日本のアニメに対する管理の厳格化で配信未定多発な中国の4月新作アニメ事情【中国オタクのアニメ事情】

中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は、日本のアニメを配信している中国の動画サイトで4月から始まった日本の新作アニメに対する管理の厳格化および、これにより大混乱中の新作アニメの配信状況と、近頃の中国における新たな日本のアニメ作品批判の傾向やリスクなどについて紹介させていただきます。

日本の新作アニメの管理の厳格化で中国のオタク界隈は大混乱中

中国で配信されている日本の新作アニメに関して、1月からのシーズンは「無職転生」関係の大炎上で大変なことになってしまいましたが、4月からのシーズンは、日本のアニメを配信している動画サイトで規制あるいは自主規制が行われたことにより、今度は逆にひっそりとした状況になってしまっている模様です。

この規制に関しては1月からのシーズンに「無職転生」の炎上から始まり、通報合戦の加熱からプラットフォームに対する抗議活動まで広まってしまった中国の二次元界隈の大炎上や、近頃の日中関係の悪化などが原因ではないかという見方もあるそうです。
しかし例によって明確な報道や告知がないことから、実際の事情に関してはハッキリしないようです。

中国のオタクな方から教えていただいた情報によると、今回の規制は、日本のアニメに対する「動画の登録、番号管理の厳格化」といったものらしく、この影響により中国における日本の新作アニメ配信が大混乱に陥っているとのことです。
そしてその結果、4月に入ってからも日本の新作アニメの各作品の配信がいつから始まるかがわからない」といった事態になってしまったのだとか。

ここしばらくの間、中国で正規配信される日本のアニメは、営業許可を取得している動画サイト側の裁量で管理する形になっていたそうで、新作アニメは日本での放映とほぼ同時に配信開始されていました。
しかしこの4月からは、配信前に関連機関への登録を厳格に行う形になったらしく、すでに配信が始まっている一部の作品の動画にも登録番号が明示されるようになっている模様です。

この記事を書いている時点では、1週間ほど遅れての配信開始になった作品もあれば、日本での放映開始時期とそれほど差がなく配信開始となった作品や、中国におけるゴールデンウィーク直前の4月末になってようやく配信が告知された作品などもある模様です。
そして、配信開始がいつなのか、そもそも配信できるのか? といった状態になっている作品もあるそうで、その中には「86―エイティシックス―」などの中国のオタク界隈における期待作も混じっていることから、頭を抱えるアニメファンの人もかなり出ているとのことです。

また、動画サイトごとに作品配信の手続き状況が違うのか、同じ作品なのにすでに配信が始まっているサイトもあれば、いまだに配信が始まらないサイトもあるといった状況にもなっているようです。

中国のオタク界隈では規制管理の具体的なところが表に出てこないこともあってか、4月からのシーズンが始まった当初はかなり悲観的な予測も多かったそうです。
中国のテレビ番組の審査の扱いなどから考えて、
「作品のすべての内容を審査するまで、つまり完結してからでなければ配信できないのでは?」
という見方もあったという話ですが、現時点では配信できる作品に関してはおおむね数日~1週間程度の遅れで配信が行われているとのことです。

この辺りに関して、中国のオタクな方からは
「審査期間があるとしたら1~2週間ほどになるのでは。引っかかる内容があればさらに伸びるでしょうけど」
といった話もありました。
どちらにしろ、当面は日本の新作アニメの配信の可否や配信開始時期に関しては不透明な状況が続くことになりそうです。

そんな状況にあるので、現在4月の新作アニメの人気の動向についてはあまりハッキリしたものは出てきていないのですが、とりあえず比較的話題の多い作品や再生数の伸びがいい作品を紹介させていただきます。

まず、「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」「極主夫道」などが比較的広い範囲での人気を獲得している模様です。そしてマニア層からの注目も集めているのが「ゾンビランドサガ リベンジ」「NOMAD メガロボクス2」だそうで、前シリーズからの人気や評価とともにイロイロと話題になっているとのことです。これらに加えて、4月末から遅れて配信開始となった「不滅のあなたへ」の人気も上昇中だそうです。
またほかにも1月から続いている作品の中では、「蜘蛛ですが、なにか?」が2クール目に入っても堅調な人気を維持している模様です。