エモいロックはまさに求めていた楽曲!――TVアニメ「賢者の孫」EDテーマ歌うバーチャルシンガー・吉七味。インタビュー【新人さん、いらっしゃい!第13回】

日々多くのアニメが発表される今日この頃、期待のニューカマーも続々シーンに登場している。そこで、アキバ総研的に気になる「新人さん」に突撃インタビューする連載! それが「新人さん、いらっしゃい!」。

2018年10月からavex picturesとSHOWROOMの合同企画として開催された、史上初の「女性バーチャルタレント限定」オーディション。今回は、その優勝者である育成型バーチャルシンガー・吉七味。(よし・ななみ)さんにインタビュー。

 

オーディションで優勝に輝いた彼女には、TVアニメ「賢者の孫」のエンディングアーティストと声優デビューの権利が授与された。先日大好評のうちに最終回を迎えた本作にてエンディングテーマ「圧倒的 Vivid Days」の歌唱および、ミランダ=ウォーレス役の声優として活躍している。

 

今回、Elements Gardenのプロデュースで衝撃のデビューを果たした吉七味。さんにインタビュー。圧倒的な歌唱力を誇り、バーチャルタレント界のシンデレラガールとも言える彼女はいったいどのような人物なのか、楽曲をどのように歌い上げたのか、たっぷりお話をうかがった。

 

普段から「マクロス」の曲はよく歌っています

――アキバ総研に初登場ということで、まずは自己紹介をお願いします。

 

吉七味。(以下、吉) はじめまして。吉七味。です。育成型バーチャルシンガーとして、去年の9月から主にSHOWROOM、YouTube、Twitterで活動しています。放送中のTVアニメ「賢者の孫」で、エンディング主題歌とミランダ=ウォーレス役をやらせていただきました。

  

――プロフィールの“趣味”や“好きなもの”の欄に「エモい曲」とありますが、具体的にはどのような曲が好きなのでしょうか?

 

 歌うのは宇多田ヒカルさんや椎名林檎さん、聴くのはフレデリックさんが多いですね。あと最近は、ずっと真夜中でいいのに。さんや、ものんくるさんも聴いています。

  

――アニメソングも聴きますか?

 

 もちろん聴きます。水樹奈々さんも好きですし、田中秀和さんが作られる曲が好きでよく聴いています。あと、「マクロス」の曲は全部大好きです!

  

――ちなみに、見ていたのはどの「マクロス」?

 

 「マクロスF(フロンティア)」と「マクロスΔ(デルタ)」を見ていました。普段の配信でも「マクロス」の曲はよく歌うんですよ。

  

――ほかにプロフィールで気になったのは、やっぱり「納豆」ですね。好きな納豆をぜひ教えてください。

 

 納豆の日(7月10日)生まれということもあって、納豆はすごく好きなんです。最近はタレに青のりとかシソの入っているのが好きで、そういう変わり種ばかり食べちゃいます(笑)。この間食べた柚子胡椒が入った京都の納豆もすごく美味しかったです!

  

――納豆料理も作りますか?

 

 納豆オムレツとか、オクラとミョウガとたくあんと納豆を入れたまぜ蕎麦を作ったりしますよ。料理も納豆に関してならやります(笑)。

  

――そして、衣装は面白い着こなし方をしていますよね。今は第3形態(※)とのことですが、どうしてこうなったのでしょうか?

 

 第2形態から進化するにあたって、個性を出していこうと思ったらこうなっちゃいました(笑)。

 

※吉七味。さんは、ファンの応援量に応じてビジュアルが進化していく育成型バーチャルライバー。第1形態、第2形態と進化して、現在が第3形態。

  

――この袖は、ほどいたらちゃんと手を入れられるんですよね?

 

 もちろんです。普通にカーディガンを結んでいるだけですから。

  

――ということは、いわゆる「プロデューサー巻」みたいな感じですか?

 

 そうです、そうです。「七味。巻」です(笑)。

 

――そんな吉七味。さんは、今回「女性バーチャルタレント限定」のオーディションで優勝してTVアニメ「賢者の孫」エンディングテーマを担当しています。優勝が決まった時のことをお聞かせください。

 

 SHOWROOMの受信箱にメールが来ていて、開いたら「吉七味。が優勝」と書いてあったんです。それを見た瞬間、号泣しちゃいました。

  

――優勝するまでの経過はどんな感じだったのですか?

 

 最初は20人ぐらいでの予選があって、ポイントランキングで1位から3位までと審査員特別賞の2名、合計5名が最終オーディションに進めたんです。そして、最終オーディションでは歌唱審査、セリフ審査、面談をやりました。

  

――最終オーディションでの自信や手応えのほどは?

 

 全然なかったです。オーディションでは頭が真っ白になっちゃって、手が震えるから持っていた歌詞も(震えて)読めないし、歌詞はワンフレーズ飛ばしちゃうし、「あ〜、やっちゃった……」という感じで。

   

――でも、Elements Gardenさんの楽曲ですし、どうしても歌いたいと思ったわけですよね。

 

 そうなんです。Elements Gardenが楽曲提供と聞いて「やばい! 絶対歌いたい! 絶対歌いたい!!」となりました。しかも、もともとアニメが好きだったので「アニメのエンディングを歌える!? なんてこった!」って(笑)。

  

 

初のスタジオに感動しましたが、レコーディングは楽しく歌えました!

――楽曲についてお聞きします。「圧倒的 Vivid Days」の第一印象はいかがでしたか?

 

 ギターの音がいい感じで、聴いた瞬間に「好きな曲だ!」と思いました。もともと「ロックな曲を作っていただきたいです」という希望はお伝えしていて、まさに求めていた楽曲が届いたという印象でした。

  

 

――特に「ここが格好いい」「エモい」と思った部分があれば教えて下さい。

 

 前半からずっとテンションの上がる曲なんですけど、特にラスサビ前で徐々に助走して最後にぶわ~っとなる、ジェットコースターみたいなところは一番「エモい!」と思いましたね。

  

――とはいえ、実際にレコーディングで歌うとなればまた違うと思うのですが、どのように臨みましたか?

 

 サビが結構難しくて、「Everything, Everything」とか舌が回らなかったんです。なので、すごく練習して臨みました。そのかいあって、レコーディング当日はすごく楽しく歌うことができました!

  

――これが初めてのレコーディングだったんですよね? 初めてだと、スタジオ自体にも興奮したのでは?

 

 そうなんですよ。「これがスタジオなんだ! すごい!」「機材の匂いがする!」「これがマイク!」みたいな感じでした(笑)。

  

――でも、楽しく歌えたということは緊張で押しつぶされそうにはならなかったのですね。

 

 レコーディング自体は個室のような小さいブースだったので、すぐに自分の世界に入ることができました。ブースに入った瞬間からすぐ歌っていましたね。

  

――今後が楽しみな言葉ですね。

 

 歌詞も七味。のデビューシングルにピッタリで感情移入しやすかったですし、これが始まりの歌で良かったなと思っています。

  

――そして、この曲がエンディングとしてテレビから流れたわけですよね。オンエアを見た時はどうでしたか?

 

 もう恥ずかしくて……。毎回、副音声配信をしながらファンの方と一緒に見ているんですけど、恥ずかしすぎて毎回絶叫しています(苦笑)。

  

――もうそろそろ慣れましょうよ(笑)。

 

 いやいやいや。エンディングもそうなんですけど、私が声優として出演させていただいた第6話は一番叫んだと思います。アニメを見て疲れちゃいました(笑)。

  

――オーディションの時点で声優として出演するのは決まっていたとはいえ、演じるのは初めてなわけで、アフレコをやってみてどうでしたか?

 

 本当に声優さんの偉大さが身に染みてわかりました。

  

――台本を手にした時は、やはり嬉しかったのでは?

 

 “台本”というものに感動しました。「台本だ!」と思って。でも中を見たら、「うわ~~!! どうしよう!! めっちゃしゃべる!」って(笑)。

  

――共演者の皆さんからは、アドバイスを受けたりしたのでしょうか?

 

 皆さんやさしくて、マイクの入り方から台本へのメモの仕方まで全部教えていただいたんです。主演の小林裕介さんは演技指導もしてくださって、「キャラクターに入りすぎて自然な演技ができていないから、キャラクターに入るというより自分の中での自然な演技に重きを置いてやってみたら」とアドバイスいただきました。

  

――ミランダはセリフがひと言とかではなく、結構しゃべりますからね。ご自身で振り返ってみていかがですか?

 

 緊張がセリフに出ちゃっているなと、すごく感じました。もっと精進しなきゃいけないですね。

  

――課題はあるにせよ、テレビから自分の声がセリフとして流れてくるのは感動しますよね。

 

 いや、それが……「いやぁぁぁぁ!!!!!」って絶叫していたので(笑)。恥ずかしくて、自分でしっかり見られるのは半年後ぐらいだと思います。

  

――えっと……エンディング曲はオンエアで流れるのを聴けるんですよね?

 

 どうにか。でも、まだ絶叫していますね。副音声配信でみんなと見ているので、「もうやめて!!」って恥ずかしくなっちゃいます(笑)。

  

 

バーチャルシンガーとして、夢は武道館でソロライブ!

――カップリングの「Heart×Nexus」は、爽やかでとても聴きなじみがいい曲ですね。この曲の印象はいかがですか?

 

 「Heart×Nexus」は明るくて、ライブの最後にアンコールでみんなが一緒に手を振って盛り上がれるような曲です。歌っていて、私自身もハッピーになれる感じがしました。

  

 

――表題曲のロックがあるからこそ、さらに引き立つ感じでしょうか。

 

 そうですね。ライブでちょっと味を変えられるようないい曲になったと思います。

  

――今後はいろいろな曲を歌っていくと思いますが、もともとどのような曲を歌うのが得意なのですか?

 

 しっとりした曲よりも、どちらかというと本当にロックな曲や、Superflyさんとか絢香さんのような力強いボーカリストの曲が得意ですね。

  

――ライブということでは、7月のCD発売記念イベントで歌いますよね。どんな感じで歌いたいですか?

 

 やっぱり、アニメで流れる音源とは違う生の臨場感や迫力を出していきたいなと思っています。

  

――SHOWROOMで配信もしていますし、人前で歌うのはそこまで緊張しないですかね。

 

 そうでもないんですよ。SHOWROOMだと何人来てくださっても画面上でしか見えないですよね。でも、先日「AnimeJapan 2019」で歌った時は、目の前に人が大勢いたので緊張しました。

  

――「生歌を聞きたい」って普段の配信などでも言われるのでは?

 

 そうですね。よく「歌って」と言われるんですけど、今回の曲は発売記念イベントまで歌うのをとっておこうと思います(笑)。

  

――楽しみですね。ちなみに、TVアニメ「賢者の孫」で好きなキャラは誰ですか?

 

 シュトローム(オリバー=シュトローム/CV.森川智之)です。昔から、アニメだと基本的に悪役は味があって好きなんですよ。

  

――戦う作品は結構好きなのですか?

 

 大好きです。戦闘シーンが好きなんですよ。「賢者の孫」の戦闘シーンも、見ていてめちゃくちゃ楽しいです。スカッとします。

  

――今後の目標や夢を教えてください。

 

 今後はロックな持ち歌をさらに増やしつつ、たくさんの方に自分の作品を届けたいですね。ライブを重ねて、目標は武道館でワンマンライブをすることです。上海や香港など海外でもライブをしたいと思っています。

 

――ちなみに1年後、どんな活動をしているとか、どんなアーティストになってたいとおもいますか?

 

 大きなステージでライブができる! 自分で書いた小説が映像化されて、その主題歌を歌うアーティストになりたいです!!!

 

――そういえば、プロフィールにありましたが中国語はしゃべれるのですか?

 

 今、勉強中です(笑)。

 

――「特技」ははなく「趣味」ですもんね。特技は探偵でした。

 

 あ、それはちょっと……私の闇の部分なので(笑)。

  

――じゃあ、そこは触れないでおきますね。本日はありがとうございました!

 

(取材・文/千葉研一)

 

【CD情報】

■TVアニメ「賢者の孫」エンディングテーマ
「圧倒的 Vivid Days」/吉七味。

 

・発売中
・価格:CD+DVD 1,800円(税別)、CD 1,200円(税別)
※CD+DVD Ver.の裏ジャケットはTVアニメ「賢者の孫」主人公・シンとのコラボ描き下ろしイラスト!!

【イベント情報】
■賢者の孫EDテーマ「圧倒的 Vivid Days」発売記念イベント
2019/7/6(土)ソフマップにて発売記念イベント開催決定!!

・場所:ソフマップAKIBA④号店 アミューズメント館8F
・日時:2019年7月6日(土)13:30開場/14:00開演
・出演者:吉七味。
・内容:トーク&歌唱+特典会(トーク会、2ショット写メ会)