【インタビュー】高垣彩陽がソロデビュー10周年を記念して、ベストアルバム「Radiant Memories」をリリース

2010年に1stシングル「君がいる場所」でソロアーティストデビューを果たした高垣彩陽。その前年には声優ユニット「スフィア」のメンバーとてデビューしていて、ソロとユニットで精力的に活動を繰り広げてきた。
そんな彼女が、ソロデビュー10周年を記念して、ベストアルバム「Radiant Memories(レディアント メモリーズ)」をリリース。シングル曲やTVアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」のエンディング曲など13曲に、新曲の「Dear One」を加えた、聴きごたえのある1枚に。さらに、完全生産限定盤のBlu-rayには、「Dear One」のミュージッククリップと、歴代ライブ映像から10曲を収録。10周年にふさわしいボリューム感のあるアルバムとなった。

音大で声楽を学んだ経験が、ソロの楽曲には生かされています

── ソロデビュー10周年おめでとうございます。

高垣 ありがとうございます。大学在学中に「ミュージックレイン スーパー声優オーディション」を受けたときから、歌える声優になりたいという思いがあって。そもそも音大(武蔵野音楽大学)で声楽を勉強したのもそのためで、目標のひとつだったんです。声優としてデビューできて、スフィアとして歌も歌えるようになっても、高垣彩陽としてソロで歌える日はなかなか来ないなという、もどかしい時間を最初のころは過ごしていました。そして、声優デビューから4年後に、ついに夢がかなってソロデビューを果たして。その日から10年が経ったんだなと思うと、本当に感慨深いです。10年はあっという間で、必死に歌っていたら今日までたどり着いたという感じです。

── 声優デビューとアーティストとのソロデビューの間には、4年という時間があったんですね。

高垣 はい、その4年の間に、実はソロデビューの話が生まれては消えたりして、私は結局、ソロデビューはできないのかなと考えてしまったこともありました。でも、TVアニメ「世紀末オカルト学院」という作品に出会って、エンディングテーマの「君がいる場所」でデビューできたのは、すごくいい縁だったなと思っていて。立ち消えてしまったデビューの話も、この出会いをもたらしてくれるためだったんだなと思います。

── そのときは苦しくても、振り返ってみれば、いいデビューになったなと。

高垣 夢には、叶うタイミングがあるんだなって思いました。思い描いた通りにいかなくても、それはきっと意味のあることで、ちゃんとつながっているんだなって。

── 今、歌う声優さんは本当に多くなっていますが、音大で声楽を専門に学んだ経験がある方は希少だと思います。

高垣 何人かはいらっしゃいますが、たしかに数は多くないですよね。私は小学生のころから声優になりたくて、高校を卒業したら養成所に通ってお芝居の勉強をしたいと思っていたんです。でも、高校のころの音楽の先生から「あなたは音大に行くべきだ」と勧められたのと、私の大学進学を望んでいた母から「音大の声楽科でオペラとかを勉強した経験は、声優になった後、いつかきっと武器になる」と言われたのがきっかけで、音大進学を決めたんです。でもいざ入学してみると、音大生は結構忙しくて、「私、音大に行って、夢を遠回りしたかな?」と思った時期もありました。でも、在学中に思いきって受けたミュージックレインのオーディションに合格してお仕事をする中で、音大に行ってよかったなと思えるようになりました。

── 実際に、声楽を勉強したことが、今も役立ってますよね。

高垣 そうですね。カバーミニアルバムシリーズというのを今まで4枚リリースしていて、そこではクラシックやオペラの楽曲のカバーをしているんです。音大で声楽を勉強したからこそできたことで、今回の完全生産限定盤のBlu-rayには、コンサートで歌ったカバー曲もいくつか収録されています。

── カバーだけではく、オリジナル曲でも、声楽を勉強したからこそ歌える曲が、いくつもあると思います。

高垣 いろいろなタイプの曲にチャレンジさせていただいて、私はとても恵まれていると思います。疾走感のあるデジタルサウンドもあれば、やさしい雰囲気の曲もあり、オペラ調の曲もあり。タイアップでは作品とのいい出会いがあって、ノンタイアップでは私の音大での経験を生かした曲作りもしていただけたことが、私のソロとしての10年を作ってくれました。

── 「Radiant Memories」には、CD、Blu-ray合わせて、本当にいろいろなタイプの楽曲が収録されていて、高垣さんにしかできない音楽だなと思いました。では、収録曲について、いくつかを選んで、具体的にお話をお聞かせください。