【Steam】厳しい残暑を癒やしで乗り切れ! PC猫ゲーム特集 パート3

アキバ総研をご覧のみなさま、いかがおすごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。サイバーパンクな街を猫となって探検するアドベンチャーゲーム「Stray」が2022年初頭にリリースされる予定とのことで、猫好きゲーマーは大注目していることと思います。「猫になりたい」という人類共通の夢がついにゲームの中でかなうとなれば、ワクワクしないほうが難しいというものです。今回はそんな猫好きゲーマーの方々に向けて、かわいらしい猫が登場するSteamのゲーム特集第3弾をお送りします。

項目
まったり楽しめる癒やし系探しものパズル「Summer Paws」
アイテムでの攻撃がアツい、ドタバタレースゲーム「Meow Motors」
猫たちを箱にピッタリ詰めていくリラックスパズル「Cats Organized Neatly」

厳しい残暑を癒やしで乗り切れ! PC猫ゲーム特集 パート3

1.夏の島でスヤスヤ眠る猫を探そう! まったり楽しめる癒やし系探しものパズル「Summer Paws」

  • 「Summer Paws」(Manic Hyena)
  • ジャンル:パズル
  • 2020年5月27日発売
  • 価格:520円(2021年8月23日時点)
  • コピーライト:(C) 2020 Manic Hyena

童謡「雪」の一節に「猫はこたつで丸くなる」という歌詞があります。この有名なフレーズの影響で、なんとなく猫は冬が似合う動物というイメージがある筆者ですが、ご紹介する「Summer Paws」は夏の島を舞台にした猫が主役のゲームです。

「Summer Paws」は、前回の猫ゲーム特集でご紹介した「Hidden Paws」の続編にあたる作品です。

「Hidden Paws」は、雪が降り積もる島々を巡って、隠れた猫を探し出してクリックするという、「ウォーリーをさがせ」のような物探しゲーム、もとい猫探しゲームでしたが、本作「Summer Paws」も、ゲームの基本ルールは前作とほぼ変わりません。ひとつ大きく変わった点は、舞台があたたかそうな夏の島になったことです。プレイヤーは大勢の猫たちがのんびりと暮らす夏の島々を巡りながら、かわいい猫を探していくことになります。あれ? このゲーム、もしかして天国では……?

舞台以外にもう1点、前作から変わっているものがあります。前作では、隠れている猫を探すのが目的でしたが、本作では「眠っている猫を探す」というルールに変わりました。つまり、島の中にいる「起きている猫」はクリックしても、気持ちが癒やされるだけでゲーム的にはノーカウント。スヤスヤと眠っている猫を探し出してクリックしていきましょう。まあ、気持ちよさそうに眠っている子を起こすのは、ちょっと気が引けてしまいますが……そこはゲームと割り切っていきましょう。

本作の特筆すべきポイントは、舞台となる島々のビジュアルです。丸みをおびたフォルムにデフォルメされた猫たちのかわいさは言わずもがなですが、本作は島自体もミニチュアのような見た目で、とてもかわいらしく作られています。温室が立ち並ぶ植物いっぱいの島や、煙突付きの家が建つ街のような島、灯台が建つ夜の島など、島ごとに異なるテーマが設定されているので、島をのんびりと眺めているだけでも散歩気分で楽しめます。

猫は、常に目に見えている場所にいるとは限りません。「猫はいつでもあなたの心の中にいるのです……」というポエム的な話(?)がしたいわけではなく、本作の眠れる猫たちは、閉まったカバンの中や閉まったドアの中など思いも寄らない場所に隠れていることがあるのです。そのため、プレイヤーは島中のあやしげな場所をクリックして、次々と起動していく必要があります。なかには隠された3つのボタンをすべて押さなければ開かないドアといった凝ったギミックも存在します。この「プレイヤーが行えるアクション」の要素が、本作の物探しゲームとしての面白さをさらに高めているように筆者は感じました。

見ているだけでワクワクしてくるような夏の島と、島でのんびり暮らしている猫たちに癒やされる「Summer Paws」。ゲームオーバーや時間制限などはないので、まったりと楽しめるゲームを探している方には特にオススメです。

2.キュートな猫たちがカートで爆走! アイテムでの攻撃がアツい、ドタバタレースゲーム「Meow Motors」

  • 「Meow Motors」(ArtVostok)
  • ジャンル:レース
  • 2018年11月2日発売
  • 価格:1,520円(2021年8月23日時点)
  • コピーライト:(C) 2018 ArtVostok

ゴーカートゲームと言えば、「マリオカート」シリーズが代表的でしょう。筆者もスーパーファミコン時代からのマリカーファンで、小学生の頃は放課後になるとすぐに友達の家に集まって、くる日もくる日もバトルモードで風船を割りあったものでした。懐かしき日々よ……。というわけで、ご紹介する「Meow Motors」は、猫が主役のゴーカートゲームです。

「Meow Motors」は、個性豊かなかわいい猫たちがカートに乗って爆走するレースゲームです。ちなみにタイトルにある「Meow」とは英語の猫の鳴き声で、日本語に訳すならば「ニャー」。この時点で、すでにかなりかわいいですが、登場する猫たちもカートゥーン調のビジュアルでとってもキュート。なめらかなアニメーションでプレイヤーの目を楽しませてくれます。

本作におけるプレイヤーの目的は、猫が乗るゴーカートを操作してレースに勝利することです。スタートダッシュやドリフト、そしてコース上に存在する障害物の数々をうまく避けるためのハンドル操作と、勝利を目指すためにはプレイヤーのドライビングテクニックが不可欠。レースゲームのあるあるではありますが、抜きつ抜かれつのスリリングな展開に、レース中は思わず体が動いてしまうこと必至です。

しかし、本作のレースで勝敗を分ける要素はドライビングテクニックだけではありません。ずばり、本作にはアイテムが存在するのです。前方の相手を撃って攻撃できる銃や自分の周囲の敵にダメージを与えられるインパルスなど、アイテムの種類は多種多様。「マリオカート」シリーズではどのアイテムを獲得できるかはランダムでしたが、本作はコース上に設置されたアイテムアイコンの種類を見定めることによって、自分の狙いのアイテムを取得することが可能。もちろん狙いどおりにアイテムをゲットするためには相応のドライビングテクニックが必要ですが、このアイテム選択可能なシステムによって、プレイヤーは戦略的にレースを進めることができます。

さらにアイテムは、レース中にチャージされていくゲージを消費することで、パワーアップも可能。「どのアイテムを取るか」だけではなく「いつアイテムを使うか」を考えることも、レースを制するための重要な戦略となります。

なお、本作に登場する車にはHP的な耐久値が存在します。攻撃を受けたり、障害物に激突すると、耐久値が減少し、車の動きにマイナスの影響が出てしまうので、危ないときはコース上の修理アイテムを拾いましょう。この回復要素も、本作がほかのレースゲームと差別化されているユニークなポイントのひとつと言えます。

本作のもうひとつのユニークな要素は、「ニトロ」と「オイル」です。「ニトロ」は、使用することで自機の速度に一時的にブーストをかけて加速する機能。「オイル」は自機の後方に油を流して、上を通る敵の車の走行をじゃまする機能。説明だけ見ると、どちらもコース上で獲得して使用するアイテムのようですが、この「ブースター」と「オイル」の使用条件は特殊で、ドリフトを決めたり、敵の武器攻撃を受けたりすることでたまっていくエネルギーゲージを消費して使用できるシステムになっています。第2・第3の武器とも言えるこの「ニトロ」と「オイル」が、レースを形勢逆転させる要素として、本作のレースにスパイスを加えることに成功しているように筆者は感じました。

本作の試合には、目標が異なる3種類のルールがあります。

  • ・ほかのライバルよりも速くゴールすることを目指すオーソドックスな「レース」
  • ・制限時間内にドリフトを決めてスコアを稼ぐことが目的の「ドリフト」
  • ・武器や体当たりでライバルの耐久値を減らしていき、目標の数以上の撃破を目指す「ストライク」

それぞれのルールで、プレイヤーに求められるテクニックや立ち回り方が異なるため、毎回新鮮な気持ちで試合を楽しむことができます。

なお、定められた目標の達成度合いによって得られる星を集めると、キャラクターや車、コース上で拾えるアイテムがアンロックされていきます。このご褒美要素こそ、本作の醍醐味のひとつ。新たな猫ちゃんに出会うために、レースを頑張ってしまうこと請け合いです。

ハイクオリティなグラフィックとスピード感あふれる爽快なカートアクション、アイテムによるアツい駆け引き、そしてかわいいドライバーの猫たちと、魅力たっぷりの「Meow Motors」。残念ながら記事執筆時点ではオンライン対戦に対応していないものの、画面分割によるオフラインマルチプレイには対応しているので、友だちや家族とワイワイ遊ぶことが可能です。「マリオカート」などのレースゲームが好きな方はぜひ、チェックしてみてください。

気分は猫カフェ! 猫たちを箱にピッタリ詰めていくリラックスパズル3.「Cats Organized Neatly」

  • 「Cats Organized Neatly」(DU&I)
  • ジャンル:パズル
  • 2020年10月13日発売
  • 価格:295円(2021年8月23日時点)
  • コピーライト:(C) 2020 DU&I

「箱詰めパズル」というゲームをご存知でしょうか。Tの字やLの字などさまざまな形をしたブロックを四角い箱にきっちり隙間なく詰めていくという、昔ながらのパズルゲームです。ご紹介する「Cats Organized Neatly」は、猫をモチーフにした箱詰めパズル作品です。

「Cats Organized Neatly」は、かわいらしい猫が登場するパズルゲームです。まず目を引くのはやさしいタッチで描かれた手書き風のグラフィック。淡い色使いも相まって、まるで絵本を見ているようで、ただ画面を眺めているだけでもほんわかと癒やされます。 さらに、画面写真では伝わりませんが、本作は音楽もハイクオリティ。Steamの商品紹介ページに「ネコカフェのような雰囲気のリラックスしたBGM」とあるとおり、グラフィックだけでなく音楽にもゆったりと癒やされること間違いなしです。

ゲームの内容紹介に入る前に触れておきたいことがあります。それはずばり、使用言語の選択画面。本作は日本語を含む20の言語に対応しています。この行き届いたローカライズは、大変すごいことなのですが、実はご紹介したいのはその点ではありません。何を隠そう、見ていただきたいのは、この言語選択画面の各言語アイコンに描かれた猫のかわいらしさです! 20の言語それぞれに違うイラストの猫が描かれているというこだわりっぷりで、しかも選択されていない言語のみんなは眠たそうというこのすさまじいかわいさのパワー。筆者、これまで数多くのゲームをプレイしてきましたが、いまだかつて、こんなにすばらしい言語選択画面は見たことがありません。

言語選択画面だけでなく、本作は細かな部分にもたくさんの「かわいい」があふれています。そのひとつが、ゲーム中に開くことができる「メニューにもどる」画面。一般的なゲームでは、シンプルにメニューに戻るかやめるかというような文字が表示されるだけだと思いますが、本作では巨大な猫がウニョ~ンと登場し、「メニューにもどる」か「レベルにとどまる」か、マンガチックな吹き出しでプレイヤーに語りかけてくれます。う~ん、癒やされる……。

というわけで、大変おまたせしましたが、ここからようやくゲーム本編の紹介に移ります。 本作は、ステージごとに用意された猫のブロックをすべてピッタリと枠に収めればクリアという、シンプルなステージクリア型のルールになっています。左クリックで猫をつかみ、右クリックで猫を回転させるという、マウスだけを使ったわかりやすい操作方法も相まって、普段ゲームをあまりプレイしない人でも遊びやすい作りと言えるでしょう。ちなみに猫は、左クリックをするたびにニャーニャーとかわいい鳴き声を聞かせてくれます。鳴き声を聞きたいがために無駄に猫を触りまくってしまいがちですが、これもまた本作の楽しみ方のひとつと言えるのではないでしょうか。

特筆すべきは、猫の種類の豊富さです。L字型の猫や長方形の猫、3×3の正方形の猫などなど、本作にはさまざまな大きさと形のブロック、もとい猫が総勢30種類登場するのですが、なんと猫たちにはそれぞれ異なる名前が付いており、さらにキャラ設定まで与えられているのです。たとえば、逆L字型をしたRUFFは「小柄で風変わり」で、L字型のWULFは「ガーデンのドアに座るのが好き」といった具合で、設定の文章を読むだけでも癒やされます。ちなみに、1度出会った猫は「コレクション」からいつでも閲覧することができるので、パズルに疲れたらゆったりと眺めてみるのもいいかもしれません。

やさしいタッチのグラフィックと落ち着いた雰囲気の音楽、そして細部まで作り込まれたかわいらしさの数々に癒やされる「Cats Organized Neatly」。簡単すぎず難しすぎない、パズルの絶妙なレベル設定も魅力です。なかには頭を悩ませる難問もありますが、時間制限や手数制限はなく、何度でもやり直しが可能なので、猫のかわいさを楽しみながらまったりとプレイするのが本作の正しい遊び方と言えるでしょう。本記事執筆時点で300円以下というお手頃な価格になっていますので、気になる方はぜひ遊んでみてください。

ゲーム画面に猫が登場すれば、みんなほっこり癒やされる!

というわけで、おすすめの3作をご紹介しました。

友人やCPUと腕前を競い合うバトルゲームも、そうではなくひとりでじっくり楽しむタイプのゲームも、猫が登場すれば、あっという間にほんわかと癒やされるな、としみじみ実感した筆者でした。Steamには、まだまだたくさんの猫ゲーがありますので、猫派の方もそうでない方も、また次回の特集をお楽しみに!

筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
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