼーション」、円谷プロの特撮が原案の「SSSS.GRIDMAN」、人気青春小説をTVアニメ・劇場アニメ化「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」、ネタバレ禁止のオリジナル作品「ゾンビランドサガ」をピックアップしました。
「+Ultra」は世界基準のアニメを全世界へ発信するために設立されたフジテレビの新アニメ枠だ。その第1弾「INGRESS THE ANIMATION」は位置情報ゲーム「Ingress」が原作。現実世界を舞台とした陣取り合戦はブームを巻き起こし、スマホを手に全国を駆けるプレイヤーが続出した。
アニメはオリジナルストーリーで、触れた物の記憶を読める特殊捜査官・翠川誠と、人間の精神に影響する物質「XM」(エキゾチックマター)を巡るSFとなっている。先行上映会ではアニメの世界観にもとづいた「音声ARエージェントゲーム」が楽しめるなど、ゲームや現実とリンクした企画を実施予定。さらにNetflixではひと足先に全話が一斉配信されるという、通常のアニメ枠に縛られない試みも行う。制作は「花とアリス殺人事件」のクラフターが担当する。
大ヒット小説「ソードアート・オンライン」シリーズの最新作。アリシゼーション編は原作の中でもっとも長いエピソードであり、第9巻から第18巻に渡る大長編を全4クールの長丁場で描き切る。深夜アニメで4クール作品は近年珍しく、壮大なストーリーを余すところなく堪能できる。
PVでは新シリーズの舞台となる仮想世界・アンダーワールドが描かれており、鬱蒼とした樹木に覆われた風景が印象的。「SAO」ではこれまでもファンタジー世界が描かれてきたが、今回は現実からかけ離れたハイ・ファンタジーを思わせるテイストとなっている。主人公・キリトが剣を片手に大立ち回りを演じるアクションも盛り込まれ、シリーズの見どころであるバトルシーンも圧巻の仕上がりだ。監督は「魔法科高校の劣等生」の小野学にバトンタッチ。新たな布陣によって新章が紡がれていく。
1990年代に放送された円谷プロダクションの特撮番組「電光超人グリッドマン」がTVアニメになって現代に蘇る。ストーリーの詳細はまだ明かされていないが、記憶喪失になった高校1年生の響裕太とグリッドマンの活躍が描かれるようだ。
監督は2015年に短編映像企画「日本アニメ(ーター)見本市」で「電光超人グリッドマン boys invent great hero」を手がけた雨宮哲。短編ではグリッドマンや怪獣だけでなく、破壊される街並みもリアリティあふれるタッチで表現されていた。「SSSS.GRIDMAN」の最新PVでも、怪獣に蹴散らされる車や倒れるビルが存在感を放っており、熱いバトルを盛り上げていく。
アニメーション制作は「リトルウィッチアカデミア」などで海外からも支持を集めるトリガー。7月にはロサンゼルスで開催されたアニメエキスポ2018でワールドプレミアを実施し、現地のファンから喝采を浴びた。
2014年より電撃文庫にて刊行中の小説「青春ブタ野郎」シリーズが原作。精神的に不安定な時期だけに起きる不可思議な現象「思春期症候群」に振り回される高校生・梓川咲太と、個性的なヒロインの青春ドラマを描く。
PVは咲太が図書館でバニーガール姿の少女と出会う印象的な場面からスタート。ヒロインたちの多彩な表情はもちろん、レトロな江ノ電の姿も確認できた。藤沢を舞台にした青春ストーリーに期待がふくらむ。アニメーション制作はA-1 Picturesが立ち上げた新ブランドのCloverWorksが担当。2019年には原作の第6弾・第7弾を映像化した劇場アニメ「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」も公開予定。
「この世界の片隅に」や「ユーリ!!! on ICE」を手がけたアニメスタジオ・MAPPAが送るオリジナルアニメ。タイトルからゾンビものであることはわかり、キービジュアルには7人の少女+αが映し出されてはいるものの、それ以外は多くの謎に包まれている。
9月下旬には“ネタバレしません誓約書”先行上映会を開催。完全ネタバレ厳禁イベントであり、誓約書に同意しなければ入場できないという異例の上映会が注目を集めた。「私たち、生きたい。」というキャッチコピーから、サバイバルアクションのようにも思えるが、どうやら予想外の展開が待ち受けている様子。ゾンビ映画の生みの親であるジョージ・A・ロメロが没してから早1年。どんなゾンビものが送り出されるのだろうか!
(文/高橋克則)
(C) 『イングレス』製作委員会
(C) 2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
(C) 円谷プロ (C) 2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
(C) 2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project
(C) ゾンビランドサガ製作委員会