新型コロナウイルスの影響で、2020年3月の公演予定が延期になっていた舞台「ゾンビランドサガ Stage de ドーン!」の振替公演が決定!
9月5日・6日に振替公演が行われるということで、源さくら役・本西彩希帆さん、紺野純子役・北原侑奈さん、山田たえ役・森田亜沙美さんによる鼎談を掲載したい。
たえず元気でテンションが高い座長の本西さん、そして静かに熱い北原さん、冷静ながら独特の世界観を持つ森田さんのトークから、「ゾンビランドサガ」への愛、そして舞台に対する情熱を感じてほしい。
──今回、新型コロナウイルスの影響で公演が延期となり、半年遅れての公演となります。この半年はどのように過ごされていましたか?
本西 私は振り入れ動画をお風呂で見返したり、本読みの録音を聞いたり、ゾンステに触れている時間が多かったです!
北原 読書をしたり普段あまり見ないジャンルの作品を見たり、インプットする時間が多かったです。いただいたお仕事をしつつも、「舞台は再開しないかな……?」ってそわそわしてました。
森田 この半年の間は毎日の筋トレとボイトレに通っていました。正直、しばらくは何をしてもどこかで気持ちが沈んでいましたが、落ち込んでいても仕方ないと思い、すぐに前を向きました。きっとまた、いい風が吹く、諦めずにがんばろう。なので今は元気いっぱいです。
──振替公演が決定した時の気持ちはいかがでしたか?
本西 「よみがえった〜!!!」という気持ちで本当にうれしかったです! ここ最近で1番、自分がキラキラしてたと思います(笑)。
北原 やっと来たか!と(笑)。純粋に嬉しかったです。コロナめ~……!とは思いましたが(笑)、おのおのがパワーアップしてると思うので、私も負けないようにがんばります!
森田 え? 本当? え!?……ポカーンとしました。「よし、が、が、がんばるぞ!!!おー!!」と心の中でひとりで手をあげました。
3人ともアニメが大好き!
ーーというわけで、満を持して上演日程が発表された舞台「ゾンビランドサガ Stage de ドーン!」ですが、まずはTVアニメ「ゾンビランドサガ」の、好きなところからうかがってみたいと思います。
本西 アニメを拝見して、開始1分20秒くらいでヒロインがトラックに跳ねられるっていう……私が見てきた中でも、こんな衝撃的な“つかみ”のアニメはなかったので、おぉマジか!と思いました(笑)。そこからゾンビになった女の子たちが、佐賀のために、そして自分の気持ちのために徐々に熱くなっていく内容だったので、最初の驚きから感動にいくまでの過程に心を動かされました。
北原 私は舞台が決まってからというより、放送中に見ていたファンで、リアルタイムで追っていたんですけど「主人公が死ぬアニメ」って、転生モノとかでもよくあるじゃないですか。なので、そのまま(異世界で)生き返るのかな?と思ったら、まさかの10年後ゾンビになってよみがえり、しかもその子がアイドルになる。「なんじゃこれ!」ですよ(笑)。もうパニックだったんですけど、ギャグだけでなく、ちゃんとした物語があって、7人が最終的にみんなで前を向くのが感動的で、見れば見るほどのめり込んでしまう感じが好きでした。
森田 どこも面白いんですけど、一番そうなんだ!と思ったシーンが、7人がデス娘(仮)からグリーンフェイスになったときのライブ(第2話)で、たえちゃんの頭が飛んだんですよ。「ちょっと待てよ!」と(笑)。頭と体が離れているのに動くんだ!?っていうのが衝撃的で、動いてる!動いてる!って笑ってしまったんですね。
ーー確かに、ゾンビって普通、頭を切り離したら動かなくなるものですからね。
森田 それがとにかく衝撃的でした!
ーーでは、たえ役に決まったときは、私は頭が飛ぶ役をやるんだ!と。
森田 私、普段はモデルをさせていただいてるんですけど、私がアニメ好きなことを知っているヘアメイクさんから「『ゾンビランドサガ』って知ってる?」って話を振られたんです。その後にこのオーディションの話が来て、ちょっと運命を感じてしまったんです。で、オーディションを受けたら、マネージャーさんから「亜沙美、受かったよ!」と言われて、驚きと嬉しさでずっと泣いちゃったんです。しかもたえちゃんがやりたかったので、本当に嬉しくて! だから、ワクワクしながらこの稽古を待っていました。
ーーオーディションでは、たえだけを受けてたんですか?
森田 ゆうぎりとたえを受けていたと思います。どの役を当てられるかわからなかったんですけど、なぜかたえには自信があったんです(笑)。だから全力でやろう!と思いました。
ーーちなみに、お2人のオーディションはどうでした?
本西 私は源さくらちゃんで受けました。当日はゾンビっぽいワンピースを着て「絶対さくらちゃんをやるんだ!」という謎の自信に身を包んで挑みました!(笑)
北原 私、水野愛ちゃんだったんです。オーディションでは愛ちゃんの台詞しか読んでなかったんですけど、その後「紺野純子役で受かりました」と連絡が来て、「(純子の台詞を)読んでないんですけど私で合っていますか?」と聞いたら、「合っています」と。もともと愛と純子がいいなと思っていて、実は純子ちゃんがやりたかったので、本当にビックリでした。
もともとアニメのファンでキャラクターの特徴もわかっていたので、純子ちゃんは作り込むというより、自分と重なる部分を思い描きつつ演じていく感じでした。
ーー3人ともアニメが好きなんですね!
本西 そうなんです。だから稽古場で、今季のアニメ何見てる?って投げると、私これ見てるよって返ってくるんです。
(※とここで、2月当時稽古中にブームになっていた「鬼滅の刃」の話などを繰り広げる3人)
細かいところまで作りこんだ役作り
ーー北原さんの純子の話もありましたが、皆さんはどのように役作りしていきましたか?
本西 私は、アニメで描かれているところはなるべくアニメに忠実に。でも、アニメとは違って、ほかの人がメインのシーンでのさくらの動きというのも舞台では見えているので、そこでは自分らしさとか、キャラクターと近しいところを出していこうと思って、研究している段階です。
ーー確かに舞台って、誰かが話しているとき、相手はどうやって聞いてるんだろう、またそれ以外の人はどんな動きをしてるんだろうっていうところが気になるんですよね。ちなみにそれは、本西さんが2.5次元の舞台好きというのも影響しているのですか?
本西 そうですね。ファンの人の気持ちもわかる分、自分がステージに立たせていただくようになってから、アニメでは見られない舞台の端にいるときの動きを大事にしなきゃっていうのがあるので、そこを考えつつ、うまいバランスを探りながら作っていってます。
ーー先ほど少し話していただきましたが、北原さんはいかがですか?
北原 演じる時は私の素に近いんですが、行動とかでは純子ちゃんのクセ……立ち方とか座り方、ちょこんとこじんまりした感じを意識するようにしてます。手は絶対このへんにあるなとか。しゃべり方というより立ち居振る舞いを、アニメの絵を見ながら意識しています。
ーー舞台の演者の方は、そういう細かいところまで見ているんですね! 伝説の山田たえはどのように演じてますか?
森田 私も、アニメでたえちゃんがしている動きやポーズを入れられたらいいなと意識しながら動いているんですけど、そこに彩希帆ちゃんが言ったように自分らしさを入れられたらいいなと思ってます。でも、たえちゃん自体が、家にいる私に近いんですよ。
本西 どゆこと? くわしく、くわしく!!!
森田 アニメを見ていて、家にいる自分だなって思って。そこにシンパシーを感じたというか……。
ーー人に噛み付いたり、スルメに反応したり……。
森田 噛みつかないですけど(笑)、踊ったりジャンプしたり走ったりしてるんですよ。動いてないといられないのか。あと、急に吠えたり、テレビと話してたり。
本西 あははは(爆笑)。
森田 なんか、そういうわけのわからないことしてるときがあって、たまに自分じゃないような不思議なときがあるので、そういうところが繋がっているのかなーって思います。
ーー舞台については、演出家さんから「こういう舞台にしたいんだ!」っていうお話はありましたか?
本西 「とにかく面白く(笑える内容に)したい!」と言ってくださってて、「これをやるよ!」じゃなく「何かやりたいことある?」とこっちに投げてくれる方なんです。「これをやったら面白くないですか?」「これをやってみたいです!」という私たちの意見もすごく取り入れてくださるので、そういう部分ではありがたいし、やりやすいなぁと思いました。
ーーアドリブもけっこう入れられる?
北原 バンバン入ってますよね。
本西 もう、ここは日替わりでもいいくらいだから!って感じなんですよ。
北原 だから何個かストックしておいて。
森田 そうそう。
ーー何度見ても楽しめそうですね。でも、誰かが何をぶっこんでくるかわからないから、怖いですね(笑)。
本西 そうなんですよ! 対応力を育てるレッスンをやったよね?
北原 即興の稽古みたいな。だからかなり自由なんです。顔合わせのときも、アニメのプロデューサーの方が、「舞台版ならではのものになってくれたらいいと思います」と言ってくださったので、縛られずにわりと自由に、舞台版ならではの「ゾンビランドサガ」にしていく感じでした。
ーーちなみに、舞台で注目してほしいキャラクターというと?
本西 全員だよね?
北原 うん。今回はキャストがどこかしらキャラクターに近い部分があると思うんです。
本西 うんうん、近いかも!
北原 サキちゃんは、すごく明るくてみんなを引っ張ってくれるし。
本西 星川リリィちゃんも、もうリリィちゃんだし。なんといっても本物ですから(※高梨莉[タカナシリリ]さんは、アニメのリリィのモーションキャプチャーを担当していた)。莉ちゃんはダンスでは私たちの先生で、歌をやってるときも、足でリズム取ってくれてるから、こっちがリズムを取れない分、助かるんです。だから音楽面は全部お任せしてます。「さくらちゃんの立ち位置どこですか?」って聞くと、すぐ教えてくれるので、ありがたいです(笑)。
ーー聞いてると、現場の雰囲気がすごくよさそうですね。
本西 すごく仲がいいんです。仲、いいよね?
森田 (静かに)うん。
北原 (静かに)けっこうしゃべってるもんね。
本西 あれ? (声を大きく)仲、いいよね!?
北原 圧がすごい!(笑)
森田 仲、いいよいいよ(笑)。
本西 なんか今、微妙な空気が流れてませんでした?
森田 みんなマイペースなだけで、仲はいい!(笑)
本西 そう! 確かに、みんなマイペース。
ダンス、ライブシーンは舞台ならではの演出で
ーーダンスについては、慣れている方ばかりなんですか?
森田 私はダンスをやってきたことがなかったので、「みんな上手でヤバいな!」っていう焦りもあって、遅れを取りながらも踊っている感じでした。でも、振付師のJUNJUN先生の教え方がすごく上手で、踊ったことがない私でも踊れるようになってきたんです。「踊れるんだ、私!」って感動してしまって、今さらなんですけど、ダンスの楽しさに目覚めました。だから楽しいです。
本西 私は、ダンスについては一生懸命がんばります!といった感じです。立ち位置がほとんどポジション0(センター)なので、一度だけ鏡がない状態でやったときは、真ん中の前ってこんなにも不安なんだ!と思いました。でも、私は自信満々に踊るしかないから、詰めていかなきゃと思いました。
北原 私は、歌うことも踊ることも好きなので、苦に思ったことはまったくなくて、むしろ楽しいです!
ーーちなみに、「ゾンビランドサガ」ではどの曲が好きなんですか?
北原 上手下手は置いておいてなんですけど、愛ちゃんと純子ちゃんが真ん中を張ってる「アツクナレ」が一番好きです。カッコいいです!
本西 私は「FLAGをはためかせろ」が好きです。みんなで盛り上がれるし、明るくなれるから。「特攻DANCE」も大好きです。
北原 「特攻DANCE」いいねっ!!
本西 サキちゃん真ん中でドーンって感じだし。
森田 私は「ヨミガエレ」のダンスが一体感が感じられて好きです。あとは「To my Dearest」がすごく好きで、リリィちゃんの第8話は毎回泣いちゃって、涙が止まらないんですよ。EDでお父さんと餃子を作ってるシーンがあるんですけど、そこで「ぎょう、ざ……」ってなっちゃうんです。リリィちゃんが肩に乗ってるところもダメですね。今も思い出しただけで、グッと来てます。
本西 舞台ではラップとかもやるんですけど、そこはアニメとは違うところもあるので、楽しみにしていてほしいです。
ーーそういう舞台だけの要素もかなりあるんですね。
北原 結構あります。
本西 アニメでは描かれてなかったオリジナルのストーリーがあったりするし、アニメ内では、ライブシーンを曲の1番までやっていないんですけど、2番までするので、そういうところは舞台ならではかなと思います。
森田 ダンスが多いおかげで、今、かつてないくらいの筋肉痛に襲われてるんですよ(笑)。これまで筋肉痛になったことがないようなところが痛くて、何だこれは!って。だから、生きてる感じがするんですよ、筋肉痛って!
本西 あははは。よかった!
森田 あ、私生きてる! 生きてるんだ!!っていう。
ーー「もう死んでますけどね」って純子なら言いそうですけど(笑)。
森田 あはは(笑)。あと舞台ならではだと、たえちゃんのダンスパートってアニメ内でしか見られないんですけど、2番以降のダンスはアニメでも披露していなくて、そこの振りが見られるのは初めてになるので、それはもう、楽しみにしてください!
本西 たまに視界に入る山田たえが、かわいくてかわいくて仕方ないんですよ。変なところを向いてたりするので。
森田 私、アニメで一番笑ったところがあって、たえちゃんが椅子に座ってるんだけど、背にもたれかかってどこか見てるんですよ。そのあと、今度は腕を背もたれにかけて、窓の外でも見てるのかな?ってポーズになって、今度、幸太郎さんが牢屋から出て行くところでは、地面に死体のように寝転がっていて。「やばい! なんかひとりで演劇が始まってる!」と思えて、すごく面白かったです(3話アバン)。そこが笑い止まらなかったです。
ーーそんな雰囲気も再現されてそうですね。でも、ここまでアニメを細かく研究している方が演劇をやっていると思うと心強いです。逆に、好きだからこそ、すごくプレッシャーもあるんだろうなと思いますが。
北原 すっごくあります。私、歌練習のときに、「歌えません!」って泣いちゃったんです。純子ちゃんは好きなんですけど、歌がすごくうまいという設定なので、そこに自分の技術が追いついてないとか、人気の役だし、大丈夫かな?という不安もあって……。自分の今までの歌い方とは違う歌い方にもチャレンジしてるんですけど、あまりうまくいかなくて、ヤバい!となってしまったんです。そういうプレッシャーはありましたけど、ほかのフランシュシュのメンバーが支えてくれたので、なんとかなりました。だからちょっと吹っ切れた感じです。
本西 全然!こちらこそですよ。
ーーアニメの音楽を担当した、SCOOP MUSICの佐藤宏次さんも指導に来たそうですね。
北原 はい。歌い方の指導をしていただいて、GOサイン、これで行こう!というのが、無事に出ました。
本西 よかったよね!! でも、あまり表では言わないけど、みんなそれぞれプレッシャーはあるよね! だから本当に支え合いだよ。
森田 私もダンスで泣いたし(笑)。
北原 この2人は泣いた組です(笑)。
ーーでは、最後に舞台を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
森田 初めて見る方にも楽しんでもらえると思うので、ぜひ胸踊らせて、会場に来てください! 待っています!
北原 原作が、すごく人気のアニメなので、そのぶっ飛んだ世界観を舞台版でもどう壊さないようにできるか。さらにオリジナルの要素も重ねて、舞台版ならではの「ゾンビランドサガ」が作れればいいなと思ってます。稽古の段階で、演者も爆笑の嵐です。でもたまにうるっとした話もあるので、楽しみにしていてください。
本西 たくさんの方に愛されている作品なので、舞台でも同じように、いろんな方から愛していただけるよう、私たちも愛を持って作品を作っていきたいです。本当にやっている演者それぞれがすごく個性的だし、キャラクターもすごく個性的なので、何度でも観に来たい!と思ってもらえるような作品になるようがんばるので、ぜひぜひ何度でも劇場に足を運んでいただけると嬉しいです!
(取材・写真/塚越淳一)
【舞台情報】
■舞台「ゾンビランドサガ Stage de ドーン!」
・原作:「ゾンビランドサガ」
・演出/脚本:村井雄(KPR/開幕ペナントレース)
・音楽:高梨康治・Funta7
・主催:エイベックス・ピクチャーズ株式会社
・出演者:
【源さくら】本西彩希帆
【二階堂サキ】鈴木友梨耶
【水野愛】松岡里英
【紺野純子】北原侑奈
【ゆうぎり】坂本澪香
【星川リリィ】高梨莉
【山田たえ】森田亜沙美
※出演者は変更になる可能性がございます。
・日程:2020年9月5日(土)・9月6日(日)全4公演 ※公演は変更の可能性があります。
・劇場:草月ホール(東京都港区赤坂7-2-21)
・チケット:【会場でドーン!公演】 一般席 特典付き:6,800円(税込/全席指定)
・来場者特典:舞台限定「描きおろしアニメ版ポスター」(B2サイズ)
・オフィシャルHP先行申込期間:7月17日(金)18:00 ~ 7月26日(日)23:59
・受付URL:#
本公演は、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が作成した「新型コロナウイルス 感染症対策の状況分析・提言」を踏まえ、感染者が発生しないように努めると共に、万が一感染者が発生した際の速やかな追跡が行える体制を構築のうえ、実施致します。
■おうちでドーン!公演
<おうちでドーン!公演チケット> 2,800円(税込)
特典:舞台限定描きおろし集合アニメ原画PC用壁紙
<おうちでドーン!公演チケット+アフターイベント> 3,400円(税込)
特典:舞台限定描きおろしキャラ別アニメ原画PC用壁紙
※各公演ごとに特典のキャラクターが異なります。(全4種)
9月5日(土)14:00公演:源 さくら、二階堂 サキ、9月5日(土)19:00公演:水野 愛、紺野 純子、9月6日(日)11:30公演:ゆうぎり、星川 リリィ、9月6日(日)15:30公演:山田 たえ
・配信サイト:テレビ東京「あにてれ」(https://ch.ani.tv/)
・申込期間:7月17日(金)18:00~
※配信チケットの販売終了日時は「あにてれ」の特設ページをご確認ください
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