TVアニメ「鬼平」が発表された。
原作は、累計発行部数2700万部を誇る池波正太郎さんの時代小説「鬼平犯科帳」シリーズ(文藝春秋)。江戸を舞台に、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)・長谷川平蔵が悪党たちを裁いていく姿を描き、幅広い層に人気を博している。これまで実写ドラマやマンガ化など幅広く展開してきた本作だが、アニメ化は今回が初。プロデューサーは「時をかける少女」「サマーウォーズ」の丸山正雄さん、監督・キャラクターデザインは「BUZZER BEATER」「ルパン三世 GREEN vs RED」の宮繁之さん、制作はトムス・エンタテインメント、アニメーション制作はスタジオM2。
今回発表されたのは、主人公・長谷川平蔵のビジュアル。現代風に長身でスタイリッシュな姿となった“鬼平”の活躍に注目が集まりそうだ。
<丸山正雄さんコメント>
アニメに携わって約半世紀、時代劇と言われるタイトルに出会えたのはりんたろう、村野守美の「佐武と市捕物控」、杉井ギサブローと組んだ手塚治虫原作の「陽だまりの樹」、川尻善昭の傑作「獣兵衞忍風帖」……5本の指に足るぐらいでしかない。
それが今回、10年に1回のチャンスが巡って来て、本格的時代劇をアニメでやれることになった。「鬼平犯科帳」である。困ったことに私は根っからの池波ファン、取り立てて鬼平ファンである。正直言ってプレッシャーはある。本当に我々でいいのか? しかし、10年に1回いや20年に1回のチャンスを逃すことはできなかった。実写とも違うアニメならでのエンターテイメントに挑戦できるはずだ。
まず鬼平ですが最初は初老で作ってみたが、アニメキャラとしては少し若さを強調してみました。無論、落着きと原作テイストのおおらかさも。監督でもある宮繁之のキャラクターデザインで決まりです。江戸の街もリアルでありながらも美術的な美しいものに、音楽は田中公平and日本一のベイシスト川村竜によるジャズの雰囲気で!
原作を損なうこと無く、ただ原作をなぞるだけではない、アニメとしての魅力をどこまで出せるか! 勝負です。
格調高いオーソドックスな時代劇、且つ時代劇だからできるケレン味。しっかりした時代考証を抑えつつも、モダンでオシャレなセンス。むろんダイナミックな動き! そして破天荒な見せ場も。相反するものを止揚して、美しい、どこにもない世界を目指します。
「長谷川さまの為ならこの命少しも惜しくはありません」と、宮監督は小房の粂八のように、あっちは年齢からして彦十さながら、鬼平の魅力に取り憑かれた我々は、厳しく悪を追い詰めながら、人情の機微を優しくみつめることを追い続けた池波正太郎の世界をまっすぐに見据えていけたらと、何より誰もが愉しめるまっとうなエンターテインメントを今しかできない時代劇「鬼平」がやれたらとひたすら願っています。