「piece of youth」から「空想トライアングル」へ。ChouChoのシングル2曲は青春の味

TVアニメ「ハルチカ~ハルタとチカは青春する~」のエンディングテーマ「空想トライアングル」をリリースするChouCho。吹奏楽部を舞台にした青春ミステリーらしい、さわやかな曲ができあがった。また、昨年11月には、「ガールズ&パンツァー 劇場版」の主題歌「piece of youth」をリリースしている彼女。この2曲は、いずれも青春がテーマ。しかし、描かれた情景や想いはそれぞれで……。みずからの高校時代の思い出もまじえて、ChouChoが瑞々しい2曲について語った。

青春特有の、説明のつかない感情をテーマに作詞しました

──「空想トライアングル」は、中山真斗さんの作曲・編曲ですね。

ChouCho はい。中山さんとはデビューシングルの「カワルミライ」(TVアニメ「神様のメモ帳」OP)以来なので、約4年半ぶりのタッグになりました。イントロのピアノのフレーズがおしゃれで、デモを聴いた時から、かっこいいなと思いました。ここまでビートが効いた曲は、今まで歌ってこなかったので、私の新たな一面を見せられる曲になったと思います。

──作詞はChouChoさんご自身ですね。

ChouCho まずは「ハルチカ」の原作を読んで、イメージをつかみました。ミステリーとしてしっかりと構成された作品で、文章は読みやすかったですし、1話読み終わるごとにハッとさせられました。なにより、チカちゃん(穂村千夏)とハルタ(上条春太)の恋愛模様がおもしろかったです。

──吹奏楽部顧問の草壁先生を巡っての、三角関係ですからね。

ChouCho 女の子と男の子が、顧問の先生を好きになるって、びっくりですよね(笑)。

──「空想トライアングル」というタイトル通り、歌詞のテーマも三角関係なのでしょうか?

ChouCho 青春時代に抱えるモヤモヤした説明のつかない感情と、恋愛の三角関係という2つのモチーフを合わせて表現したいと思いました。それで歌詞の中には、「YESかNOか」とか,「期待と不安」とか、「安心感 焦燥感」、「優越感 劣等感」とか、反義語がたくさん入っているんです。メロディやリズムが印象的なので、それを生かせる言葉を音に乗せていきたいなと思って。歌詞の意味はもちろん、聴いていてリズミカルに感じる言葉を選びました。

──「ハーモニー」、「メロディー」、「クレッシェンド」など、音楽用語も散りばめられていますね。

ChouCho 吹奏楽部が舞台なので、そこも意識しました。逆に、ミステリーの要素は、それほど歌詞には盛りこみませんでした。最後の「探しに行こう『答え』を」というフレーズが、謎解きのような感じになっているだけで。「青春」というテーマを、一番に考えました。

──「モノクロの世界 動き始める 今」という出だしのフレーズも印象的です。

ChouCho 恋心が生まれた瞬間って、それまで色がなかった世界がカラフルになって、輝き出す瞬間だと思うんです。恋愛だけでなく、何か大切なものを見つけた瞬間に世界は変わるという心の持ちようを表現したくて、この言葉から始めました。

──ボーカルで気を配ったことはなんですか?

ChouCho しっかりとビートを表現することです。普通に歌っても出ないので、全体的に大げさに歌っています(笑)。2拍目と4拍目を強く歌うとか、見えない工夫をいっぱいしているんです。

──オンエアされているEDの映像を見た感想を教えてください。

ChouCho その話数の出来事を振り返ってくれる演出がいいですね。チカちゃんとハルタくんがさわやかに走っていたり、2人の私服姿が見られたりと、観ていて楽しかったです。特にハルタくんの私服は、私の周りでは評判がよくて。大人っぽくてかっこいいんですよね。

──「ハルチカ」で、特に注目しているキャラは誰ですか?

ChouCho 成島(美代子)さんです。ツンデレなところと、恥じらった時の表情がめちゃめちゃかわいくて。見る度にきゅんとしています(笑)。チカちゃんに振り回されてしまうところもかわいいなって。「ハルチカ」はどのキャラクターも魅力的ですし、映像もキレイで、かなりの頻度でリアルタイムで放送を見ています。

カップリング曲は、fhánaのリーダー佐藤純一が作曲を担当

──カップリング曲の「Tomorrow is another day」は、fhánaの佐藤純一さんが作曲を担当されています。こちらは、とてもやさしい曲ですね。

ChouCho 佐藤さんの曲を歌うのはこの曲が3度目で、今回もステキな曲を作っていただきました。とにかくメロディが光輝いていて、惹きつけられるんです。聴くと、思わず口ずさみたくなります。

──特徴的なメロディラインを持った曲だと感じました。

 

ChouCho 1stアルバム「flyleaf」に収録され「looping star」や、TVアニメ「ガールズ&パンツァー」OP「DreamRiser」のカップリング曲だった「life is blue back」とはまた違う、温かさとやさしさがある曲だなと思いました。メロディからイメージして、「大切なもの」について思うことをテーマに、歌詞を書いていきました。家族だったり友達だったり、身近な存在であるほど、そこにいるのが当たり前に思えてきて、ありがとうという言葉を忘れてしまうことって、よくあると思うんです。そういう、つい見逃しがちな人と人との関わりの大切さを表現しました。

 

──ボーカルも、とてもやさしい雰囲気になっていますね。

 

ChouCho そうですね。でも、跳ねたリズムの曲なので、ちょっとR&Bっぽい歌い方を意識しました。

 

──今回のシングルは、2曲ともリズム重視の曲になったと?

 

ChouCho はい、私にはめずらしく(笑)。