未来バイクが巨大ロボの腕になる! だけど片腕だけ? 「魔境伝説アクロバンチ」のバンチャー・アロー(アオシマ)を変形させてみた!【80年代B級アニメプラモ博物誌第22回】

アオシマさんの「魔境伝説アクロバンチ」(1983年)のプラモデルって、割と安く中古市場で手に入るので、気がつくと部屋に溜まってるんだよね。前回の「1/144 ディラノス」(#)のような理不尽な3本脚メカもいいんだけど、今回はバイクです。80年代のロボアニメは「機甲創世記モスピーダ」、「メガゾーン23」のような変形メカのほか、「戦闘メカ ザブングル」のホバギーだとか「重戦機エルガイム」のスパイラルフロー、「超時空騎団サザンクロス」のフラッシュ・クラッパーなど、サブメカにもホバーバイクが多くて、割と興味深いモチーフだよね。
しかし、今回の「1/72 Aメカ バンチャー・アロー」は、主役のアクロバンチに合体するメカの1機。箱を見ると、腕になるみたいだよ?

▲ 一応、箱の正面にはアクロバンチの完成図が刷ってある。そして、箱の側面を見るとこのバンチャー・アローが左腕に変形することがわかった。もう片側の側面を見ると、ほかの合体メカとしてファルコン・バンチャーとバンチャー・ホーネットがラインアップされていた

つまり、アクロバンチを完成されたければ、キットを3つ揃えればいいんだよね? ところが、実際にパーツを見ると「バイクが左腕に変形する」という確信が揺らぎはじめる。

▲ 握りこぶしは、上と下を2つ組み合わせるだけの簡単な設計だけど、左手だけでなく右手も付いている。説明書を読むと、左腕に変形させる方法しか書いていない。じゃあ、この右手首のパーツは何なの?

アニメの合体シーンを確認してみると、バンチャー・アローって2台あるんだよね。2台がそれぞれ、右腕と左腕に変形して、胴体に合体する。ちなみに、足に変形するバンチャ―・ホーネットも2台が合体する。なので、キットを2つずつ買わないとアクロバンチにならない! まあ、当たり前のような理不尽なような、「じゃあ最初から2台セットにしておけよ」という気持ちがしなくもないけど、皆さんはどう思いますか? この煮え切らない気持ちをごまかすため、ほかのパーツもチェックしていこう。

▲ ちゃんと、バイクらしいメーターみたいなパーツがあるでしょ? でも、このキットは1/72スケール。箱の表記では、全長8.30メートルもある。バイクにしてはでかすぎるんだけど、アニメの中ではパイロットはまたがって乗るのではなく、シート部分にちょこんと座る感じです

▲ かと思うと、純度100パーセントの直球すぎる造形のドリルが、驚くほどきれいにモールドされている。こういうパーツを見ると、「なんかゲッターロボの時代と変わらないんだな」「やっぱりスーパーロボットなんだな」と安心してしまう

▲ でも、やっぱり80年代だから注意書きのデカールが付属! リアル系なのかスーパー系なのか、どっちに振りたいのかどっちでもいいのか、これだから80年代プラモは面白い

話を整理すると、このプラモを1箱だけ組んでもバイクっぽいメカが1台できて、それがアクロバンチの片腕に変形するだけ。このバンチャー・アローって、しばしば服を破かれてエッチな格好にされる美人姉妹が乗るんだよね。せっかくならエッチなフィギュアを付けてほしかったけど、妄想をたぎらせながら、いざ素組み!