やはり動きが鈍い中国の1月新作アニメ事情と、実は難しい? 中国での新作アニメ一括配信【中国オタクのアニメ事情】

中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の1月の新作アニメに関する動向や、近年の中国における日本のアニメ作品の配信でも目につくようになった、新作アニメの一括配信の状況などについて紹介させていただきます。

動きの鈍さについて思い当たる理由が多過ぎて、逆にわからなくなる新作アニメ配信

中国では、毎年1月の新作アニメが配信される時期は、春節の長期休暇と帰省で若い世代の交流が減る時期に重なることもあり、オタク界隈でも新作アニメに関する話題があまり目立たなくなります。またこの時期は休みの間にまとめて見ることのできる過去の人気長編作品などに関する話題が増える傾向もあります。

しかし、今年は娯楽方面の規制だけでなく、中国のゼロコロナ政策の取りやめ以降、さまざまな混乱が出ているらしく、例年と比べて新作アニメに関する動きがさらに鈍くなっている模様です。中国のオタクな方々からは
「何が原因でどこまで影響しているのかという判断が難しくなっている」
などといった話も聞こえてきます。

現時点で中国国内向けの配信が始まっている日本の1月の新作アニメの中では、第1期がライト層に大人気となったものの、ゲーマー層を中心としたマニア層からは反発も出て、よくも悪くも大きな話題になった「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」が第2期も順調な人気となっているのが目に付きます。
ほかにも続編系作品では、「虚構推理 Season2」がやはり第1期に続いて伝奇やミステリ好きな層を中心に支持を獲得している模様ですし、それ以外では「久保さんは僕を許さない」「氷属性男子とクールな同僚女子」といったラブコメ作品なども、初動から安定した人気となっているとのことです。

また中国における日本のアニメ関係では、1月20日に中国国内向けの配信が予告されていた「シン・エヴァンゲリオン劇場版」について、直前になって中国公式側から「不可抗力的因素」による延期が発表されるといった事件も発生しています。

中国には20年以上前に現地で放映されたTV版でファンになった人から、近年の新劇場版やゲームで新しくファンになった人まで、幅広い世代に多くのエヴァファンがいますし、この「シン・エヴァ」の配信延期とその後の続報がない状態には落胆している人も少なくないそうです。

中国のオタクな方から教えていただいた話によれば、昨年11月に「シン・ウルトラマン」の中国国内向け配信が行われていたこともあり
「映画館での上映ができないのは商売として厳しいが、配信だけならば一括で審査に出せる劇場版作品のほうが、制作ペースの関係上全話まとめて中国の審査に出すのが難しい新作テレビアニメよりも相対的に安全なのでは?」
という見方も出ていたそうです。しかしこの「シン・エヴァ」の配信延期によって、また何とも言えない空気が漂うことになってしまった……とのことです。