【Steam】ハッピー牛(ぎゅう)イヤー!丑年だから遊びたい牛がテーマのPCゲーム特集

アキバ総研をご覧の皆さま、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。
ついに2021年が始まりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。筆者、干支がねずみ年でして、実は昨年が年男だったのですが、今年は丑年ということで、今回はズバリ「牛」がテーマのSteamゲーム特集を、モ~烈な勢いでぎゅギュウっと濃厚にお送りします! 新年早々、くだらないダジャレでモ~しわけございません……。

目次
1.ファンタジー酪農シミュレーション「ラクノープリンセス」
2.ちょっとおバカでお下品なツインスティックシューター「Space Cows」
3.2人で一緒に遊べる協力型パズルアクション「DYO」
牛が登場するゲームを遊んで、2021年の運気アップ!?

1.みるみる時間が溶けていく!
やりこみ要素たっぷりのファンタジー酪農シミュレーション「ラクノープリンセス」

  • ラクノープリンセス」(Inu to Neko)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 2019年11月30日発売
  • 価格:1,000円(2021年1月6日現在)
  • コピーライト:(C) 2019 Inu to Neko

牛といえば、真っ先に牛肉や牛乳を連想する人も多いのではないでしょうか。牛は、私たちの食卓に欠かせない存在と言っても過言ではない存在ですが、ご紹介する「ラクノープリンセス」は、その名のとおり「酪農」がテーマのゲームです。

本作は、ファンタジー風の世界が舞台の経営シミュレーションゲームです。

主人公は、海洋都市イシュワルドに住む、牛テイストの服装が特徴的な少女・ラクモ。16歳の誕生日に、父親が持つ「レトレト牧場」の経営の一部を任されることになります。そんなラクモが、牧場の安定経営を目指して奮闘する、というのがこの「ラクノープリンセス」のストーリー。牛が大好きな自信家で、ちょっと人見知り気味というラクモちゃんのキャラクターは、とても個性的でかわいらしい印象。さらに、一部ボイス付きとなっているのもうれしいポイント! どんなときでも若干テンション低めなラクモちゃんの声は、なんだかとてもクセになります。

さて、そんな本作の目標は、毎月開催される定期試験のお題をクリアして牧場ランクを上げること。最高牧場ランクに到達するとゲームクリアとなります。 そのためにプレイヤーが行うべき基本的なアクションは、「販売」「探索」、そして「動物の管理」です。やれることが多いため、一見ちょっと複雑で難しそうに思えるかもしれませんが、基本的にすべてコマンド選択と数値入力だけの操作となっているため、思ったよりも簡単で遊びやすい作りとなっています。

それではアクションについてひとつずつ説明していきましょう。

まずは「販売」。これは、牛乳や卵などの牧場でとれた畜産品や、「生産」によって作成した加工品を、牧場に訪れるお客さんに売って、お金を稼ぐアクションです。

売りたいアイテムを販売枠に設定し、「進行」というボタンを押せば自動的に牧場にお客さんが訪れて、商品を買っていってくれます。

アイテムは、売れれば売れるほどレベルが上がっていき、品質も高まり、客の需要や販売価格が上昇します。さらに、一定のレベルに達すると「レシピ」をひらめくことができるアイテムもあり、ひらめいたレシピを元に新たな商品を生産することも可能。

たとえば「チョコレート」を売ると、「チョコミルク」のレシピを覚えます。「香草」を売ると、今度は「ハーブアロマオイル」を覚えて、さらに「ハーブアロマオイル」を売ると「ハーブのど飴」を覚えていきます。

売れば売るほど次々に新たなアイテムを作れるようになる感覚は単純ながらも楽しく、ついついやめどきを失ってしまいます。なんと、本作に登場するアイテムは全300種類もあるということで、これだけでもかなりの時間泥棒です。

続いて「探索」。これは、冒険者を探索に派遣して、生産などに必要なファームポイントと呼ばれるポイントや、新たなアイテム・動物を獲得するアクションです。

行き先を設定しておくことで、冒険者たちは自動的に探索に出かけて、現れたモンスターとオートで戦闘してくれます。冒険者たちは、訓練をすることでステータスを上げることができ、「鍛冶屋」で作成した武器を装備させることも可能。基本的にコマンド選択だけのお手軽操作ですが、RPG風の楽しさも感じられ、本作がただの経営シミュレーションではなく、「ファンタジー酪農シミュレーション」であると実感できる、特徴的なシステムとなっています。

「動物の管理」は、牧場が舞台の本作ならではの要素。エサを与えることによって、動物のレベルを上げると人気度が高まり、牧場の集客数アップに結びつきます。

集客数が上がれば、入場料による収入が増えてくるので、人気の高い動物を放牧してお金を稼ぐというのが「ラクノープリンセス」の基本中の基本。

さらに、本作には繁殖の要素もあり、動物同士を交配させることで、新たな種を生み出すことも可能となっています。登場する動物の種類は、なんと100種類ということで、アイテムの「生産」に続いて、こちらもかなり“沼”なやりこみ要素となっており、遊びごたえ十分です。

「探索」や「お買い物」で素材を手に入れて、「生産」で加工品を作り、「販売」でお金を稼ぎながら新たなレシピを覚えます。また「生産」をして、「動物」のお世話や管理も忘れずにしっかりと……という風に、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と次から次にやりたいことが見つかる、いい意味での忙しさが楽しい本作。

シンプルな画面構成に加えてマウスだけのお手軽操作、さらに動作も軽く、フル画面表示ではなくウィンドウでの表示であるため、作業のおともなどの「ながらプレイ」にも最適な「ラクノープリンセス」。ただし、遊び始めるとついつい夢中になってしまい、気がついたらとんでもない時間が溶けてしまっている……なんてこともありえるので(事実、筆者がそうでした)プレイする際は、ハマりすぎにご注意を!

2.宇宙に浮かぶ牛を救え! ちょっとおバカでお下品なツインスティックシューター「Space Cows」

  • Space Cows」(Happy Corruption)
  • ジャンル:アクション
  • 2019年9月6日発売
  • 価格:820円(2021年1月6日現在)
  • コピーライト:(C) 2019 Happy Corruption

牛は、白と黒のまだら模様や「モ~」という独特の鳴き声、そしてのんびりとした動きなどの数々の特徴的な要素から、アニメやマンガでキャラクター化されやすい動物のひとつではないでしょうか。これからご紹介する「Space Cows」は、そんなコミカルな牛のキャラクターが登場するアクションゲームです。

本作は、全方位シューティングとも呼ばれる、「ツインスティックシューター」ジャンルに該当するゲームです。

360°全方位からワラワラと現れる敵に対して、左スティックで自機を操作し、右スティックで狙いをつけて射撃していくというのがこのジャンルの特徴。

本作は、「Space Cows」というタイトルからもわかるとおり、宇宙を舞台にしたツインスティックシューターとなっており、無重力をプカプカと移動しながら、ムータントという宇宙人たちを倒すことが目的となっています。

ちなみに、主人公がムータントめがけて撃つのは銃弾やレーザーではなく、なぜか「ラバーカップ」です。「ラバーカップ」という名前にピンとこない人も多いかと思いますので、わかりやすく説明をすると、“トイレのスッポンX”として知られるアレです。なぜ、そんなものを宇宙で撃っているのかは、まったくの謎です。

トイレのスッポンもしかりですが、本作は、作品全体にただよう「ちょっとお下品なムード」が特徴となっています。

たとえば、主人公はなぜか常にお尻丸出しで、メニュー画面やオプション画面ではカーソルを動かすたびに“プゥッ”と軽快なオナラの音が鳴り響き、さらにゲーム中にダッシュをする際も“プゥッ”とオナラが鳴り響く始末。

下品ではありながらもクスッと笑えるタイプのお下品さとなっており、アメリカンなテイストのカートゥーン調のグラフィックとも相まって、「ザ・シンプソンズ」や「サウスパーク」のようなノリをどことなく彷彿とさせます。

おバカゲーの雰囲気がただよう本作ですが、肝心のゲーム部分はというと、意外にもツインスティックシューターとしてはオーソドックスな手堅い作りとなっています。基本操作である移動とエイム&シュートに加えて、敵の襲撃やレーザーなどのトラップを回避するための「ダッシュ」と、使用することで一定時間敵の動きを遅くする「スローモーション」といった、最近のアクションゲームやシューターゲームでもよく見かける定番のシステムが導入されています。うまく使うことで危機的な状況から反撃に転じることができるこれらの要素は、ゲームにスリルと爽快感をプラスしてくれます。

さて、そんな「Space Cows」ですが、本特集のメインである肝心の牛要素はどこに出てくるのかというと、主人公の救助対象として、ステージの要所要所に登場します。

宇宙空間にフワフワとただよう牛に近づき「拾う」アクションを行ってつかみ、近くの救助コンテナにシュートすれば救助完了。全体的にシュールな雰囲気の本作ですが、無重力状態でプカプカ浮かんでいる牛というのもまた、かなりシュールな光景です。

牛をコンテナにシュートすれば救助完了となるのですが、しかしなぜか本作は、ここで突然ミニゲームが挿入されます。

その内容は、抱っこした牛を左右に向けて的確に乳搾りを行っていくゲームや、左右に移動して上空から降ってくるなにやら有害そうなものを避けるゲームなどなど。単純なゲームでありながら、目標スコアを超えるとライフを獲得できるので、ついつい本気になってしまいます。クセの強いアメコミ風のグラフィックも、かなりいい味出しています。

一見おバカなゲームに見えて、ツインスティックシューター作品としてはとても堅実な作りとなっている「Space Cows」。ダッシュやスローモーションを駆使して大量の敵を撃破していく爽快感はやみつきになること請け合いです。難易度もイージーからハードまで設定可能となっているので、ツインスティックシューターの初心者にもベテランにもオススメできる作品です。

3.2頭のミノタウロスが迷宮に挑む! 2人で一緒に遊べる協力型パズルアクション「DYO」

  • DYO」(Team DYO, Josia Roncancio)
  • ジャンル:アクション
  • 2018年2月14日発売
  • 価格:無料(2021年1月6日現在)
  • コピーライト:(C) 2018 Team DYO, Josia Roncancio

神話に登場する最も有名な牛と言えば、頭が牛で体が人間の怪物「ミノタウロス」ではないでしょうか。ラビリンス(迷宮)の語源となったクレタ島のクノッソス宮殿にミノタウロスが幽閉されたというギリシャ神話は有名ですが、ご紹介する「DYO」は、そんなミノタウロスが主人公のアクションゲームです。

本作は、ミノタウロスを操り出口を目指す、ステージクリア型の横スクロールパズルアクションゲームです。

アクション性よりもパズル性が高く、じっくり考えるタイプの作品なのですが、そんな本作の最大の特徴は、操作するミノタウロスが2頭いるという点。

プレイヤーは、キーボードかゲームパッドを使用して、2頭のミノタウロスを操作していくことになります。「キーボード&ゲームパッド」の組み合わせや「ゲームパッドふたつ」でも操作が可能となっており、パソコンの画面を見ながら、家族や友人と2人で肩を並べて遊べるという少し変わった作りのゲームとなっています。ちなみに、ひとりでのプレイにも問題なく対応しています。

「DYO」の主人公は、白くてスリムな体型のミノタウロスと、赤くて筋肉質な体型のミノタウロスの2頭。冒頭でご紹介したクレタ島のラビリンスを彷彿とさせる神話風のステージと、静かで神秘的な音楽が雰囲気を盛り上げてくれます。

プレイヤーは、白と赤の2頭のミノタウロスを操って、ステージの出口を目指すわけですが、パズルアクションということで、当然、簡単にはゴールにたどり着けません。本作のパズルとしての最大のポイントである「左右に分割された画面」を、うまく利用する必要があるのです。

本作を攻略するうえで欠かせないアクション、それはズバリ「画面のロック」です。左右それぞれの画面に存在する2頭のミノタウロスが「画面のロック」を行うと、画面中央の太い境界線がなくなり、なんとお互いが左右の画面を行き来できるようになります。これをうまく使えば、いっぽうのミノタウロスを踏み台にして高い段差をジャンプで越えるといったアクションも可能になり、行けなかった場所へ進むことができるのです。

この「画面のロック」の活用法は、単にキャラが、左右を行き来できるということだけではありません。「画面のロック」を使って左右の画面をうまく合わせることで、壁に囲まれた場所から抜け出だせ、足場となる段差を生み出すこともできてしまいます。

一見、進行が不可能に見える場所でも発想とひらめき次第で行けるようになるという、この感覚こそが本作の醍醐味。ほかのパズルゲームでは体験できない驚きに満ちた爽快感は、1度味わうと、やみつきになってしまいます。

アクションパズルゲームですが、アクションの難易度は高くなく、また、時間制限やライフがなくなるなどもありません。ゲームを普段やらない人でも遊びやすく、じっくりと時間をかけて楽しむことができる「DYO」。どのステージも1頭の力だけではゴールできず、2頭のミノタウロスで互いに協力しあう必要があるので、気の合う人と2人で一緒に遊べばさらに盛り上がること間違いなしです。

しかも本作、この記事を書いている時点では、なんと価格が無料となっています。「百聞は一見にしかず」ということで、パズルが好きな人や2人で遊べるゲームを探している人は、ぜひ「DYO」の迷宮に足を踏み入れてみてください。

牛が登場するゲームを遊んで、2021年の運気アップ!?

というわけで、おすすめの3作をご紹介しました。

「撫で牛」や「赤べこ」など、日本では古来から縁起物や魔よけとして扱われてきた牛。「商いは牛のよだれ」という言葉もあり、商売繁盛や千客万来のモチーフとしても人気の動物ということで、2021年の初めにゲン担ぎとして、牛が大活躍するゲームを遊んでみるのモ~いいかモ~しれませんよ!

筆者:百壁ネロ
ゲーム買い過ぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。
Twitter:https://www.twitter.com/KINGakiko
Twitch:#
about.me:#/