「信長の忍び~姉川・石山篇~」第71~72話感想:これが泣かずにいられりょか!? 信長男泣き! 森可成、果敢に散る!!

「信長の忍び」は、ヤングアニマル(白泉社)にて連載中の同名4コママンガ(作:重野なおき)を原作としたショートアニメなのだが、とにかく、戦国ギャグアニメとしての出来が秀逸で、隠れファンも多いはず。2016年10月にスタートし今期が3期ということになる。3期は、いよいよ、信長の天下統一への道の中でも重要となる「姉川の戦い」そして「石山合戦」が描かれる。歴史ファンなら、もう絶対にマストで見とかないとダメ!なヤツなのだ。

今回紹介する71~72話では、織田家の重鎮である森可成(もりよしなり)が主役。石山本願寺に釘付けにされている信長たちの後詰めとして、京を守る可成が、急遽攻め込んできた浅井・朝倉連合軍にわずかな手勢で立ち向かう!!

第71話「覚悟完了」

三万の軍勢で再び進軍を始めた浅井・朝倉連合軍。これを迎え撃つ森可成の軍勢は、前日の戦いもあってすでに千にも満たない。信長の命を受け宇佐山城を訪れていた千鳥は、勝ち目のない戦に、撤退あるいは籠城を進言するが、それでは京への侵攻を許してしまうと、はねつけられる。

「千鳥!お前は信長様に『浅井・朝倉軍三万再び侵攻」とだけ伝えろ!」

その言葉に動かされた千鳥は、宇佐山城を後にする。もう二度と可成とは会えない。そう確信しながらも、以前に可成の妻・えいの言葉が脳裏をよぎる。

「勝ってとは言いえないんです。死なないでとも言えません」

千鳥が可成との別れ際にかけられる言葉はこれだけだった。

「ご武運をお祈りしています」

これに対して、プレイボーイである可成の捨て台詞がカッコよすぎ!

「わりィな千鳥。武士がどうとか忍びがどうとか言ったけど、結局はお前を死なせたくねーだけなんだわ」

可成、カッコいい-!! それでこそ男前っ!! 部下にも散々、女たらしだなんだといじられて、思わず笑いが起こる。こんな一大事にも、森可成隊は爽やかなのだ。

やがて戦が始まる。奮闘むなしく、大軍に圧倒され包囲されていく可成隊。信長の弟である織田信治も討ち死にする。そんな様子を、徐々に戦場から遠ざかっていく千鳥が見つめる。しかし、「千鳥ちゃん、足を止めちゃダメだ」と助蔵にうながされて、去って行く。

・第71話「覚悟完了」あらすじ

万全の体勢を整え再び侵攻を開始した浅井・朝倉軍。千鳥から退却を提言されるも可成は退かず、迎え撃つ覚悟を決める。千鳥を生かす為、信長のもとに返した可成は、わずかな手勢で大軍と激突する!

 

第72話「受け継ぐ者たち」

圧倒的優勢の浅井朝倉連合軍に追い詰められる森可成隊。得意の十文字槍をふるい、獅子奮迅の戦いを見せていた可成もついに朝倉家の家臣、山崎吉家に追い詰められる。戦場のまっただ中で対峙する可成と山崎。そこで、可成は山崎に問う。

可成「朝倉義景は何がしたい? 何を目指すんだ?」

山崎「戦国武将の言葉とも思えぬな! 敵対する織田家を倒し、朝倉家とその領民を守るために決まっておろう!」

可成「それが小せえって言ってんだよ。朝倉も浅井も三好も本願寺も」

可成「お前らには想像もつかねーだろうがなあ、ウチの殿は天下布武…百年の乱世を終わらせるために戦ってるんだ。そんなこともわからねー、足を引っ張ることしかできねー小物が何人集まろうが、織田家は絶っ対倒せねえ!!」

その瞬間、可成の身体にいくつもの槍が刺される。

可成最後の決めゼリフ!(CV:関智一) 関さん、やっぱカッコええ-!! 一世一代の名台詞ですよ!! もう涙ちょちょ切れるでしょー!! 織田家随一の色男で、誰にもやさしかった森可成、最後のシーンである。泣け、泣いていいぞ!!

その2日後、摂津国で本願寺勢力と対峙していた信長本陣に千鳥が到着し、「浅井・朝倉軍三万再び侵攻」と伝える。その直後に、別の伝令が到着。その伝令が伝えたのは、「森可成様、討ち死に!」の知らせだった。

驚きに包まれる織田家の家臣たち。そんなところに明智光秀が、信長に献上する「カステーラ」を持って意気揚々と現れる。なんという(超!)間の悪さ……。しかし、こういう光秀がなんともいとおしい……。

そんな光秀を信長はしかり飛ばすかと思いきや、持ってこられたカステーラをむんずとつかみ、ガツガツと食べ始める。このときの信長の台詞がまた絶妙だ。

「これがカステーラか… 初めて食べたが… しょっぱいではないか…」

カステーラをほおばりながら、信長は泣いていたのである。

「信長の忍び」の中でも、数本の指に入る名シーンだ。絶対、見逃さないように!!!

 

その後、信長は全軍退却を指示する。攻め来る浅井朝倉軍から京を守るためだ。しかし、そんな信長勢の前に思わぬ敵が!! なんと、この地に来るときに渡ってきた江口川を渡る舟がすべて本願寺勢によって隠されてしまっていたのだ。

「退却中の軍ほど弱いものはありません。……あなたは逃げることもできないのですよ」

不気味に笑う本願寺顕如。

織田軍絶体絶命か!! 次回を待て!!

・第72話「受け継ぐ者たち」あらすじ

次々と味方が討死し潰走していくなか、ひとり十文字槍を振るう森可成。山崎の槍を腹に受けながらも、信長が目指す天下布武を説く。一方、信長本陣に戻った千鳥は、宇佐山城から入った伝令に震撼する……!

(編集部・鎌田)