「DJ」をテーマにしたメディアミックスプロジェクト「D4DJ」のキャラクターが出演する“音声のみ”の無料配信ライブ「D4DJ Sound Only Live」と、その事前配信番組が2020年6月20日~21日、YouTube「D4DJチャンネル」にて配信された。今回は21日に配信されたDay2をレポートする。
⇒“音”だけでライブとフロアの呼吸を届ける新しい試み。新ユニットLyrical Lilyも出演した「D4DJ Sound Only Live」Day1レポート
番組内では、先行プレイ版アプリが配信されている「D4DJ Groovy Mix」に関するさまざまな発表が行なわれた。まずは前日のDay1で初めてライブに登場した新ユニット「Lyrical Lily(リリカルリリィ)」のオリジナル楽曲「汚れっちまった悲しみの色」と、先行プレイ版限定ストーリーがこの夏「D4DJ Groovy Mix D4U Edition」に追加され、6ユニットの限定ストーリーが出そろうことが明かされた。
さらにゲームBGM曲として「ロックマン2 メドレー1」、「ストリートファイターⅡ メドレー1」を先行プレイ版アプリ「D4DJ Groovy Mix D4U Edition」に追加するほか、スーパーマーケットなどでおなじみの「呼び込み君」のDJアレンジVer.が「D4DJ Groovy Mix」に実装されるとのことだ。また、山手響子(CV:愛美さん)と愛本りんく(CV:西尾夕香さん)が「呼び込み君のテーマ」をアカペラで歌った「呼び込み君D4DJコラボモデル」を抽選プレゼントするという発表も行なわれた。プレゼント応募方法は後日公開予定なので、「D4DJ Groovy Mix」公式サイトやTwitterアカウントをチェックしよう。
#D4DJサウンドオンリーライブDay2直前!Lyrical Lilyミーティング
サウンドライブDay2直前の6月21日17:00からは、「#D4DJサウンドオンリーライブDay2直前!Lyrical Lilyミーティング」が配信され、DJユニット「Lyrical Lily」より桜田美夢役の反田葉月さん、春日春奈役の進藤あまねさん、白鳥胡桃役の深川瑠華さん、竹下みいこ役の渡瀬結月さんが出演。DJユニット「Happy Around!(ハッピーアラウンド!)」より愛本りんく役の西尾夕香さんと、「Merm4id(マーメイド)」より松山ダリア役の根岸 愛さんの2人がダブルMCとして番組に参加した。
「Lyrical Lily」はD4DJ第6のDJユニットであり、春日春奈役の進藤あまねさん以外の3人は一般公募オーディションで選ばれたまっさらな新人だ。4月26日に配信された「#D4DJ_StayHome Day.1」内で3人の名前と、ユニットを担当する音楽プロデューサーが「D4DJ」「BanG Dream!」のストーリー原案担当である小説家・中村 航さんであることが発表されたのは記憶に新しい。前日のD4DJサウンドオンリーライブDay1では、ライブの大トリ前にLyrical Lilyの4人が登場してオリジナル曲「汚れっちまった悲しみの色」を初披露したばかり。このタイミングで声優陣が初配信を行なうのだから、注目度は高い。
4人での番組はほぼ初めてということで自己紹介も初々しいが、初めての割にはしっかりと話せている印象だ。「Lyrical Lily=リリリリ」の紹介コーナーでは、反田さんがリリリリの楽曲について、お父さんお母さん世代が懐かしいと思うようなテイストが特徴と説明。それぞれのキャラクターと自分が似ているポイントについては「がんばって結果を出すことが好き(反田さん)」「結構学校では振り回されるタイプなところ。最近風紀委員になりました(進藤さん)」「人にいたずらするのが好き(深川さん)」と回答。渡瀬さんは逆に違うところとして、「(自分は)おばけやホラーが大嫌いで、みいこちゃんとは反対(渡瀬さん)」と語っていた。
4人のパーソナリティを掘り下げる10の質問のコーナーでは、反田さんが不動産の物件情報を見てまわるのが好きなことや、進藤さんがDJの練習をしていたら実はスクラッチが大の得意だと判明したこと、深川さんが生のまま食べられるほどレモンが好きなこと、渡瀬さんは写真撮影が趣味で、たくさん食べるのが得意なことなどが明かされた。進藤さんが年下の深川さんの「ゲームと読書が好き、勉強は苦手」といった回答を見て「仲良くなれそう!」と喜んでいたのが印象的だった。
「D4DJ Groovy Mix」対戦コーナーではリリリリの4人は音楽とゲームを楽しんでいる様子。西尾さんと根岸さんはハイレベルなプレイを見せながらも細かいミスを悔しがっていて、先輩のすごさを感じさせた。
「D4DJ Sound Only Live」Day2
続いて18時からは「D4DJ Sound Only Live Day2」がスタート。前日に続き、愛本りんくによる開演前アナウンスからのトップバッターは燐舞曲(ロンド)だ。印象的な「燐舞曲、始めます」の声がなかったのは、Day2のライブは前日とあわせてひとつながりのライブということだろうか。「瞬動-movement-」の重厚なイントロとエフェクトを効かせたボーカルで一気に世界に引きずりこむ。青柳 椿はここで「初めまして、燐舞曲です」と挨拶すると、Day1のステージで約束した新曲へ。オリジナル曲の名は「ニルヴァナ」。重低音にピアノと華やかな弦がからんでいく立体的でソリッドな音作りの中で、オリエンタルで哲学的な詞がなめらかに流れていく感覚が心地よい。
「東京テディベア」という燐舞曲の魅力と個性をストレートに伝えるカバー曲を経て、流れるようなつなぎから「カレンデュラ」、そして「Horizontal Oath」とオリジナル楽曲を叩きこむ構成には、燐舞曲の存在を刻み込む意志を感じる。青柳の決して器用ではないまっすぐな感謝の言葉と、また必ず会えることを約束する誓いが胸に染みた。
出雲咲姫の「あなたにメロディを届けるために」の言葉とともに、Photon Maiden(フォトンメイデン)は「READY STEADY GO」「ブルー・フィールド」からライブをスタート。ゆったりたゆたうリズムの中から4人の色とりどりの魅力が浮かび上がっては溶けていく。カバー曲を自分たちの作品として昇華させる姿勢は、そのままオリジナル曲の「“What” are you?」に流れこんでも軸が全くぶれないことからも感じられた。
出雲が卓越したDJテクニックを存分に聴かせると「シドニア」へ。全員がメインを取れるボーカリストであり、それぞれが楽曲に寄り添い変化する柔軟性がある。音楽に色を見いだす出雲とともにこの3人がいる意味と強みを感じる楽曲だ。ラストは新曲「Discover Universe」。力強さと透明感をあわせもったEDMで、4人の歌声の色と力を信じる音作りは一貫しているように聴こえた。Photon Maidenがこの楽曲でどんなダンスを見せるのかが実に楽しみだ。
Merm4idは「CAT’S EYE」「Gamble Rumble」「real Emotion」のカバー曲からスタート。ビジュアルと身体性が強みの彼女たちにとってサウンドオンリーライブは難しいフィールドにも思えたが、「Gamble Rumble」のサウンドと空気感は聴き手の身体の奥にあるライブの記憶を強く揺さぶる。「real Emotion」は昨日初披露のカバー曲だが、Merm4idの歌声とエモーショナルな聴かせる楽曲との相性のよさを発見させてくれた。
後半はオリジナル楽曲オンリーで「ING」から。各国の言葉で甘やかに愛をささやく大人の表現はMerm4idならではだ。「4U」の癒しのこもった心地よさ、そして文字通りのキラーナンバー「Floor Killer」。「4U」曲中のスクラッチのカオス感が強く印象に残った。聴覚だけを通して体感するライブだからこそ、音とボーカル単体でも通用するMerm4idの強度を再確認できた。
Peaky P-key(ピーキーピーキー)は5ユニットの中では唯一、昨日と順番を入れ替えた同じ曲目のセトリで勝負。これが今のPeaky P-keyの最適解という自信が感じられる。山手響子の「それじゃあはじめよっか。私たち、Peaky P-keyのステージを!」の高らかな宣言と共に「アンチクロックワイズ」でスタート。曲目は同じと書いたが、1曲目に置く楽曲で切り込み方が変わると随分印象が変わるのが面白い。
ここからは「Let’s do the ‘Big-Bang!’」「Gonna be right」「最頂点Peaky&Peaky!!」「電乱★カウントダウン」と続く最強のオリジナル曲の時間だ。山手のボーカルが絶対的に強いからこそ、このメンバーをこんなにぜいたくにコーラスや合いの手に使っていいのか?と思うほど分厚い構成が可能になる。そしてだからこそ、「Gonna be right」の犬寄しのぶのクールなあおりや、「最頂点Peaky&Peaky!!」で各人にたっぷりと割り振られたソロパートといった、ここぞの見せ場が光って聴こえた。
愛本と山手のかけ合いMCからいよいよHappy Around!のターンに。「Direct Drive!」は愛本の希望に満ちたキラキラのボーカルと渡月 麗のクールで切れ味のいい低音との落差が気持ちいい。ラップを取っても渡月と明石ではアプローチが違うのが面白い。「D4D!J!」のコールとともに数千人の観衆とハピアラの4人がたしかにリンクしているように感じられた。
「DAYS」は渡月の低音から入る構成が新鮮だが、渡月や大鳴門むにが前に出るとユニットカラーがガラッと変わって見えるのはHappy Around!の強みだろう。「ムーンライト伝説」はアレンジの斬新さはもちろん、この曲に4人の個性とカラーを詰めこんできたのが新鮮だった。初公開のカバー曲「DIVE TO WORLD」は爽快で明るく伸びやかな曲調が4人の歌声の新しい魅力を引き出していた。
ここで昨日に続き、ステージにはLyrical Lilyのメンバーが登場。Day2では少しの緊張をはらんだ4人のかけ合いのMCを聞くことができた。ふわりとしたやわらかい空気感の4人が「汚れっちまった悲しみの色」という曲名を口にするギャップがそれだけで面白い。誰もが2度目に聴く「汚れっちまった悲しみの色」は曲調とノリは懐かしいぐらいにクラシカルだが、転調後ふわーっと世界が広がる感じが気持ちいい。「Yes!」「り!」というコールが飛び交う空間は古いのか新しいのかわからない、Lyrical Lilyならではの空間だった。今は澄んだ純粋しか感じさせない4人が、この曲とともにどのように成長していくのかが楽しみだ。
再びの登場、そしてライブを締めくくるのはもちろんHappy Around!だ。ライブでの「Happy Music♪」は2度目だが、時にワルツっぽく、時に浮遊感がある感じに、詰めこまれた要素の多さに聴くたびに印象が変わるような不思議な楽曲だ。ラストナンバーは「D4DJ」を象徴する楽曲「Dig Delight!」。ライブが楽しくて幸せで仕方ない!という様子にこちらまで楽しくなって笑顔になってしまう感覚が、愛本りんくという存在のスペシャルさなのかもしれない。自宅の音響で聴くサウンドライブという初めての体験は、「Dig Delight!」という聴きなれた楽曲の中で複数のラインのどれだけ複雑な要素が詰め込まれているかを改めて知る機会にもなった。
締めは愛本のナレーション。MCでもハッピーと感謝をふりまいていた愛本は「みんな、また絶対に楽しいライブをしようね!」と明るく約束して「D4DJ Sound Only Live」を締めくくったのだった。
(取材・文/中里キリ)
【「D4DJ Sound Only Live」Day2セットリスト】
<燐舞曲>
1.瞬動-movement-/オリジナル
2.ニルヴァナ/オリジナル・新曲
3.東京テディベア/カバー
4.カレンデュラ/オリジナル
5.Horizontal Oath/オリジナル
<Photon Maiden>
6.READY STEADY GO/カバー
7.ブルー・フィールド/カバー
8.“What” are you? /オリジナル
9.シドニア/カバー
10.Discover Universe/オリジナル・新曲
<Merm4id>
11.CAT’S EYE/カバー
12.Gamble Rumble/カバー
13.real Emotion/カバー
14.ING/オリジナル
15.4U/オリジナル
16.Floor Killer/オリジナル
<Peaky P-key>
17.アンチクロックワイズ/カバー
18.Let’s do the ‘Big-Bang!’ /オリジナル
19.Gonna be right/オリジナル
20.最頂点Peaky&Peaky!! /オリジナル
21.電乱★カウントダウン/オリジナル
<Happy Around!>
22.Direct Drive! /オリジナル
23.DAYS/カバー
24.ムーンライト伝説/カバー
25.DIVE TO WORLD/新規カバー
<Lyrical Lily>
26.汚れっちまった悲しみの色/オリジナル
<Happy Around!>
27.Happy Music♪/オリジナル
28.Dig Delight! /オリジナル