2024年3月21日より、スマートフォン向けゲーム「Call of Duty: Warzone Mobile」が配信中だ。本作は、1人称視点のシューティングゲームとしては世界的な知名度を誇る「コールオブデューティ」シリーズにおいて、現在も配信されているバトルロイヤル「Call of Duty:Warzone」をスマートフォン向けにアレンジしたタイトルだ。そのレビューをお届けしよう。
タップ操作で「コールオブデューティ」が遊べる
本作はスマートフォン向けということもあり、操作はすべてタップやスワイプで行う。視点の移動はスワイプで、銃の構えや攻撃、ジャンプや伏せといったそのほかの動作は、画面内に表示されたボタンをタップするだけでいい。攻撃方法は2種類あり、構えと同時に撃つ「オートモード」と、銃の照準器をのぞきながら任意のタイミングで撃つ「マニュアルモード」が用意されている。マニュアルモードのほうがより細かく狙いをつけられるが、撃ちながらでもスワイプで照準を修正できるので、オートでも特に問題はない。
アイテムや装備の収集、障害物の乗り越えなどの操作は自動で行われるのもポイントだ。いちいちタップする必要がなく、プレイヤーは移動や戦闘に集中できる。なお、武器を交換する際は画面下部に表示された武器のアイコンをタップする必要がある。全体的に操作はシンプルで、最初に挑むチュートリアルを始め、バトルロイヤルモードを数試合こなしていけば、すぐに慣れるだろう。
Bluetooth機能を使えば、デュアルセンスなどの外部コントローラーで本作を遊ぶことも可能だ。今回のレビューにあたり、実際にデュアルセンスをつないで遊んだりもしたが、操作感は良好。表示されているボタンをタップしない分、画面の見通しがよくなるので戦いやすく、押す位置を間違える心配もない。本作を初めて遊ぶ人はタップ操作で十分ではあるが、オリジナルの「Call of Duty: Warzone」(以下、ウォーゾーン)ですでに慣れている人は、各種コントローラーを使うのもいいだろう。
バトルロイヤルとマルチプレイヤーの2種が遊べる
本作で遊べるのは「バトルロイヤル」と「マルチプレイ」の2種。メインモードにあたるバトルロイヤルでは最大120人がひとつのフィールドに降り立ち、物資を回収したりほかのプレイヤーと戦ったりしながら、最後の生き残りを目指す。バトルロイヤルのなかにはさらに複数のルールがあり、ルールによってチームの構成人数や参加人数は変わる。最大だと4人1組でチームを組むもので、参加者は総勢120人。最小ではひとりのみのいわゆる「ソロ」で、チーム自体を組まない。こちらのルールの参加人数は78人だ。
どの場所にどのような装備が落ちているかは運次第なので、予定どおり進むとは限らないのがバトルロイヤルモードの面白いところ。序盤に拾ったハンドガンやサブマシンガンだけでどうかしなければならないこともあるし、逆に近くの箱から早々にパーツが付いた銃を手に入れて、万端の状態でほかのプレイヤーを圧倒できるパターンもザラだ。
とはいえ、後述のマルチプレイモードと違い、バトルロイヤルでは最後まで生き残るのが目的なので、必ずしも敵と戦う必要はない。探索するほど敵と出会う可能性も高まるため、装備は妥協して隠れながら進むのもアリだ。
ただし、バトルロイヤルではフィールドを囲んでいるガスの領域が定期的に拡大する。ガスの範囲に入ると継続してダメージを受けてしまうため、安全地帯への移動が欠かせない。しかし、ガスの範囲が広がるということは安全地帯が縮小することでもあり、試合が進むにつれて、同じくガスから逃れてきた敵と遭遇する可能性が高くなる。
安全地帯の縮小と敵との遭遇率、さまざまなリスクや可能性を考慮したうえで、やられる危険を覚悟のうえで装備を集めていくか、安全を優先し、最小限の装備で隠れながら進むかの2択を迫られる。この駆け引きが刺激的で楽しい。すでに書いたように、どの場所にどの装備があるかはランダムなので、同じような展開は起こりえず、「次こそは」と思って再び挑戦したくなる。
バトルロイヤルではマルチプレイのように何度でも復活できるわけではないため、一度倒されることのリスクはとても大きい。とはいえ、本作ではやられたプレイヤーに対する救済策も用意されている。体力がゼロになったプレイヤーは一度行動不能になるが、自分で蘇生、あるいは仲間に助けてもらえる。成功すればそのまま試合に復帰可能だ。
敵に追撃され倒されても、プレイヤーは「強制収容所」へと送られ、同じく収容所送りになったプレイヤーとの一騎打ちになる。この戦闘に勝てばその場で復活。仮に負けても、生きている仲間が一定の額のお金を集めていれば、「購入ステーション」を通して復活させてくれる可能性がある。行動不能になった際の蘇生、捕虜収容所での一騎打ち、購入ステーションという3つの復活手段があるのは、初心者には特にありがたいところ。
いっぽう、もうひとつのモードである「マルチプレイ」では、定期的に位置が変わる陣地を互いに取り合う「ハードポイント」を始め、バトルロイヤルとは毛色の違うルールでのバトルが楽しめる。どのルールで遊ぶかにもよるのだが、基本的にマルチプレイではバトルロイヤルよりもやられることへのペナルティはない。つまり思う存分死ねるので、撃ち合いに自信がない人はこちらで練習するのもオススメだ。
詳しくは後ほど書くが、試合中はほぼずっと敵と撃ち合い続ける特性上、マルチプレイでは武器のレベルも効率よく上げられる。レベルを上げれば武器ごとのアタッチメントも順次解放されていくため、レベル上げをする際もこちらを利用するといいだろう。
銃身やストック、照準器などを細かく変えられるカスタマイズ要素
試合に臨む前のメインメニューでは、事前に「ロードアウト」を設定できる。使う銃や取り付けるパーツ、特殊な力を得られる「Perk」などを登録できるもので、バトルロイヤルでは「ロードアウトドロップ」を取得すると利用可能に、マルチプレイでは試合直前に利用できる。
ロードアウトとして利用できる要素の中でも、「ガンスミス」は奥が深い。サブマシンガンやアサルトライフルといった武器にさまざまなアタッチメントを付けられる機能で、銃身の長さ、使用する弾倉の大きさなどを細かくカスタマイズできる。
本来は近距離での戦闘に強いサブマシンガンでも、射程が伸びる長い銃身を付ければアサルトライフルのように中距離でも戦えるようになるし、逆に中距離が得意なアサルトライフルの、初期状態の銃身を短いタイプに換装することで、強力な威力を持ったサブマシンガンとして運用できる。アタッチメント次第で根本的な性能も変えられるので、自分好みに
さまざまな銃をいじり回せる。
ただし、初期レベルの銃はアタッチメントをなにも付けられない。その銃を使って敵と倒したりしてレベルを上げるにつれて、少しずつ解放されていくという仕組みだ。選べるアタッチメントの数を増やすなら、まずはバトルロイヤルやマルチプレイの試合をこなして、対象のレベルを上げよう。
本作はすでに配信中のオリジナル版「ウォーゾーン」を踏襲しており、クオリティは安定して高い。タップやスワイプによる直感的な操作はわかりやすく、バトルロイヤルでは復活方法の多さもあって初心者でも気兼ねなく遊べる。また、マルチプレイではバトルロイヤルとは一風変わって激しい撃ち合いが楽しめるため、息抜きだけでなく武器のレベル上げにもなる。これからFPSを始めたい人や、対人戦が好きな人にはとくにオススメできる1作だ。
- 【タイトル情報】
- ■Call of Duty: Warzone Mobile
- 対応機種:iOS/Android
- ジャンル:FPS
- 価格:基本プレイ無料
- 配信日:2024/3/21
© 2024 Activision Publishing, Inc.
活動歴約10年のフリーライター。専門学校を出た後、大手のゲーム雑誌の記事作成や編集プロダクションの攻略本作成などを経験。週刊誌での長期連載やプレスリリースのリライトも経て、最近はアキバ総研などのウェブ系でも執筆を始める。 基本的に雑食で、RPGからアクション、シミュレーションやFPSまでなんでもやる。