「呪怨」的恐怖と、ハリウッド的かっこよさを極める! CG映画「バイオハザード:ヴェンデッタ」脚本・深見真インタビュー

きたる2017年5月27日(土)から公開のCG映画「バイオハザード:ヴェンデッタ」 。制作スタッフは、エグゼクティブ・プロデューサーに「呪怨」の清水崇さん、監督に「THE NEXT GENERATION パトレイバー」 の辻本貴則さん、脚本に「PSYCHO-PASS サイコパス」の深見真さん、原作監修に「バイオハザード」シリーズプロデューサーのカプコンの小林裕幸さん、音楽に「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の川井憲次さんという豪華メンバーが名を連ねているほか、製作は世界市場を視野に意欲的にCGアニメーション作品の企画製作を行うマーザ・アニメーションプラネットが手がけているという話題作だ。

「復讐(ヴェンデッタ)」を意味するサブタイトルを冠した本作は、果たしてどのような作品なのか。その見どころは? 公開間近の4月某日、脚本担当の深見真さんにお話をうかがった。
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始まりはツイッターから

 

――できたてホヤホヤの映像を拝見させていただきましたが、「すごくバイオ感がある!」とワクワクする内容でした。まずは深見さんが本プロジェクトに参加された経緯を教えていただけますか?

 

深見真(以下、深見) ありがとうございます。本作に参加するきっかけとなったのは、マーザ・アニメーションプラネットの担当プロデューサーさんからツイッターで声をかけられたことです。劇場版「PSYCHO-PASS サイコパス」を見てくださったらしく、それで話がきたようです。最初は全部DM上でのやりとりで、実はちょっと怪しい仕事なんじゃないかって思いましたが(笑)、いざマーザに行ってみたら、すごく立派な会社で「あ、ちゃんとした会社だ。『キャプテンハーロック』作った会社だ」(※)って安心しました。

 

※注:マーザ・アニメーションプラネットが製作したCGアニメーション映画「キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-」(2013年公開)は国内外で高い評価を得ている。

 

――主要スタッフの座組みはどんな感じで決められたのでしょうか?

 

深見 順序としては小林さんがまず原作監修で入って、そのあとに清水さんが決まったけど、メガホンまでとるわけじゃないと。その頃に自分が脚本として入って、その後に監督として辻本さんが決まったという順番ですね。

 

――「バイオハザード」というだけでもビッグタイトルだと思いますが、エグゼクティブ・プロデューサーの清水さん自身もヒット作「呪怨」の監督というビッグネームです。そんな映画でシナリオに抜擢されて、どのように思われましたか?

 

深見 もう光栄ですね。元々業界に入る前からゲーム好きで、「バイオハザード」も初代からずっとプレイしていたので、いちゲームファンとしてもすごく楽しかったです。ただ最初はちょっとびびってましたね。「バイオハザード」ってホラーでありアクションでもありますが、今回はどっちなのかな。清水さんが入ったってことは「バイオ7」みたいにとことん怖がらせる、恐怖寄りの路線なのかな、とも思っていました。ただ話を聞いてみると、マーザ的には「NYがゾンビであふれかえるようなシーンが欲しい」とのことでした。

 

――ハリウッド的というか、派手な方向ですね。

 

深見 はい。それで「あ、そっちなんだな」と納得して、プロット作成に入っていきました。もちろん派手一辺倒ではなく、やっぱり清水さんにはホラー要素の強化みたいなものが求められていたようです。そのうえで自分には「派手な感じでお願いします」と、ハリウッド映画的なものが求められたように感じていましたね。

 

――その辺はやはり劇場版「PSYCHO-PASS サイコパス」でのお仕事ぶりを踏まえたうえでの評価なんでしょうか。

 

深見 多分、普通に映画好きなところも評価されていた気がします。ツイッターでずっと映画の感想を書いていたのを、マーザのプロデューサーさんが見てらしたんです。もちろん映画をたくさん見たら映画のシナリオが書けるというわけじゃないですけど、基礎教養みたいな部分はある程度信頼してもらえたのかなと思います。