【ゲームレビュー】『ドラゴンクエストモンスターズ3』5つの魅力! デスピサロが紡ぐ新たな『DQIV』の物語から目が離せない!

『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』(以下、『DQモンスターズ3』)が発売されてはや3週間。すでに多くの方が本作を楽しんでいることと思うが、まだ未体験という方もいるだろう。今回は、そんな方に向けて『DQモンスターズ3』の魅力をお伝えしたい。

『DQモンスターズ3』は、国民的RPG「ドラゴンクエスト」のモンスターを収集・育成しながら攻略していくRPGだ。プレイヤーはモンスターマスターとなり、本人が戦うのではなく仲間にしたモンスターに命令を出す形で戦闘を行う。

これまで「DQモンスターズ」シリーズは移植作品などが多数制作されてきたが、「モンスターズ」としては『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵』以来、実に22年ぶりの登場。しかも、今回は『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(DQIV)の敵役ピサロを主人公に据え、『DQIV』のもうひとつの可能性を描くアナザーストーリーとなっている。

久々の「モンスターズ」シリーズ新作であり、名作『DQIV』の新たな物語が描かれるということで、気になっていながらも本作を未体験という方もいるかもしれない。

今回は、そんな方に向けて。そして、この年末年始にがっつりRPGを楽しみたいという、ゲームファンの皆さんに向けて『DQモンスターズ3』の魅力をお伝えしよう!

・攻略記事はこちら!

【前編】『ドラゴンクエストモンスターズ3』で役に立つ攻略5選! 天候や季節によって変化する要素や要注意の敵などについて紹介

【後編】『ドラゴンクエストモンスターズ3』で役に立つ攻略情報・4選! モンスターたちを効率よくスカウトする方法やバトルで優位に立つためのコツも

 

魅力その1 「ドラクエ」のモンスターを集めてコレクションできる!

 

「DQモンスターズ」シリーズの醍醐味といえば、やはり「ドラクエ」シリーズのモンスターがタイトルの垣根を超えて登場し、それを収集できる点にある。

本作もさまざまな作品からモンスターが登場しているほか、ゲームオリジナルのモンスターも登場する。

登場モンスターの総数は、500種族以上。ナンバリングタイトル最新作『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』のモンスターも登場するのはうれしいところだ。

デザイナーはもちろん漫画家・鳥山明氏。鳥山氏による、どこかコミカルで親しみのあるモンスターは「ドラクエ」の顔である。

 

 

特に今回は、モンスターが生息する異世界である魔界を行き来するストーリーとなっており、各魔界は非常に個性的なビジュアル・設定となっている。灼熱の世界、砂漠の世界といったいかにもRPGの舞台になりそうなものから、スチームパンクな世界、そしてお菓子の世界といった一風変わったものまで多種多様。各魔界には、既存の「ドラクエ」シリーズのモンスターだけでなく、その魔界の設定にちなんだオリジナルモンスターも登場する。

 

 

そんなモンスターたちと戦闘をしたり、育成を行うことで仲間としてパーティーに迎え入れることができるようになる。魅力的なモンスターを集めて、自分だけのパーティーを作れるのだから楽しくないわけがない! また、戦ったモンスターは随時リストに記録されていく。これもまた、コレクター気質のあるプレイヤーにはたまらない要素だろう。

 

 

モンスターを収集する手段は複数あり、戦闘終了後に起き上がって仲間入りを希望してくるパターンのほか、戦闘中に「スカウトアタック」で目当てのモンスターをスカウトするパターンがある。今作では、肉などのアイテムを与えないと戦闘終了後に仲間入りを希望する確率がそこまで高くならない感じなので、ぜひ積極的にスカウトアタックを狙っていくべし。

 

 

また、フィールド上に落ちているタマゴをふ化させて誕生したモンスターを仲間にするパターン、旅先で出会ったほかのモンスターマスターのモンスターと自分のモンスターをお見合いさせて、新たなモンスターを誕生させるパターンなどもある。このパターンで登場するモンスターは、レアな傾向にあるので、世界を隅々まで探索してより強力なモンスターをゲットしていこう。

 

 

魅力その2 感覚的に育成・バトルできるお手軽さ

 

育成系RPGというと細かいシステムを覚える必要があるんじゃないか、とか、配合の組み合わせが複雑でとっつきにくそう……と思う方も多いかもしれない(筆者がまずそうだった)。

しかし、本作はそんな不安を払しょくするようなわかりやすさが魅力だ。

 

 

まず戦闘システムだが、基本的にモンスターに戦闘指示を出せば、その時に最適な行動をオートで取ってくれるので、非常に楽ちんである。そのいっぽうで、強力なボスキャラとの戦闘などでじっくりと行動を選びたい、もしくはスカウトアタックで特定のモンスターに対してアクションを起こしたり、特定の呪文を使用したい、といった時は命令でモンスターの行動を指定することもできる。

感覚的には、従来の「ドラクエ」シリーズのようにパーティメンバーのコマンドを指定するのと一緒なので、「ドラクエ」シリーズをこれまで遊んだことのある人ならすぐに慣れるはずだ。

 

  

また、仲間にしたモンスターたちは、育成・配合することでさらに強化することができる。

育成の基本は戦闘によるレベルアップだ。パーティーに組み込み、戦闘を繰り返すことで経験値がたまっていき、やがてレベルアップし徐々に強くなっていくのは「ドラクエ」シリーズ恒例。

 

 

そして、モンスターのレベルが10を超えると配合することが可能となる。異なるモンスター同士をかけあわせて、新たなモンスターを生み出す配合システムだが、本作ではより感覚的に配合できる。

たとえばスライム系統のモンスターと魔法使い系統のモンスターを配合させると、魔法能力に特化したスライムが生まれる……といった具合に、プレイヤーのイメージがそのまま配合パターンに反映される事例が多いのである。眉間にしわを寄せて配合パターンを考える楽しみもあるが、今回はよりカジュアルにモンスターをかけ合わせる楽しさを体験できる方向に寄せているのである。

 

  

そのいっぽうで、意外な配合で強力なモンスターが生まれることもあるので、やりこみ要素も損なわれていないのはポイントである。

 

魅力その3 モンスターをカスタマイズできる奥深いスキルシステム

 

レベルアップ時に獲得したスキルポイントを振り分けることで、新たな特技をモンスターに覚えさせたり、能力をアップさせることができる。

 

 

さらに配合で生み出されたモンスターは、親から引き継いだスキルと子ども特有のスキルの中から最大3つまでスキルを持つことが可能だ。そのためモンスターは配合させ、どんどんスキルを引き継がせていくことでより強化していくというのが、本作の王道プレイスタイルとなる。

 

 

能力アップ系スキルを軸にして肉弾戦に特化させるもよし、物理系特技に特化させてバトルの切り込み隊長を作成するもよし、回復呪文や補助呪文を覚えさせてサポート要員を作るもよし。はたまた呪文も物理攻撃もこなすオールラウンダーを生み出すもよし。

自分だけのモンスターを作り上げて、オリジナルパーティーを作り上げていこう。

 

こうして完成した自分のパーティーを使って、オンラインに接続しているほかのプレイヤーと対戦することも可能だ。自慢のパーティーが、世界でどの程度通用するのか。腕試しをしてみるのも楽しい。 

 

魅力その4 魔族の側から見る『DQIV』のストーリー

 

ここまでシステム周りの魅力について語ってきたが、やはりRPGはストーリーが重要だ。

そういう意味では、本作は『DQIV』の「もうひとつの可能性」を描いたIFストーリーが描かれるという時点で、非常に魅力的だ。

 

 

主人公は、『DQIV』の敵役として勇者一行と対峙した魔族の王子・ピサロである。彼の出生に関するエピソードや、父親、兄弟との確執、ロザリーとの出会いといった『DQIV』では描かれなかったエピソードが多数登場する。

 

 

ゲームオリジナルキャラクターも少なくなく、ピサロが、どのようにして人間を滅ぼすことを決意するようになったのか。いかにして魔界を統べる存在になっていったのかが、彼らとのドラマを通じて描かれる。

 

 

いっぽうで、勇者の故郷に関するエピソードや武術大会、ピサロナイトとの出会いといった『DQIV』における重要なエピソードの真相、魔族サイドから見たドラマが随所に盛り込まれている。

 

なぜ『DQIV』第2章の武術大会でピサロは姿を現さなかったのか。なぜ第5章で勇者の故郷を襲撃したピサロの口調が、ちょっとおかしかったのか。など、これまで謎だった部分もきちんと理由を付けて回収してくるあたりは、古参ドラクエファンである筆者も「なるほど」と感心してしまった。

 

もちろん本作で描かれるエピソードが『DQIV』で描かれなかったエピソードの答え合わせということではない。しかし。先述したとおり本作は「もうひとつの可能性」を描いたIFストーリーが描かれるゲームである。「こういうドラマももしかしたらありえたのかもね」という心構えで遊ぶと、これはこれでまた楽しいものである。

 

魅力その5 すぎやまこういち氏の音楽はやっぱりいい!

 

最後にこれは絶対に触れておきたいポイントである。

本作は『DQIV』がベースになっているということもあり、『DQIV』の音楽が多数使用されている。

筆者が『DQIV』を最初に遊んだのは1990年発売のファミコン版だが、本作を遊んでいると、音楽とともに当時のワクワク感や思い出が次々とよみがえってくるようだ。

と同時に、すぎやまこういち氏が遺した音楽の素晴らしさを再確認するばかりである。

 

 

ここまであげた要素のほかにも、『DQモンスターズ3』の魅力はあるよ!という方ももちろんいるだろう。逆に、「もうちょっとここはどうにかならなかったのか」みたいな意見がある方もいるだろう(実際にそういう要素もないわけではない)。

とはいえ、全体的に見て本作は老若男女問わず楽しめる王道RPGとしておススメできる1本だと言える。ストーリーもピサロの復讐劇という点で、なかなかにヘビーで見ごたえのあるものとなっているし、モンスター収集・育成ゲームとしても、ストーリーそっちのけで没頭するくらいの沼ゲーとなっている。

この年末年始に、思い切りやりこんでみてはいかがだろうか?

  

【タイトル情報】

■『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』

発売日:2023年12月1日

対応機種:Nintendo Switch

価格:

通常版[パッケージ版/ダウンロード版]7,678円(税込)

マスターズ版[パッケージ版/ダウンロード版]11,198円(税込)

超マスターズ版[パッケージ版のみ]14,003円(税込)

※「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」超マスターズ版は日本国内のみ、スクウェア・エニックス e-STORE、ローソン@Loppi・HMVでの数量限定販売

※「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」超マスターズ版に同梱されるゲーム本編はパッケージ版となる

ジャンル:RPG

プレイ人数:1人

※通信機能あり

※セーブできるデータはひとつ

※多人数でプレイする場合は人数分のソフトが必要

CERO:B

 

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