中島 愛 × kz(livetune) スペシャル対談──6年ぶりのコラボはスウィングで!

充実したデビュー10周年イヤーを送っている中島 愛がニューシングルをリリース。TVアニメ「すのはら荘の管理人さん」オープニングテーマ「Bitter Sweet Harmony」と、TVアニメ「かくりよの宿飯」新エンディングテーマ「知らない気持ち」というタイアップ曲2曲を収録した強力盤だ。「Bitter Sweet Harmony」のサウンドプロデュースは、まめぐとは6年ぶりのコラボとなるkz(livetune)。2人の話を聞いてみたい! ということで、スペシャルな対談が実現しました。

「すのはら荘の管理人さん」の原作を読んで、kzさんにお願いしたいと思いました

── 2012年9月にリリースされた“livetune adding 中島 愛”のシングル「Transfer」が、お2人の出会いだったんですよね。

kz 「マクロスF」の頃からボーカリストとして好きだったので、声をかけさせていただきました。繰り返し言われていることだと思うんですけど、ランカ・リーの楽曲はどれも本当に心に残るものでした。中島さんの歌声はやわらかくてパワーもあるという、両方を兼ね備えているところが魅力だなとずっと思っていたんです。

中島 そうおっしゃっていただけて、うれしいです。「Transfer」はkzさんにとっては、初めてリアルボーカルで制作する曲とうかがって、「私でいいのかな?」と不安もあったんですが、お引き受けするなら、kzさんのファンの方々に私の歌声を受け入れていただきたいなと思いました。タイアップも付いていたということもあり(アーケードゲーム「ガンスリンガー ストラトス」テーマソング)、レコーディングは気合いが入りました。

── その後、「Transfer」は長くファンに愛される曲になりましたね。

kz ありがたいですね。ファンタジスタ歌麿呂さんに作っていただいたMVも高評価で、YouTubeの視聴回数は200万を超えてますし、大学の映像の授業で使われたりもしているらしいです。

中島 レコーディングした後にでき上がったMVを拝見したら、カルチャーの最先端であり、多くの人に訴えかける映像になっていたので、kzさんとお仕事ができたのは、とても貴重な経験でした。ライブで歌う機会は何回かありましたが、本当に盛り上がるんです。盛り上がるというか、“ブチ上がる”と言ったほうが正しいくらい(笑)。

kz はははは(笑)。「すのはら荘の管理人さん」原作者のねこうめ先生も、今回のタイアップが決まったとき、「Transfer」が前から好きだったと、Twitterでつぶやいてくださって、うれしかったですね。この曲をずっと愛してくれている人が、こんなふうに世の中には存在しているんだなって思いました。

── 中島さんのライブにkzさんがゲスト出演して、お2人で「Transfer」を披露したこともありましたよね。

中島 中野サンプラザでの「メグミー・ナイト・フィーバー」(2013年9月22日)ですね。ワンマンライブでDJの方と一緒にステージに立つのは、あのときが初めてでした。

kz 僕もアーティストさんのライブにゲスト出演したのは初でした。でも、「Transfer」のレコーディングのときも、サンプラザのライブのときも、あまり中島さんとはしゃべってないんですよね。あの頃の僕は相当、コミュ障をこじらせていたから(笑)。

中島 私もかなりの人見知りなので(笑)、談笑して打ち解けるというよりも、お互い仕事に集中するという感じだったんじゃないかと思います。初めて長くお話しできたのは、中野サンプラザのライブの打ち上げの席でした。

kz あのときの打ち上げは盛り上がったんですよね。詳細をお話しできないくらい、すごかった(笑)。

中島 そうでしたね(笑)。

kz 一緒に仕事していながら、あまりしゃべれてなかったなというのが僕の印象だったんですよ。だから、今回のレコーディングではきちんとコミュニケーションを取ろうと思っていました。この6年の僕の成長を見ていただこうと(笑)。

中島 私もです。

── 今回のコラボは、どのようにして決まったんですか?

kz 僕は、フライングドッグの佐々木(史朗)社長から、お話をいただいたのが最初ですね。

中島 復帰した後、スタッフさんとのミーティングの中で、どんなアーティストさんとコラボしてみたいかという話になったんです。そのときに私が名前をあげさせていただいたひとりがkzさんだったんです。

kz おおっ。

中島 どのタイミングで声をかけさせていただこうかなと、ぴったりな作品との出会いを待っていました。そのときに、「すのはら荘の管理人さん」のオープニングテーマを担当させていただくことが決まって、原作を読ませていただいたら、「この作品はkzさんにお願いしたい!」と思ったんです。「すのはら荘の管理人さん」は変わらない日常を穏やかに描いた作品なんですが、その穏やかでやさしい雰囲気のままオープニングテーマを作るのは、ちょっと違うような気がしたんですね。やわらかくてふわふわなイメージの曲というより、この作品を見る視聴者のみなさんにオープニングで元気になってほしいなって思ったんです。

kz この作品で僕というのは、相当チャレンジングですよね(笑)。「Transfer」がバキバキのエレクトロだったということもあり、この作品で話が来たのはすごく意外でした。

中島 ここはポップな曲調でいってみたいと思ったんです。「すのはら荘の管理人さん」のスタッフさんにもOKをいただけたので、私の担当ディレクターでもある佐々木社長に、「佐々木さん、kzさんの説得をお願いします!」と話しました。

kz 今、初めて経緯を知りました(笑)。