UMI☆KUUN名義とはひと味違うサウンドが「名探偵コナン」OPを彩る! 新曲「カウントダウン」をリリースしたNormCoreにインタビュー

TVアニメ「名探偵コナン」の新オープニングテーマを2018年5月26日の放送回より担当している「NormCore(ノームコア)」は、ボーカル・Fümiさん、ヴァイオリンのTatsuさん、クラシックギターのNatsuさんという、メンバー全員が音楽大学卒業という経歴を持ったシンフォニックロック・ユニット。この3人が生み出すサウンドは激しいロックをベースにしながらも、Fumiさんのハイトーンボイス、Tatsuさんのヴァイオリン、Natsuさんのクラシックギターにより麗美な世界を描き出し、3人でしか表現できない楽曲を生み出している。

その「NormCore」が8月29日にニューシングル「カウントダウン」をリリースする。この曲は5月26日の放送回より、TVアニメ「名探偵コナン」(以下、「コナン」)のオープニングテーマ曲として放送されており、いよいよ待望のリリースとなる。

今回アキバ総研では、新曲リリースが間近に控えた「NormCore」から、ボーカル・Fumiさんにインタビュー。「アキバに住みたい」と語ってくれたFümiさんに、新曲にこめた思いを語っていただいた。

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ソロの名義とは違う、芸術的な音楽を目指したユニット


──「アキバ総研」でインタビューにお答えいただくのは今回が初となります。まずは「NormCore」について、ソロ活動とは別にユニットを結成された経緯などを教えていただけますか。

Fümi うみくん(UMI☆KUUN)としてソロ活動もしていますが、海外のイベントのレポーターやニコニコ超会議でMCをやったり、コスプレイヤーをしたり、YouTuberをしたりと、マルチな活動もしています。ですが、せっかく音大を出ているんだし、より芸術に寄った音楽的な活動をしてみるのも面白いかと思ったのが「NormCore」を結成するきっかけでした。新しいことをやるのなら自分たちにしかできないことをやってこそ価値があると思って、音大の後輩だった2人に声をかけました。

──学科自体は違うお2人ですが、どのように知り合われたのでしょうか。

Fümi 僕は声楽科で、2人はそれぞれヴァイオリン科とクラシックギター科で、しかもどちらも僕が卒業してから入学しているので、実際に学校で顔を合わせていたというわけではないんです。僕は大学を卒業したあとも、よく大学の学食に遊びに行ってたんですが、その時に出会ったんです。
クラシックをやっている人って、ポップスを別物ととらえて興味関心がないという人が多い中で、2人はポップスにも興味を持っている人たちだったので、「NormCore」を起ち上げる時に思い出して声をかけたんです。今は何でもありな時代だと思うので、パートを意識したというよりは、この2人と一緒にやりたいという思いでした。


──そんなお2人と組まれた「NormCore」ですが、ユニット名の由来を教えてください。

Fümi もともと「NormCore」はファッション業界の造語で、「Norm」は標準、Coreは「ハードコア」とかの「コア」で、究極のシンプル、みたいな意味なんです。白Tシャツに黒スキニーだけみたいなファッションスタイルを指す言葉なんですが、いい響きの言葉だなと思ったんです。というのも、僕は何かを選ぶときに、基本的に迷わないんですよ。音楽の音選びにしても、明確な伝えたいことやスタートラインを決めて作ったりプランニングするタイプなので、そういったところがリンクするなと思って決めました。

──普段迷われることは少ないとのことですが、逆に時間をかけてしまうことはありますか?

Fümi 曲作りやレコーディングなど、家で作業することが多いので、なるべく自分好みの空間にできるように、掃除やインテリアには時間をかけていますね。

──ちなみに、最近のお気に入りのインテリアは何ですか?

Fümi PC机です。半年くらい前に新調したんですが、高さと幅が本当によくて。パソコンとキーボードと曲作りのためのハードが、ベストなところにはまっているんです。椅子も新しくしたので、仕事回りのワンセットが今はお気に入りですね。椅子って変わると集中力の持続時間が2倍くらいになるんですよ! 今までは疲れていると15分やって5分休憩みたいな感じだったんですが、椅子を新調してからは30分とか集中してやれるようになりました。なので、皆さんもぜひ自分にあった椅子を買ってほしいです(笑) 。

タイアップのプレッシャーと、共同制作者へのリスペクト


──では楽曲について聞いていきたいと思います。デビューシングル「それでも僕は生きている」はTVアニメ「EVIL OR LIVE」の、前作の2ndシングル「傷だらけの僕ら」はTVアニメ「一人之下 羅天大?篇」のオープニングテーマ、そして本作は「コナン」のオープニングテーマと、3作連続でアニメタイアップとなっていますね。

Fümi うれしい気持ちはもちろんあったんですが、「コナン」のオープニングということで、プレッシャーが大きかったですね。何をどうすればいいのか、悩む時間が始まりました。

──長く続く作品だけにかかるプレッシャーは計り知れませんが、「カウントダウン」制作時、アニメ制作サイドから何か特別にオーダーされたことはありましたか?

Fümi 明確なものはなかったんですが、オープニングを飾るのにふさわしい曲にしようと思いました。

──「カウントダウン」はまふまふさんとともに作詞を担当されていますね。制作をご一緒するのはこれが初めてとのことですが、共同制作してみての感想を教えていただけますか。

Fümi 僕は本当にまふまふさんのことを、ボーカリストとしても制作者としてもリスペクトしているんですが、今回初めて一緒に制作させていただくと学ぶことだらけで、音楽キャリアとして本当に幸せな時間でした。そしてそれはまふまふさんに対してももちろんなんですが、まふまふさんと一緒に制作できるようにしてくれた、社会や人のつながりに対しても、ありがたい思いでいっぱいでした。

──そんな尊敬されているまふまふさんから曲が上がってきて、最初に聞いたときの感想を教えてください。


Fümi
 本当に単純に「いい曲だな」と。「いい曲だ」と思ってそれから、「どう大人たちを説得させる曲に仕上げようか」と思いましたね。音楽がわかる人には、メロディを聴いただけでそのよさが伝わると思うんですが、逆に音楽を知らない人に、どうやったらこの曲のよさを伝えることができるのか。そのために、どんな曲にしていこうかという思いが浮かびました。

──「カウントダウン」は疾走感のあるシンフォニックロックと、まさに「NormCore」のカラーが全面に出た楽曲となっています。楽曲を聴いた際に、ヴァイオリンやギターのアレンジも浮かぶような楽曲でしたか?

Fümi ヴァイオリンやギターをどう入れてほしいというのもすぐに浮かびました。アレンジを担当してくださったのが、「After the Rain」の三矢禅晃さんだったんですが、ジャンルレスでなんでもできるマルチな方なのと、これまでにもまふまふさんとお仕事をされているということもあって、アレンジをゆだねられる、きっと素晴らしい曲になるという確信がありましたね。

カップリング、そしてMVにこめられた思い


──カップリングの「モハンカイトウ」はロック調の「カウントダウン」とは打って変わったバラードとなっていて、曲調もまったく印象の違う楽曲です。Fumiさんの歌声もまったく違った色になっていて驚きました。

Fümi そういう印象を与えたいなと思ってカップリングをつくったので、そう言ってもらえるとうれしいですね。

──こちらは作詞作曲ともにFumiさんが担当されています。

Fümi 今回はせっかく「コナン」の楽曲のカップリングということで、自分を知ってもらうために、自分がやりたいことをやろうという思いがまずありました。そのうえで、今のカルチャーを作っているティーンエイジャーに対して刺さる歌詞や曲じゃないとダメだなという部分もありました。

──ティーンエイジャーに対して伝えるとき、言い方は悪いですがラブソングでまとめてしまったりすれば作り手として手っ取り早いと思うのですが、今回の楽曲はそうではないですね。

Fümi ラブソングはお腹いっぱいというか。ティーンエイジャーの子たちに対して僕が言えるのは、恋愛のことじゃない。それなら何が言えるだろうと思ったときに、今の子たちに見せられる自分のリアルな経験は、社会や大人に対するカウンターの気持ちだなと思ったんです。普段は全然出していないので、あえてそういった思いを全面に出したものを1回つくってみようかと思って制作したのがカップリングの「モハンカイトウ」になります。

──「モハンカイトウ」はリリックビデオも公開されていたり、歌詞にこだわりを感じます。思い入れが強いのは、特にどの部分でしょうか。

Fümi 「空気なんて吸って吐くべきで、読み解くなど無理難題さ」という歌詞は、あえて2番に入れていて、今回の自分なりのパンチライン(印象的な部分)になっています。もともとライブのバックに流すような映像を作ろうとしていたんですが、自分のパーソナルな部分をここまで強く入れて書いたのはこの曲が初めてだったんです。だから愛着が湧いてきて、それならばと歌詞をメインにしたMVをつくろうと思ったのがリリックビデオ制作のきっかけでした。

──「カウントダウン」のMVは廃ビルで撮影されていますが、Fumiさんの衣装や金髪の少女のワンピース、白い羽が降ってくるシーンなど、全体に白が印象的に演出された映像になっていますね。

Fümi この曲を聴いたときから白というイメージがあったのと、1stシングルの「それでも僕は生きている」は「黒と青」、2ndシングル「傷だらけの僕ら」は「黒と赤」という勝手なイメージがあったんです。曲の持っているエナジー感も、ファーストはネガティブなパワー、セカンドはポジティブなパワーというのがあって。その2曲のあと、次の曲をやるとしたら何があるんだろうと考えたときに、「白」で1回白紙に戻したいなという思いが頭の中に浮かんでいたんです。共同制作させていただいたまふまふさんのテーマカラーが白なのもあって、リスペクトや感謝の気持ちも込めています。ただ、あくまでも印象としての白が伝わるような世界観であり、白いものだらけという映像にはしたくなかったので、MVの企画や編集にも立ち合わせてもらいました。

──廃ビルでの撮影なのに暗い空間という印象にならないのは、アクセントとなっている白のおかげだと思います。

Fümi 1stと2ndのMVは完全に室内の照明で撮っていたんですが、今回はなるべく自然光を使いたいと思って制作していました。ビルに差し込む自然の陽の光が入っているので、印象が違うんだと思います。シンプルな演出をしようと思えば思うほど、質がよくないと安っぽく見えてしまうので、編集の段階でもすごく苦労しましたね。

「NormCore」は始まったばかり

──さて、そんなニューシングル「カウントダウン」のリリースイベントが8月26日(日)の大阪まで続いていましたが、各会場での手応えはいかがでしたか?

Fümi 「NormCore」自体は始まったばかりなのですが、それでもやはり「コナン」の主題歌ということで、「聴いたことがある!」と言ってくれる方も多くて、これからもっとがんばっていこうと思わせてくれるイベントになりました。

──そんなリリースイベントをふまえて、9月8日(土)にはCIRCUS Tokyoにてワンマンライブ「NormCore Night Vol.2」が開催されます。

Fümi 「NormCore Night Vol.2」では今回の「カウントダウン」などを筆頭に、カバー曲も披露する予定です。ワンマンライブも2回目となるので、1回目よりいいライブにできたらと思っています。構想もだいたい決まっていて、とっぴなことではないんですが、新たな試みも入れてみようと思っていたりするので、お時間があったらぜひ足を運んでいただけたらうれしいです。

──ではあらためて、新曲「カウントダウン」に込めた思いをお聴かせいただけますか。

Fümi 本当に今回は、まふまふさんや仕事や縁に感謝して、全力で最後まで尽力させていただきました。ボクらクリエイターと、ずっと推理をし続けて生きていくという新一くんの心情というのは、普通の人の生き方をある意味捨てて、自分の中の美学や美意識というのを研ぎ澄ましていくというところで、重なる部分がある気がしているんです。新一くんのマインドに通ずるところもあると思うので、「コナン」という作品をリスペクトしながら全力を尽くせたと思うので、たくさんの方に聴いていただけたらうれしいです。

──ありがとうございました!