ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」のスマートフォン版が、2021年2月24日にリリースされた。リリースに先駆けてメディア向けの先行体験会が行なわれたので、プレイインプレッションをお届けする。
「ウマ娘 プリティーダービー」は、Cygamesがゲーム・アニメ・コミックなどで展開するクロスメディアコンテンツで、競走馬の名前と魂を受け継ぐ存在であるウマ娘たちが競い合う架空のレース競技<トゥインクル・シリーズ>での勝利を目指す少女たちが通う「トレセン学園」を中心とした物語が描かれている。作中には実在の名馬をモチーフとしたウマ娘たちや、皐月賞、天皇賞といったレース名が実名で登場する。
2021年1月からは、トウカイテイオーとメジロマックイーンにメインスポットを当てたTVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」が放送中だ。テイオーが日本ダービーを制した第1話の劇場アニメのような鮮烈なラストや、第2話でアクシデントを乗り越えるために懸命に努力するテイオーとウマ娘たちの群像劇は強い印象を残している。
圧倒的な3DCGクオリティと遊びつくせないほどの物量
さて、今回紹介するのはゲームの「ウマ娘 プリティーダービー」だ。今回の取材では2時間程度の試遊ができた。
ガチャで入手できるのは「育成ウマ娘」と「サポートカード」。育成シナリオの主人公となるのは、指定した「育成ウマ娘」であり、5枚のサポートカード+フレンド1枠でデッキを組むことで育成効率を上げることができる。レアリティの高いサポートカードはより有用なスキルやサポート効果を持っていることが多く、レベルを上げればより強化可能。サポートカードとしてデッキに組みこんだウマ娘は、育成ストーリー中にイベントとして登場することもある。
今回の試遊プレイでは、育成ウマ娘に、ガチャで引いた中から☆3「サイレンススズカ」を選択した。育成ウマ娘にはスピード、スタミナ、パワー、根性、賢さの基本ステータスに加えレース適性、スキルなどさまざまな要素がある。スズカであれば、とりあえずスピードを上げて誰よりも速く駆け抜ける方針で問題がないだろう、たぶん。
ウマ娘の育成はターン制で、「トレーニング」で各種ステータスを上げ、レースに勝つことでファンを増やして実績を積むのが基本となる。各ターンには育成ウマ娘カードやサポートカードに応じたイベントが発生することがあり、ストーリーテキストを楽しみながらステータスをアップさせることができる。
基本の「トレーニング」では、スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さからトレーニングしたい項目を選択するのだが、各トレーニングにサポートウマ娘のアイコンが表示されていると、サポートカードの能力やレベル、絆の深さに応じてトレーニング効果がアップするようだ。トレーニングパートナーとイベントの発生にはいくらかのランダム性があるが、戦略に合わせたサポートデッキを作りこむことで育成効率を上げることができそうだ。
ある程度育成が進んだので、いくつかのレースに出走してみた。レース中はオートプレイとなるため、育てたウマ娘の能力とスキルを信じることになる。やはりサイレンススズカが逃げに逃げて1着でゴールを駆け抜けるのは気持ちいいし、シンプルでいい。レースの演出やテンポは現実の競馬に沿ったもので、走っているのはウマの耳と尻尾を持つウマ娘なのに競走馬のレースと同じテンポで走るのがちゃんと「気持ちいい」のは、動きや走りの見せ方を相当研究しているためだろう。
なお、レース中は、レース全体を見る引きのカメラや、ウマ娘の表情が見えるカメラなどがオートで切り替わる。ずっと自分のウマ娘が走る姿だけを見たい場合などはカメラアングルの切り替えもできるようだ。
さらに、ウマ娘ならではの要素として、レース後に行なわれる「ウイニングライブ」がある。レースに参加したウマ娘がステージに立ち、アイドルのように歌い踊るライブステージだ。ウイニングライブでは優勝したウマ娘がセンターに立つことになる。
特筆したいのが、このウイニングライブがライブ映像として異常に高いクオリティを誇っている点だ。
ゲームではレースに出走した全てのウマ娘がライブに登場した。これは序盤のレースでも同様だ。
つまり、プレイアブルなウマ娘以外のすべてのウマ娘に3DCGモデルが用意されており、ウイニングライブでは最大18人のウマ娘が同時に歌い踊る姿が描写される。
正直、ウマ娘を育成するレースゲームでここまでのクオリティを追求する必要があるのかと驚いたほどだが、こだわれるところには徹底的にこだわる姿勢と技術力には感嘆するしかなかった。許されるならウイニングライブだけずっと見ていたかったほどだ。
トレーニングとレース&ウイニングライブ、お休みやウマ娘とのコミュニケーションを繰り返してウマ娘を育成しながら、課題をクリアしていくのが育成モードの基本となる。育成し終わったウマ娘は「因子」を残すことがあり、その能力の一部は次に育成するウマ娘に引き継ぐことができる。スキルや因子については短時間ではつかみきれないところもあり、かなりやりこみ度が深そうだ。
ゲームとしての印象を総括すると、3DCGモデルの完成度がとても高い。日常会話やイベント、レース、ライブにおけるウマ娘を基本3DCGで構成し、それぞれを高いクオリティに仕上げている。ウマ娘の数だけあるストーリーと、育成ゲームとしてのやりこみ度の底知れなさ、両面の質と量は圧倒的ですらある。競馬にたとえるなら、レース終盤、大外からものすごいタイトルが追い込みをかけてきた印象だ。ぜひ一度プレイしてもらいたい。
(取材・文/中里キリ)
■ゲーム概要
タイトル:ウマ娘 プリティーダービー
配信開始:2021年2月24日(水)※iOS/Androidのみ
開発・運営:株式会社Cygames
対応機種:iOS/Android/PC
※画面は開発中のものです。