一年間に放送されたアニメの中で、ベストな作品をユーザー投票で決めてしまおう！ という恒例の企画「アキバ総研アニメ大賞2022」が、2023年2月9日に締め切られた。その結果をお伝えしよう。
2022年に放映されたアニメから、多くのアニメファンから支持を集めた作品を勝手に決めちゃおうという毎年恒例の本企画。
2022年冬・春・夏・秋のアニメ人気投票において、それぞれ上位5位にランクインした作品と、編集部セレクト作品の合計30タイトルがエントリー。頂上決戦となる投票結果は以下の通りとなった。
1位 RPG不動産 600票
2位 TIGER & BUNNY 2 553票
3位 機動戦士ガンダム 水星の魔女(第1クール) 364票
4位 惑星のさみだれ 230票
5位 カッコウの許嫁 216票
6位 宇崎ちゃんは遊びたい！ω 190票
7位 iiiあいすくりん2 169票
7位 後宮の烏 169票
9位 境界戦機 第二部 141票
10位 BIRDIE WING -Golf Girls’ Story- 105票
2022年の頂点を極めたのは、「RPG不動産」となった。
ファンタジー世界を舞台に、不動産業を営む女の子たちのほのぼのした日常を描く一方で、シリアスでドラマチックな展開も同時に進行するという変化球的な作品であり、美少女たちがキャッキャウフフする日常を描くことで、固定ファンを多く持つ「きらら」系アニメの中では異色の存在となった。
特に、バトルアニメばりのドラゴン討伐戦が描かれる終盤は必見！ 幼い外見や天真爛漫なキャラでマスコット的なポジションだったファーの正体が明らかとなっていく展開も含めて、手に汗握る盛り上がりを見せた。
今回の投票でも、集計期間終盤までは雌伏を続けていた本作だが、締め切りギリギリに急上昇！ 怒涛の追い上げで1位でフィニッシュを迎えた。アニメ本編に負けず劣らずの、予想外の展開で企画を盛り上げてくれた。
惜しくも終盤に1位を逃してしまったが、終始高い順位を維持し続けたのが本作だ。
シリーズものとしては実に11年ぶり、劇場版から数えても8年ぶりということでファンの期待値も高かったが、内容もじゅうぶんに濃いものだったということで、その満足度が順位にも表れたというところだろう。Netflix独占配信タイトルとしては異例の人気の高さとなった。
本作では、力を失いつつある虎徹と肉体の限界を迎えつつあるバーナビーのタッグの行く末が描かれているほか、2人1組で行動するバディシステムのもとヒーローたちがどう立ち回るのかがポイント。さらに新世代のヒーローも参戦し、前作以上にエンタメ度の高いドラマが展開した。
2023年4月よりNHKでの地上波放送もスタートするということで、まだ見たことのない方もぜひチェックしていただきたい。
■3位 機動戦士ガンダム 水星の魔女(第1クール) 364票
話題性という点では、2022年断トツだったのが本作だろう。
「ガンダム」シリーズの最新作ながら、若い世代へのアピールを強く意識したことで「学園もの」「女性主人公」「企業による対立」という、従来のガンダムにはない要素を多数取り込んだことでまず賛否両論を呼んだことを覚えている方も多いだろう。
しかし、物語が進むに従い先の読めないジェットコースター展開にハマる視聴者が続出。第1シーズン最終話ではついに大規模な戦闘が繰り広げられ、ガンダムエアリアルによる平手バチーン！がさく裂！ 強烈なインパクトを残して終幕を迎えた。
ここから第2シーズンはどんな展開を見せるのか、4月の放送が非常に楽しみだ。
このように、上位3作品はどれも納得のラインアップと言えるだろう。
それでは続いて4位以下を見ていこう。
原作コミック完結から12年の時を経てのアニメ化ということで、熱いファンからの支持を集めた本作。
正直に言って作画や演出に「？」と感じる部分も少なからずあったが、そんな問題を吹き飛ばすくらいの勢いのあるシナリオとキャストの熱演が終盤を大いに盛り上げてくれた。やはり2クールものアニメは、現在主流の1クールものアニメと比較して積み重ねてきたものが多いこともあり、終盤の盛り上がりも格別ということを改めて示してくれたように思う。
最近、ラブコメもののヒット率が高い印象の「週刊少年マガジン」が放つ、ラブコメ最終兵器というべき本作。
取り違え子の主人公とヒロインを中心に、恋の五角関係が展開！ 複雑な人間ドラマと、恋のドキドキが隣り合わせということで、一度見始めたら止まらない視聴者が続出した。
ウザくてかわいい後輩の宇崎ちゃんと主人公・桜井進一のむずがゆい恋模様が描かれる本作。第2期は、前作からもう少し進展した関係が描かれて、ますます宇崎ちゃんの魅力が掘り下げられた。
何はなくとも、宇崎ちゃん役の大空直美さんの演技が絶妙で、「先輩、○○っすか～？」と挑発気味なお決まりのフレーズが癖になる！という方も少なくはなかったのではないだろうか。
7位は「iiiあいすくりん2」と「後宮の烏」が同票数で並んだ。
ファミリー向けアニメの「iiiあいすくりん2」が!?と驚く方も多いかもしれないが、実は若手女性声優が多数出演しており、声優ファンにとっては隠れた名作なのである！
いっぽうの「後宮の烏」は、中華風な世界を舞台にしたファンタジー歴史絵巻。主題歌から演出から、雰囲気抜群でじわじわと面白さが沁みてくる仕上がりとなっていた。
鳴り物入りでスタートした「境界戦機」。その後半に当たる第二部が9位にランクインした。
各国勢力のパワーバランスがどうなるのか、日本の行く末は。そんなポリティカルなドラマと、メカアクションが融合した王道のリアルロボット路線に人気が集まった。
先日、新シリーズ「境界戦機 極鋼ノ装鬼」も発表されたということで、今後の展開にも注目だ。
■10位 BIRDIE WING -Golf Girls’ Story- 105票
百合女子ゴルフアニメを観ていたと思ったら、マフィアの抗争に巻き込まれて命がけの賭けゴルフをやっていたぜ…！
と誰もが衝撃を受けつつ、いつの間にか独特の世界観の虜になってしまった「BIRDIE WING -Golf Girls’ Story-」。投票期間終了間際に、粘りを見せて10位にランクインした。
この逆境における強さこそが本作の魅力！ 4月よりスタートする第2シーズンでも、変わらぬ濃い作風を期待したい！
というわけで、ここに2022年を代表するアニメ10作品が決定した！
もちろん11位以下の作品も、各シーズンを盛り上げた名作ばかり。ぜひ投票結果をチェックしていただきたい。