ストリーマーの楽園へようこそ! YouTuber生活シミュレーション「Youtubers Life 2」プレイレビュー

今や小学生のなりたい職業ランキングで常に上位にランクインする“YouTuber”。子供から芸能人まで、あらゆる人々が日夜YouTubeで動画の配信を行っている昨今ですが、ご紹介する「Youtubers Life 2」は、そんなYouTuberの生活を体験できるシミュレーションゲームです。

今や小学生のなりたい職業ランキングで常に上位にランクインする“YouTuber”。子供から芸能人まで、あらゆる人々が日夜YouTubeで動画の配信を行っている昨今ですが、ご紹介する「Youtubers Life 2」は、そんなYouTuberの生活を体験できるシミュレーションゲームです。

本作は、以前に「お仕事シミュレーションPCゲーム特集」にて取り上げた「Youtubers Life」の続編です。

ゲーム内でミニゲーム風の動画配信を行い、お金を稼いでいくという特徴はそのままに、ゲーム性ややりこみ要素など、数々の要素が“超”と言っていいほどのボリュームアップを遂げています。前作のカートゥーン風のテイストを残しつつ、より洗練されたキュートなグラフィックも大きな魅力。それではさっそく内容をご紹介していきましょう。

ゲームをスタートするといきなり、ザビエルと名乗る謎のイケメンからプレイヤーのもとへメッセージが届きます。

その内容は、
「将来有望なYouTuberを探す“Youtubers Life”を最初にクリアした君に、ユーチューバーが住む街「New Tube City」で暮らすことができるゴールデンチケットを進呈するので、これでYouTuberとしてのキャリアを築いて最強のYouTuberになってほしい」というもの。

いったいこの文中に何回ユーチューバーという言葉が出てきたのかと思うほどの圧倒的YouTuber量ですが、筆者的には前作がYouTuber探しのための社会実験だった、という衝撃のメタネタに驚がくしました。

顔のパーツやヘアスタイル、服装や靴など多数の項目を設定できるキャラクターメイキングでたっぷり悩んだあとは、いよいよ「NewTube City」での暮らしがスタート。なんとザビエルさん、プレイヤーに新しい家まで用意してくれているという、恐ろしいほどのいたれりつくせり。思わず、なにか裏があるのでは……と勘ぐってしまいそうになりますが、正真正銘まったく裏はなく、ザビエル氏はただひたすらプレイヤーに最強のYouTuberになってほしいという熱意の持ち主なのです。驚きです。

さっそく家に入ってみると、ベッドやパソコン、クローゼットなどしっかりと家具や機材がそろっていて、さらに飛行型のドローンロボットまでいただけます。このドローンロボット、動画を撮るためのカメラやマイク機能、さらに言葉をしゃべりプレイヤーをサポートする機能まで備わっている圧倒的スグレモノ。ザビエル氏からのハイテクすぎるプレゼントに恐縮しつつ、ロボットの指示にしたがってNewTubeのチャンネルを作成します。これが、最高の動画配信者になるための記念すべき第一歩です。

チャンネルを開設したら、さっそく初めての動画撮影に取りかかります。本作の動画撮影パートは、前作と同じく、リアクションが描かれたカードを選択しながら5種類のパラメーターを増減させていくミニゲーム形式になっています。最後のリアクションを取るチャンスが終わるまでに、5種類のうちいくつのパラメーターをマックスにできたかで動画のクオリティが変わる仕組みになっており、基本的には前作と同じシステムでありつつも、数字による表現などがなくなり、より直感的に遊べるものに変わっています。

動画撮影を終えたら、次にするべきことは動画の編集です。画面上に登場する、先ほど撮影した動画のシーンの断片をつなぎ合わせて、1本の動画にするのが本パートの目的。断片の左右には複数のつなぎ目があるので、それらがうまく連結するようにシーンを並び替え、エフェクトを使ってつなぎ目を増やしていくという、パズルゲーム風のミニゲームになっています。この動画編集パートも、基本的に前作と同じシステムが踏襲されていますが、より画面がすっきりとわかりやすくなり、遊びやすさが格段にアップした印象を筆者は受けました。

動画が無事完成したら、サムネイルとタイトルを決めて公開すれば、視聴者からの評価とともに収益を得ることができます。視聴数やいいねの数、そしてチャンネル登録者数といった“数字”が増えていく様子を見るのは楽しく、どんどん動画をアップしていきたくなります。ですが、動画の撮影と編集には多くの体力を消費してしまうため、無茶な連続作業は禁物。食事や睡眠をとって体力を回復させながら、計画的に作業を進めていきましょう。

さて、ここまでご紹介した動画撮影から動画公開までの流れは、「Youtubers Life」シリーズのキモとなる要素であり、前作とほぼ同じシステムになっています。では本作ならではのパワーアップポイントは何かと言うと、ずばり「街を自由に探索できる」という要素が追加されたことです。本作では、プレイヤーはキャラクターを操作して「NewTube City」を自由気ままに歩き回ることができます。食事や配信用のゲームを購入するためのショップ、交流して親密度を上げることができるNPC、動画撮影ができるスポットなど、街にはさまざまな要素があふれており、RPGのような感覚でマップを歩き回りながらYouTuberとしての生活を楽しむことが可能。物語を進めるためのメインクエスト以外にも、サブクエストやイベントが多数用意されているので、やりたいことが尽きずにたっぷり遊べます。

さらに本作を奥深くしているのが「トレンド」の要素。特定のゲームソフトの名前やゲームジャンルの名前、はたまた地名や職業などなど、「その日の街での流行り」がゲーム内時間で毎日移り変わっていくので、そのトレンドを多く組み込んだ動画を公開することで再生数が伸びるシステムになっています。ここで重要なのは、トレンドの動画はその日のうちに公開しなければならないということ。素早く流行をキャッチして、迅速に動画をリリースすることが求められるためYouTuberとして生活することの大変さがリアリティをもって体感できます。好きなことで生きていくのもラクじゃないですね……!

YouTuberと言って動画だけ作っていればいいということではありません。YouTuberたるもの、現実であってもゲームであっても、常に注目を集め、そしてファンを着実に増やしていくことが大切なのです。

そこで活用していくのが、本作の“インスタ”こと「Instalife」という名の写真投稿型SNS。

街中を駆け回って、その日のトレンドを含む被写体を激写してインスタにアップすれば、多くの「いいね」を獲得し、注目を得ることができます。

さらに、トレンドを収めた写真をインスタに投稿すると、その日撮影する動画にトレンドの内容を組み込むことが可能。これによって、動画の注目度アップをはかることができるという仕組みです。「流行りの写真をインスタに投稿して人々の目をひきつけておいて、しっかり動画チャンネルに流し込んでいく」という、なんとも現代的で生々しいこのプレイ感覚は、YouTuberシミュレーションの枠を超えて「インターネットライフシミュレーション」と呼べるかもしれません。

動画の撮影や編集という、現実ではハードルの高い要素をカジュアルにミニゲーム化し、街の散策やNPCとの交流といった要素も絡めて、誰でも気軽に楽しくYouTuber気分を体験できる「Youtubers Life 2」。ゲームの中の出来事ではありながらも、自分のアクションに対して数字で反応が返ってくるのは、ついつい夢中になってしまうおもしろさがあります。気になった方はぜひ、実際にプレイして「New Tube City」での新生活を始めてみてください。

  • 「Youtubers Life 2」(UPLAY Online)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 2021年10月19日発売
  • 価格:3,980円(2022年2月9日時点)
  • コピーライト:(C) 2021 UPLAY Online
筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
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