アキバ総研をご覧のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。みなさま、2Dアクションゲームはお好きでしょうか? 3Dアクションやオープンワールド、FPSなどなど、さまざまなスタイルの作品がリリースされている昨今ですが、ときどきふと、昔ながらの2D横スクロールアクションゲームが遊びたくなってしまうのは筆者だけではないはず。そんなわけで今回は、2Dスタイルの王道アクションが、楽しめる「Yooka-Laylee and the Impossible Lair」をご紹介したいと思います。
カメレオンのユーカとコウモリのレイリーがハチの王国を救うために大冒険!
「Yooka-Laylee and the Impossible Lair」は、2Dスタイルのアクションゲームです。日本語では「Yooka-Layleeとインポッシブル迷宮」というタイトルで発売されている本作は、「Yooka-Laylee(ユーカレイリー)」の続編となっていますが、前作未プレイでも問題なく楽しめます。そんな本作は、あの有名名作アクションゲーム「スーパードンキーコング」に携わったクリエイターたちが手がけた作品なのです。この情報だけでも、アクションゲームファンやレトロゲームファンの方なら「おおっ!」と思ってしまうのではないでしょうか。
それではまずは本作のストーリーからご紹介していきましょう。
本作の主人公は、カメレオンのYooka(ユーカ)と、大きな鼻がチャームポイントのコウモリ・Laylee(レイリー)の2人組。前作で 宿敵・Capital Bの野望を砕いた2人でしたが、あるとき、Capital Bがなにやら再び悪だくみを企んでいることを知ります。その内容とは、ハチを洗脳する「ハイブマインド」というデバイスを使ってハチたちが平和に暮らす「スティング王国」を支配するという計画。はたしてユーカとレイリーの2人は、Capital Bの悪事を止めることができるのでしょうか……。
海外のカートゥーンのようなノリのストーリーの本作ですが、ビジュアルもまさに海外のカートゥーンさながらです。ポップでかわいいキャラクターたちや色鮮やかな背景のグラフィックは、眺めているだけでも思わずワクワクしてしまいます。特に背景のグラフィックは必見。基本的に本作は2Dアクションゲームスタイルとなっていますが、背景は平面的ではなく奥行きを持って細かに美しく描かれており、非常にリッチな作りとなっています。
簡単操作の爽やかアクションとほどよい難易度が心地いい! ただし、ラストステージ「インポッシブル迷宮」は超高難易度……!
本作は、「横スクロールタイプ」と「見下ろし型視点」の2つのアクションパートで構成されています。基本となるのは通常ステージで繰り広げられる「横スクロールタイプ」のアクションです。
本作の横スクロールアクションパートは、ジャンプや攻撃を駆使しながら敵を倒したり、罠を回避したりしつつ、ステージ中に配置された、さまざまなアイテムを獲得しながらゴールを目指すというもの。取り立てて複雑な要素はなく、アクションゲームとしては非常にオーソドックスなスタイルですが、ステージごとに異なる趣向のギミックが用意されているため、単調にならないゲームプレイが楽しめます。
それではさっそく、キャラクターのアクション操作についてご紹介していきましょう。
本作で基本となるアクションは、ずばり「移動」と「ジャンプ」と「攻撃」です。このシンプルさは、まさに王道の2D横スクロールアクションといったところ。ゲームをあまり普段プレイしないような人でも、すぐになじめる遊びやすさはうれしいポイントと言えるのではないでしょうか。
さらに、移動しながら攻撃をすることで「ローリング」を繰り出すことが可能。これはユーカがグルンと前転しながら前進するアクションです。ダッシュと攻撃の合せ技的な役割を持つスピード感のあるアクションとなっており、先述の「スーパードンキーコング」シリーズのプレイ経験者なら思わず懐かしさを感じるかもしれません。
また、オブジェクトや敵をつかんで投げるというアクションもあります。ちなみに、ただ投げるのではなく、ベロを伸ばしてつかんで吐き出すという表現になっています。カメレオンのユーカならではのコミカルさが楽しい演出です。
ステージ中で基本的にアクションを行うのはカメレオンのユーカです。しかし、本作のタイトルは「Yooka-Laylee」。そう、コウモリのレイリーも、れっきとした本作の主人公なのです。とは言え、レイリーは普段はユーカの頭につかまっており、プレイヤーはレイリーを直接操作することはありません。実はレイリーはライフの代わりのような役割を持っており、ユーカがダメージを受けると驚いて飛び立ってしまうのです。レイリーがいない状態でもう一度ユーカがダメージを受けるとミスとなるため、ステージ中に配置されたベルを使ってレイリーを呼び戻すことが重要となります。
さらに、ユーカとレイリーが2人そろった状態でのみ繰り出すことができる「バディースラム」や「スピンジャンプ」といったアクションもあります。攻略のためにもレイリーは欠かせない存在となっており、まさに「バディ」的なアクションが楽しめるユニークな設計が本作の魅力と言えるでしょう。
アクションゲームと言えば、ステージ中に散らばるアイテムなどの収集要素がありますが、本作にも多彩な収集要素が用意されています。そのひとつが「トニック」。これは、ステージ中で効果を発揮するお助けアイテムのようなもので、一度に3つまで持ち込むことができます。ダメージを受けたあとにレイリーが飛び立つまでの時間を延長するような攻略補助系のトニックのほかにも、ユーカとレイリーの見た目を変えたり、グラフィックに変化を加えるようなユニークなトニックも存在。その数なんと60以上もあるので、やりこみ要素としても十分です。
各ステージ中に5枚ずつ配置されているコインも重要な収集要素。フィールドマップ上のギミックを解除して先に進むために必要となるので、毎ステージきっちり5枚コンプリートしていきたいところですが、パッと見ではわからない隠し通路や隠し部屋に置かれていることも多いので、ひと筋縄ではいきません。もちろんコインをゲットせずにステージをクリアすることはできますが、とは言え1枚でも取り逃してしまうと悔しくて仕方なくなるのがゲーマーの性質。このコイン収集もまた、先述のトニックと同じく、本作の大きなやりこみ要素となっています。
操作性やシステム、やりこみ要素など、アクションゲームとして王道の作りとなっている本作ですが、そんな本作最大の特徴と言えるのが、タイトルにもなっている「インポッシブル迷宮(Impossible Lair)」です。これは、ずばりラスボスが待ち受けるラストステージの名称なのですが、なんと本作は、そのラストステージにいつでも挑戦することができるのです。この「いつでも」というのは本当に誇張なく「いつでも」であり、極端な例で言えば、一番初めのステージ1をクリアする前にいきなりラストステージに挑むこともできてしまいます。
しかし、このインポッシブル迷宮は、敵がわんさか&罠がもりもりで「インポッシブル(不可能)」というだけある鬼のような難易度なので、攻略は容易ではありません。そこで重要となるのが、ステージをクリアすることで救出できる「まもりバチ」という小さなハチ。実はインポッシブル迷宮では、集めたまもりバチ1匹につき1回のミスを帳消しにすることができるシステムになっているのです。要するに、ステージをクリアすればするほどインポッシブル迷宮の突破が楽になるという仕組み。
ステージ攻略を途中で切り上げてインポッシブル迷宮にチャレンジしてみるもよし、全ステージをクリアしてすべてのまもりバチを集めた状態でインポッシブル迷宮に進むもよし、はたまたステージはクリアせずにひたすらインポッシブル迷宮だけに挑み続けるもよし。プレイヤーごとに自分の腕前に合わせた遊び方を選べるというのが、本作最大の特徴にして最大の魅力となっているのです。
ただのフィールドマップじゃない! 見下ろし型視点の「オーバーワールド」には謎解きがいっぱい!
本作は、「横スクロールタイプ」と「見下ろし型視点」の2つのアクションパートで構成されていると書きましたが、「見下ろし型視点」が採用されているのが、「オーバーワールド」と呼ばれるエリアです。
オーバーワールドは、わかりやすく表現すれば、いわゆるフィールドマップ的な役割を持つエリア。プレイヤーはオーバーワールド内を探索し、エリアのあちこちに配置された本を調べることで、横スクロールアクションのステージに入る、という流れになっています。
しかし、このオーバーワールドは、単なるフィールドマップではありません。というのも、オーバーワールド内にはさまざまな仕掛けや謎解きが用意されているのです。なかには、ギミックを正しく動かすことで先に進めるようになるといったパズル風の仕掛けも存在しています。さらに、謎を解くことで先述のお助けアイテム「トニック」が手に入ることも!
こういった仕組みによって、オーバーワールドがただステージとステージをつなぐだけのフィールドマップではなく、「見下ろし型視点のゲームフィールド」として成立しているというのが、本作の大きな特徴のひとつなのです。
また、オーバーワールドにはギミックだけではなく、さまざまなキャラクターも存在しています。彼らは皆、何かしら悩みを抱えており、ユーカとレイリーにいろいろな依頼をします。その依頼をこなすべく、プレイヤーはオーバーワールドを探索して、パズルを解いていく必要があります。キャラクターたちの個性豊かなビジュアルとしゃべり方なども相まって、このあたりのプレイ感はどことなくRPG風の手触りがあると言えるかもしれません。
さて、そんなオーバーワールドですが、最も特筆すべき特徴は、「アクション次第で横スクロールステージに変化を起こすことができる」という点です。……と言ってもわかりづらいかと思いますので、例をいくつかご紹介しましょう。
たとえば、「おかしな泉」というステージがあります。ここは至るところから水が噴出するギミックが特徴的なステージなのですが、オーバーワールドで、とあるアイテムを使ってこの「おかしな泉」ステージを凍らせると、「おかしな泉―アイス」へと変化し、同じ地形の配置でありながら水や地面がカチンカチンに凍ったステージをプレイできるようになります。また、「ノコギリタウン」というステージは、オーバーワールドでとあるキャラクターの悩みを解決してあげることで、地面も壁もあたり一面ハチミツでベトベトになってしまった「ノコギリタウン―べとべと」というステージをプレイ可能に。
このように、オーバーワールドでアクションをすることで、ひとつのステージが「表と裏」とも呼ぶべきまったく違う姿を見せるようになるというのが本作の大きな特徴となっています。これにより、一度クリアしたステージでも新鮮な気持ちで楽しむことが可能。オーバーワールドと通常ステージがリンクすることでゲームの幅が広がるという、今までのゲームにありそうでなかった独自性の高いシステムは、ぜひ実際に体験していただきたいところです。
ココがスゴい! 「Yooka-Laylee and the Impossible Lair」の筆者的推しポイント3選
それではここからは、筆者の独断と偏見でチョイスした本作の推しポイントをご紹介していきましょう。
1.一度味わうとヤミツキになるスピード感あふれる爽快アクション!
まず本作の推しポイントとして挙げたいのは、なんといってもユーカとレイリーが繰り出す爽快なアクションです。軽やかなジャンプで罠を飛び超えて、ローリングで障害物をぶっ壊しながら次々に敵を撃退しつつステージを駆け抜けていく疾走感は、本作の醍醐味。操作しているだけで気持ち良さを感じられるスピード感あふれる本作のアクションは、一度体験するとヤミツキになること請け合いです。
2.いきなりラストステージに挑めてしまう型破りなシステム!
次なる本作の推しポイントは、ラストステージにいきなり挑めるという型破りなシステム。先述のとおり、本作はラストステージであるインポッシブル迷宮にいつでも挑戦することが可能となっています。もちろん各ステージをクリアして「まもりバチ」を着実に集めていったほうがインポッシブル迷宮の攻略は格段に楽になるのですが、アクションの腕に自信があるプレイヤーならば、ステージ1すらクリアせずにいきなりラストステージをクリアすることだって可能なのです。このシステムによって本作は、ライトゲーマーからコアゲーマーまで広く楽しめるゲームとなっているというわけです。
3.「スーパードンキーコング」シリーズファン必聴のハイクオリティなBGM!
そしてもうひとつ、本作を語るうえで欠かせない推しポイントがあります。それはずばり、音楽です。文章でお伝えすることが難しい要素ではありますが、かわいい動物や虫のキャラクターが大暴れする本作のユニークな世界観にマッチした独特なテイストのBGMの数々は、いやが上にもプレイヤーの気持ちを盛り上げてくれること必至。というのも、実は本作のBGMは、「スーパードンキーコング」シリーズの音楽に携わったデビッド・ワイズ氏が作曲をしているのです。「スーパードンキーコング」シリーズの曲がそうであったように、本作のBGMも耳に残る印象的なものばかりで、必聴のクオリティとなっていますので、ぜひぜひプレイしてご自身の耳で確かめてみてください。
「Yooka-Laylee and the Impossible Lair」にはアクションゲームの魅力がギュギュッと詰まっている!
というわけで、「Yooka-Laylee and the Impossible Lair」をご紹介しました。
簡単操作で楽しめる爽快なアクション、レトロゲームをほうふつとさせる絶妙な設定の難易度、「トニック」や「インポッシブル迷宮」といった独自性の高いシステムの数々、そしてポップでキュートなグラフィックと耳に残るBGMと、魅力的な要素がてんこ盛りの「Yooka-Laylee and the Impossible Lair」。2Dアクションゲームファンの方はもちろん、レトロゲーム好きの方やライトゲーマーなどにも幅広くオススメできるオススメの作品です。
- タイトル情報
- 「Yooka-Laylee and the Impossible Lair」(Playtonic Games Ltd.)
- ジャンル:アクション
- 対応プラットフォーム:Switch、PS4、 Xbox One、PC(Steam、Epic Games)
- 2017年4月12日発売
- 価格:3,080円(2022年5月23日時点)
- コピーライト:(C)2017 Playtonic Games Ltd.
- Epic Games版:#
- 筆者:百壁ネロ
- ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
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