アニメライターが選ぶ、2019年秋アニメ注目の5作品を紹介!【アニメコラム】

2019年秋アニメはアキバ総研調べで55本以上。その中から注目タイトルをご紹介します。艦船擬人化ゲームが原作の「アズールレーン」、「クレヨンしんちゃん」のシロがヒーローになった「SUPER SHIRO (スーパーシロ)」、「週刊少年チャンピオン」連載の人気作「魔入りました!入間くん」、「小説家になろう」発の異世界小説「私、能力は平均値でって言ったよね!」、ゲームと連動したオリジナル企画「ぬるぺた」の5本をピックアップしました。

アズールレーン

Yostarが手がける人気ゲームアプリがついにアニメ化。異世界から現れた異形の存在・セイレーンに立ち向かうため結成された大連合アズールレーン。一度は敵を退けたものの、理念の違いから一部組織が離脱し、事態は一触即発の状況に陥っていた……。
制作は2017年設立のバイブリーアニメーションスタジオ。今年公開の「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION」では多彩な銃器を扱う少女たちのアクションを華麗に描いたが、本作では艦船を擬人化したキャラクターが多数登場する。それぞれ異なる能力を持つ艦船たちや、青空がどこまでも広がる海上でのバトルをどのように見せるのだろうか。激しいバトルに期待がふくらむ。

SUPER SHIRO

「クレヨンしんちゃん」でおなじみの愛犬シロがスーパーヒーローに変身! 巨大なパワーを持つ謎の骨・ボボボボボーンをめぐって、世界征服を企む発明犬・デカプーと争奪戦を繰り広げる冒険活劇だ。いつもの青い首輪ではなく赤いマントを翻し、お腹に大きな「S」の文字が記されたシロの姿が実に愛らしい。
総監督は「ぶりぶりざえもんの冒険」や「SHIN-MEN」など、「クレしん」で数々の名作を手がけてきた湯浅政明。キャストはシロを25年以上演じ続けてきた真柴摩利が担当。「ヒーロー語り」という聞き慣れない役名の大塚明夫は、ヒーローになったシロの心の声を演じる。PVではセリフを披露しており、劇場版「嵐を呼ぶジャングル」の敵役パラダイスキングを彷彿とさせる軽妙な語り口が癖になる。

魔入りました!入間くん

「週刊少年チャンピオン」にて連載中の学園ファンタジーがNHK Eテレでアニメ化。お人好し過ぎて悪魔に売られてしまった主人公・鈴木入間が、正体を隠しながら魔界の学校に通う日々をコミカルに描く。平和主義者の入間は危機回避能力がすぐれており、持ち前のやさしさでピンチを次々と切り抜けていく。
監督は森脇真琴、シリーズ構成は筆安一幸。「探偵オペラ ミルキィホームズ」や「ジュエルペット きら☆デコッ!」などを手がけたコンビが再びタッグを組んだ。カオスなギャグアニメを数々手がけてきたスタッフが見せる、公共放送での暴れっぷりに要注目!

私、能力は平均値でって言ったよね!

優等生ゆえに孤独な日々を送っていた少女が、平均的な能力を得ることを条件に生まれ変わり、新天地でごく普通の幸せを追い求める異世界ファンタジー。3人の仲間と出会って、ハンターパーティ・赤き誓いを結成したものの、彼女の能力は平均どころではなく……。PVではマイルと名乗った主人公が、新たな人生を謳歌する姿が描かれている。
太田雅彦監督は「ゆるゆり」や「干物妹!うまるちゃん」などの話題作を手がけてきたが、小説のアニメ化は本作が初となる。OPテーマは赤き誓いのキャスト陣が歌う「スマイルスキル=スキスキル!」。今回も中毒性の高いOPアニメを楽しめそうだ。

ぬるぺた

天才少女・ぬるが、事故で死んでしまった姉・ぺたをロボットとして復活させるドタバタコメディ。だがロボットに生まれ変わった姉は生前とちょっと違っているようで……。オリジナルタイトルゆえにストーリーの詳細は不明だが、どうやら姉妹の絆を描いたエピソードも盛り込まれているようだ。
アニメーション制作はシンエイ動画×アセンションが担当。ぬるの部屋が畳敷きで、大きなちゃぶ台が置かれているなど、あちこちに漂うファミリーアニメらしさが懐かしさを誘う。12月には、ゲーム配信プラット-フォーム「Steam」で、ゲームとアニメがダウンロード販売されるなど、ユニークな試みも気になるところ。

(文・高橋克則)

(C) Manjuu Co.,Ltd., Yongshi Co.,Ltd.&Yostar Inc./アニメ「アズールレーン」製作委員会
(C) 臼井儀人/SUPER SHIRO製作委員会
(C) 西修(秋田書店)/NHK・NEP
(C) FUNA・亜方逸樹/アース・スター エンターテイメント/のうきん製作委員会
(C) TOKYOTOON/シンエイ動画