「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」第2話感想 唐揚げにはトリアエズナマも美味しい。けどハイボールも捨てがたい……

「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」(以下、のぶ)は、最近流行りの異世界ものと食を題材とした作品だ。京都の寂れた通りに「居酒屋のぶ」を構えているが、店の正面入口が中世ヨーロッパ風な異世界の街・古都アイテーリアとなぜか繋がってしまっている。店を切り盛りする大将の矢澤信之と給仕の千家しのぶの2人は、そんな異世界の住人を相手に店を営業している。

「のぶ」には、衛兵、職人、商人、貴族など、さまざまな職業の人たちがやってきては、うまい酒と肴でその日の疲れを癒やす……あたかも日本のサラリーマンが居酒屋で飲んでいるのと同じような光景が描かれる。

第2話は、古都アイテーリア衛兵隊のハンスたちが中隊長・ベルトホルト(CV:小西克幸)の厳しい訓練を受けている様子からスタート。訓練が終わりベルトホルトはハンスを連れて、最近衛兵の間で噂になっている「のぶ」に向かう。だがハンスはベルトホルトを「のぶ」に連れて行くと自分のように「のぶ」を気に入り常連になることを懸念しているようだが、決して上官と酒を飲むのがイヤというわけではなさそうだ。
ベルトホルトは妙に用心深く、店に入る前から戦いを意識した心持ちで入店する。入ってすぐに店内の清潔度を気にするあたりは衛兵というより若干小姑っぽい感じも見られる。

1杯目は「トリアエズナマ」で乾杯し、第1話のハンスと同じようにそのうまさ に驚くベルトホルト。その様子を見ているハンスは何やら楽しそうにも見える。お通しの「枝豆」をつまみつつ2杯目の「トリアエズナマ」を飲みながらもベルトホルトは「確かにうまい。が認めるにはまだ早い。戦場での軽率な判断は窮地を招く」とあくまで用心深い。



次のつまみにハンスは「スルメ」を頼むが、ベルトホルトはほかのものを食べたいと伝える。すると、タイショーは「なんでも言ってみてください。大抵の物は作れると思いますよ」と答える。ベルトホルトはこの言葉を待っていたかのように「鶏肉が好きなのでこのトリアエズナマにぴったりな料理をたのむ」と言うが、どうやら古都アイテーリアでは鶏肉料理はまずいものの代名詞とされているらしく、タイショーの腕前を試すつもりで注文したようだ。

しのぶちゃんが、次の料理までの箸休めにもってきたサービスの「きゅうりの一本漬け」をパリパリとたいらげながら、タイショーの作る料理と勝負する気満々なベルトホルトは、料理が到着するのを今か今かと待ち構える。そして用意された今回のメインディッシュは居酒屋の定番メニューの「唐揚げ(醤油味)」。たまに塩味の唐揚げも見かけるが、筆者としては断然下味がよく染み込み表面がカリッとした醤油味の唐揚げをいただきたい。


「唐揚げ」のうまさと「トリアエズナマ」との相性を確認したベルトホルトは、この2つの食べ物が出会う運命だったと完敗を認め、最後に残っていたレモンをフルーツと思って食べようとするが、となりで同じく唐揚げを食べようとするハンスから、これは唐揚げにかけてさっぱりと食べられるようにするものだと教えられてさらに衝撃を受ける。
筆者個人が「唐揚げ」を食べるとしたら、最初にそのままでいただき、途中からレモンをかけて食べるという2つの味を楽しみたい。ただ現実の居酒屋へ複数人で訪れた場合は、揚げ物にレモンをかけるかどうかは好みが分かれるため、まずレモンをかけていいかを確認したほうが安全と言えるだろう。

ちなみに筆者は、しのぶちゃんが食べていたまかないの「チキン南蛮」に感化され、その週末、某居酒屋にうっかり食べに行ってしまったが、チキン南蛮という料理は甘辛酢を染み込ませた唐揚げとタルタルソースがセットになって初めてひとつの料理になることが再確認できた。なお今回はタイショーのセリフも多かったので、杉田智和さんのイケボを聞きたい女子にもぜひ見ていただきたい。

後半パートの「のぶ+PLUS」は、シンガーソングライター・タレントのなぎら健壱さんが「のぶ」に登場した絶品料理を探す「なぎら健壱ののぶ居酒屋をさがして」という前回とはまったく異なる展開が待っていた。浅草の「地鶏唐揚げ居酒屋 心」で、生ビールを飲みながら名物メニューの「癖になる唐揚げ」を食べ、専門店ならではの味付けを堪能するさまを見て、唐揚げも捨てがたいが、昨日かしわ天食べたしな…といろいろと思いを巡らせる。

そして本作「のぶ」が「ぐるなび」と提携していることは知りつつも、会社的な都合であえて「食べログ」へのリンクを貼ることをご容赦いただきつつ、今宵もトリアエズナマで喉を潤したいと思う。

(編集部 よなよなハンター)

(C) 異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~製作委員会