アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。
突然ですが、皆さんは犬派でしょうか、猫派でしょうか?「あつまれ どうぶつの森」プレイヤーの間では、新キャラのジャックくんをはじめとした猫の住民が人気の傾向にあるようですが、かく言う筆者も猫派でして、島に猫の住民が2人います。なかでもビンタくんがお気に入り中のお気に入りで、もはや住民と一緒に暮らしているという感覚ではなく、何か高尚な存在が島にいらっしゃっているような気持ちで日々、彼を見ています。 というわけで、今回はそんなみんな大好きな癒やしの存在、猫が活躍するゲームをご紹介していきます。
1.ネコとイヌのキュートな大冒険!爽快感抜群のオープンワールドアクションRPG「Cat Quest II」
- 「Cat Quest II」(The Gentlebros)
- 2019年9月24日発売
- 価格:1,520円(2020年8月16日現在)
- (C)2019 The Gentlebros
猫って、だいたいいつも寝てますよね。なんでも、“ネコ”という言葉は、よく寝ている様子から「寝子」に由来しているという説もあるそうです。生まれ変わったら猫になって1日中ゴロゴロしたいと思ったことのある人は世界の全人口の9割以上は存在しているのではないか、と筆者はにらんでいますが、ご紹介する「Cat Quest II」は、そんな猫がダラダラせず元気いっぱい大冒険するアクションRPGです。
本作の主人公は、かつて世界を包む巨悪に立ち向かい、力及ばず闇に飲まれて倒れてしまったネコとイヌ、2人の王。「世界に光をもたらすため、王たちは復活する」という予言どおり、長い時が流れたのちに復活を果たし、世界から闇を払い、平和を取り戻すべく冒険の旅に出ます。
ちなみに、「Cat Quest II」というタイトルのとおり本作はシリーズ2作目となっており、ストーリーも前作からの繋がりが一部あるのですが、前作未プレイでも問題なく楽しめるのでご安心ください。
本作は、見下ろし型視点の2DアクションRPGです。
最大の特徴は、フィールドがオープンワールドであるという点。オープンワールドとは、広大な世界を自由に動き回って探索・攻略できるように設計されたゲームデザインのこと。「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」や「Fallout 4」などが、オープンワールドRPGタイトルとして思い浮かびますが、本作「Cat Quest II」のような2Dタイプのゲームはなかなか珍しいのではないでしょうか。
ネコとイヌが旅をする本作のフィールドは、全貌をここでお見せできないのが残念なぐらい実に広大で、マップを開いてスクロールするだけで「まだまだこんなに冒険する場所があるんだ!」とワクワクしてしまうこと間違いなしです。
ちなみに、フィールドは「南の港」「ニャンコの草原」など、地名が文字でそのまま書いてあるという独特なデザインとなっています。筆者は子どもの頃、日本地図や世界地図を見ながら、まだ見ぬ世界を駆け回るような空想をしたことがありますが、この「Cat Quest II」は、まさに地図のうえを走り回っているような楽しさが体験できます。
ゲームの進行は、メインとなるクエストを受け、それをクリアしたらまた次のクエストへ進む、スタンダードなクエストクリア方式。クエストの最後には強力なボスが待ち構えていたりもするので、しっかりレベル上げが必要です。
さらに本作は、メインクエスト以外の寄り道要素が豊富。物語の本筋とは異なるサブクエストや、フィールド上に多数存在する洞窟などのダンジョン探索をこなすことで、経験値を多く稼ぎ、装備の強化ができるので、メインクエストの攻略が楽になっていきます。筆者はこの寄り道クエストこそがオープンワールドRPGの醍醐味だと思っており、ついついメインそっちのけで延々と楽しんでしまいがちです。筆者と同じような趣向の人なら、本作「Cat Quest II」はかなり楽しめるかと!
敵とのバトルは、物理攻撃と魔法攻撃、そして回避を駆使して行います。魔法は範囲攻撃をするものや、回復魔法などさまざまな種類があり、フィールドやダンジョン内にある石版を読むことで習得できます。魔法は発動にマナを消費するためむやみに連発はできませんが、物理攻撃をすることでマナの回復が可能なので、物理と魔法をバランスよく使っていくことが勝利の鉄則となります。また、魔法や装備は、それぞれ専用の施設で、コインを使用してレベルアップさせることが可能。合成や強化素材などの要素がないシンプルな作りはとても遊びやすく、筆者的には好印象でした。
前作「Cat Quest」ではネコだけが主人公だったのですが、本作の主人公は、ストーリーのあらすじでも紹介したとおり、ネコとイヌの2人です。何を隠そう、これこそが本作最大の特徴。ゲーム中、いつでもワンボタンで操作キャラをチェンジでき、操作していない方のキャラはCPUがオート操作をしてくれます。また、装備や魔法もネコとイヌで別々にセットできるので、「ネコを魔法特化に、イヌを物理特化に」のように、異なる役割を持たせられます。この2人の役割分担が、攻略のうえで重要となってくるポイントのように筆者は感じました。
シンプルな操作と複雑すぎないシステムでカジュアルに遊べる作りでありながら、サブクエや寄り道要素が豊富で、ついついやめどきを見失ってしまう中毒性を持つ「Cat Quest II」。王道ファンタジー的な物語とポップなグラフィックが調和した世界観も楽しいので、サクッと遊べるアクションRPGを探している方は、ぜひプレイしてみてください。
ここで、筆者的・本作の癒やしポイントをご紹介。
本作では、セーブポイントを使うことで体力&マナの全回復が可能なのですが、このときのネコとイヌのパタリと倒れてスヤッと眠るアクションがとてもかわいいんですよ! ぜひ本物を見て、癒やされていただきたいです。
2.かわいいネコたちをお世話して最高の愛猫家を目指すカードゲーム「Cat Lady – The Card Game」
- 「Cat Lady – The Card Game」(Nomad Games)
- 2019年12月12日発売
- 価格:520円(2020年8月16日現在)
- (C) 2019 Nomad Games
皆さんは、カードゲームはお好きでしょうか? ひとえにカードゲームと言っても、トランプや花札などの定番系から、「マジック・ザ・ギャザリング」や「遊戯王」のようなTCG(トレーディングカードゲーム)までさまざななものがありますが、筆者が特に好きなのは、それらに属さないオリジナルのカードゲームです。筆者が以前に書いた「ジューン・ブライドで永遠の愛を! 「LOVE」がテーマのPCゲーム3選!」でご紹介した「Love Letter」などがそれにあたりますが、これからご紹介する「Cat Lady – The Card Game」は猫をテーマにしたオリジナルカードゲームです。
本作「Cat Lady – The Card Game」は、同名のアナログカードゲームのデジタル版です。日本語版では「とるネコ」というタイトルで知られているゲームで、やさしいタッチのかわいらしいネコのイラストが特徴的です。
かわいいのはイラストだけではなく、マウスカーソルがマウスだけにネズミになっていたり、至るところにネコの足跡がデザインされていたりします。ゲームを終了しようとすると「猫たちを置いていっちゃうんですか?」というメッセージが表示されたりと、隅々までかわいく作られていて、プレイしていて思わずにやけてしまいます。というか、そんなこと言われたらゲームやめられなくなっちゃいますよ!
というわけで、それではさっそく、本作のルールをご紹介していきましょう。
プレイヤーの目的はずばり、最高の愛猫家になること。そのために、ライバルたちとポイントを競っていくこととなります。ポイントを獲得するためにプレイヤーが行うアクションは、基本的に、場に出ているカードを取っていくことだけです。場には3×3で9枚のカードが並んでいるので、縦か横の1列を選んで3枚一気に取ります。取った場所には山札から新しいカードが補充されるので、山札がなくなるまで、この操作を全員が順番に繰り返していくというのがゲームの流れです。
ちなみに、プレイヤーが選んだ列や行にはネコの錠前のイラストが表示されてロックされ、次のプレイヤーは同じ列や行を選べなくなるので要注意。
ポイント獲得のための最も基本的なカードは、ネコとエサのカードです。ネコは黒猫、白猫、トラ猫などさまざまな種類があり、かわいいイラストとともに、それぞれの名前も書かれています。
エサは、チキン、ツナ缶、牛乳、そしてそれらのどれとしてでも使えるワイルドエサの4種類。ネコカードにはネコの好きなエサが描かれているので、自分が持っているエサカードから合うものをネコに与えます。すると、ネコはおなかいっぱいになり、カードに記されたポイントをゲットできるという仕組み。エサを与えられずにおなかが減りっぱなしのネコがいるとポイントは減点になってしまい、また、ゲーム終了時にほかのプレイヤーより多くのエサを余らせてしまっても減点になるので、過不足なくきっちりとネコにエサを与えていくことが基本戦略となります。
さて、愛猫家たるもの、ネコにただエサを与えるだけで良いのでしょうか? いえいえ、かわいいネコには遊ぶためのおもちゃもプレゼントしたいし、おめかしだってしてあげたくなるし、大好物のマタタビだってあげたくなるってもんです。というわけで、ネコとエサ以外の特殊なカードについてご紹介していきましょう。
まずはおもちゃカード。「毛糸玉」や「キャットタワー」など、5種類があり、多くの種類を集めるほど多くのポイントを得られます。
衣装カードは、ゲーム終了時に一番多くの枚数を持っていたプレイヤーが6点獲得できます。なお、ゲーム終了時までに衣装を1枚も持っていない場合はマイナス2点になってしまうので、必ず1枚は確保しましょう。おしゃれは大事!
そしてマタタビ。これは1枚しか持っていない場合は減点になりますが、2枚以上持っていれば自分の所持する満腹のネコちゃんの枚数によってプラス得点を獲得できるという、逆転要素になり得るカードです。
本作の勝者は最終的なポイントの合計で決まるので、ネコとエサをバランスよく集めつつ、これらの特殊カードの回収も積極的に狙っていくことが重要です。
さらに本作には、まだまだ特殊なカードが存在します。
まずは、霧吹きが描かれたネコよけのスプレーボトルカード。これを使うことで、先述のロックの位置を変更することができます。優先して取る必要のないタイプのカードではあるものの、プレイしていると意外とロックがかかっている列を取りたいという局面が訪れるので、1枚は持っておくと安心かもしれません。
そして、張り紙が描かれた迷いネコカード。これは、本作のキーと言ってもいいほどの超重要カードです。このカードを2枚集めると、場の9枚のカードとは別の場所に置かれた3枚の「ノラネコカード」から1枚をゲットできるのですが、このノラネコがとても強力!
どれか1種類のエサを4つまで与えられ、ひとつ与えるごとに3ポイントもらえる「ワッフル」や、ひとつ2点でどれだけでも際限なくエサを食べられる食いしん坊な白猫、その名も「牛」など、うまく扱えば大量のポイントをゲットできるネコばかり。ノラネコカードは場からなくなっても補充されないので、他のプレイヤーに取られるより先に張り紙を集めるのがゲーム序盤の戦い方となっていきます。
カードの種類が多いため、一見やや複雑に思えるかもしれませんが、やることは3枚のカードを取っていくだけと簡単で、また、チュートリアルも充実しているので、1度遊べばすぐにルールを覚えられます。また、プレイ人数にもよりますが、1ゲームおよそ3分~5分ほどでサクッと遊べるお手軽さも本作の魅力のひとつです。ついつい何度も遊びたくなる中毒性があるので、カードゲーム好きの人もネコ好きの人も、一度遊んでみてほしい作品です。ちなみに筆者はハマりすぎて、スマホでリリースされているアプリ版も購入しちゃいました。
最後に筆者の推しネコのカドルフェース卿をご紹介しましょう。毛並みがふわっふわの白猫で、好物はお上品にミルク2つというこのカドルフェース卿、名前にわざわざ「卿」という敬称が付いているということは、おそらくこの子、爵位を有してるんですよ! 尊い……。
3.この猫、クセ強すぎ!サイケデリックな高難易度“イライラ棒”アクション「PUSS!」
- 「PUSS!」(teamcoil)
- 2018年8月3日発売
- 価格:999円(2020年8月16日現在)
- (C) 2018 teamcoil
猫を表す英語としては「cat」が最もメジャーですが、「kitty(キティ)」「pussy cat(プッシーキャット)」などのスラング的な呼称も多数存在しています。
ご紹介する「PUSS!」は、そんな猫を表すスラングをタイトルに冠したゲームです。
本作、起動すると、なんとオープニングムービーが始まります。しかも実写です。インディーズゲームで実写オープニングムービーがあるものは、なかなかレアなのではないかと思うので、正直、筆者は不意打ちを食らい、かなり驚かされました。
ムービーの内容はというと、1匹の猫が、暗い部屋のソファの上で、ノイズの走るテレビ画面をじーっと見つめている映像です。この猫、めっちゃくちゃかわいいんですが、さてテレビ画面にはいったい何が映っているのかというと、謎の「HELP」の文字。……なんだか、とても不穏な雰囲気です。
猫が、その文字に吸い寄せられるようにテレビへと近づくと……突如ムービーは終わり、パソコンのデスクトップのような画面に変わります。
猫の顔のアイコンと、手のカーソル、そしてショートカットアイコンと思しきものが並んでおり、何をすればいいかわからずしばしとまどっていると、画面の下から額縁を持った天使が2人、飛んできました。なぜ天使なのかはわかりませんが、額縁の中を見るに、マウスを右へ動かせとのこと。手のアイコンで猫をクリックすると猫を操作可能になったので、そのまま右へ移動させ、ショートカットアイコンに触れます。すると猫の鳴き声とともに画面が暗転し、「入場 ワールド1」という文字が。どうやらここから、本格的にゲームがスタートする模様です。
ということでステージ1-1が始まったわけですが、ゲームの説明に入る前に、まずはこの画面をご覧ください。
どうですか、このクセの強さ!
静止画でしかお見せできないのが残念ですが、実際のゲーム画面では、背景の色や模様、そして猫たちが細かにアニメーションをしています。さらに、画像では少しわかりにくいかもしれませんが、よくよく見るとレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」らしき絵もあしらわれています。さらにさらに、これも静止画ではお伝えできませんが、流れているBGMも相当濃いです。
では、この「1-1」が特別に濃いステージなのかというと、そうではありません。ステージをクリアすると、次から次に新しいクセの強いステージが現れます。とにかくこのゲーム、クセの強さが止まりません。 本作のサイケデリックでぶっ飛んだ世界観は、合う人と合わない人がハッキリ分かれそうですが、筆者は完全にハマりました。
さて、肝心のゲームの内容はと言うと、若い人にはわからない表現かもしれないことを承知で言いますが、いわゆる「イライラ棒」です。つまり、猫のアイコンをマウスで操作し、壁や障害物に触れないようにゴールまで運ぶというのが本作のルール。シンプル操作で単純明快ながら難易度はかなり高く、壁が動いたりコースが変形したりといった多彩なギミックも用意されています。本作はライフ制となっており、ミスをする度にライフが減って、すべて失うとゲームオーバーとなってしまいます。
ただし、壁や障害物に触れたら即ミスというわけではありません。ミスになるまでの間、ノイズとともに画面が揺れ、若干の猶予時間が与えられます。その間に立て直せば大丈夫ですが、立て直すことができなければザザーッという砂嵐画面に変わり、1ミスとなります。このミスの演出がとても凝っていて、筆者は新鮮さと面白さを感じました。あと、ちょっと怖さも感じました。
本作のエキセントリックなところは、ステージだけではありません。ステージクリア後に毎回表示される、目にガツンと来るピンク色の背景で、ピンク色の猫がぐるぐる回転し続けるというリザルト画面も、一度見たら忘れられない強烈なインパクト。どこまでも手を抜かず、徹底してサイケデリックな作りとなっている点は、狂気とすら言えるような熱量を感じます。
ちなみに、リザルト画面では、ユーザーから募集したと思われるハイクオリティなファンアートも見ることができます。このとがりすぎた世界観に魅せられたユーザーが数多くいることを知り、なんだかちょっと仲間意識が芽生えてしまった筆者です。
個性の塊のようなぶっ飛んだ世界観と、次々に押し寄せる怒涛(どとう)のサイケデリック猫ビジュアル、そして少しのマウス操作ミスが命取りとなる超高難易度なゲーム性と、どこをとってもエクストリームな仕上がりになっている怪作「PUSS!」。少しでも琴線に触れるものがあった人は、ぜひ実際にお手にとって、この摩訶不思議な猫の世界に飛び込んでみてください。
ちなみに本作、ボス戦では趣向が変わり、とてつもない弾幕シューティングが繰り広げられます。これ、難易度が凄絶すぎて筆者はクリアできませんでした……。ボスのケルベロスを見事撃破してワールド1を突破できた方、どうぞ、百壁ネロまでご一報ください。
ネコが飼えないならゲームの中で戯れればいいじゃない!
というわけで、おすすめの3作をご紹介しました。
かわいいネコ、変なネコなど、さまざまな魅力あふれるネコが登場するゲームを、バラエティ豊かにそろえてみましたが、いかがだったでしょうか。こうしてゲームでネコを見ていると本物のネコを飼いたくなってしょうがない筆者ですが、あいにくペット禁止の家なので、今後もいろいろなゲームのネコとたっぷり戯れて、また皆さんにおすすめのネコゲームをご紹介していきたいと思います!
- 筆者:百壁ネロ
- ゲーム買い過ぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。
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