【TAAF2019】次世代のアニメーション業界を担う学生たちの作品へ、プロからのアドバイスが送られた「YOUNG POWER 2019」レポート

2019年3月8日~11日にかけての4日間、東京・池袋にて開催された「東京アニメアワードフェスティバル2019(TAAF2019)」。その最終日となる11日(月)に、プログラムの一環として、「YOUNG POWER 2019」が、豊島区庁舎にて開催された。

「YOUNG POWER 2019」は、若手クリエイターとして、次世代のアニメーション業界を担う、学生達の作品を紹介するプログラム。
本プログラムは、「東京アニメアワードフェスティバル」開始当初から毎回開催されており、今回で6回目の開催となる。今年はTVアニメ「ゆるキャン△」監督の京極義昭さん、そして「トイ・ストーリー」「バグズ・ライフ」などの制作に携わってきたマーク・オフテダールさんをゲストに招き、学生たちの作品へ、プロの目線からのアドバイスが行われた。

■陣内利博さん

■左:京極義昭さん、右:マーク・オフテダールさん

武蔵野美術大学大学の陣内利博さんが司会を務めた本プログラムには、学校を卒業したばかり、あるいはまだ在籍中の学生がこれからも大学院などでアニメーション制作を続けるにあたり、プロからの講評を受けるために参加していた。将来のアニメ作品を見定める指標になるプログラムともいえる。なお参加者は、今年度で開催16回目を迎えた「インターカレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)」の幹事校の生徒から選出されている。

今回上映されたのは、多摩美術大学・平井あかねさんの「アンクレットと蒼い海」、東京藝術大学・キヤマミズキさんの「くじらの湯」、東京工芸大学・黎 天影さんの「足跡」、東京造形大学・江連 秋さんの「to bee continued」、武蔵野美術大学・佐々木 智鶴さん、志田 菜穂美さんの「井の中の蛙 3.11」の5本。

各作品とも、上映後には京極さんとマークさんから作品への率直な感想が述べられ、そして学生たちへのアドバイスが送られた。第一線で活躍するプロの言葉だけに、アニメーションの世界に携わろうという気概のある学生たちは、真摯にその言葉を受け止め、アドバイスに耳を傾けていた。

5作品すべての講評を終え、最後にゲストの2人から本日の感想が語られた。
「作品を完成させたことに、敬意を表したい」と語ったのは京極さん。自身の学生時代の自主制作を例にあげ、完成させるということがいかに労力のかかることかを語る。作品を完成させられたからこそこうして評価を受けることができ、それによって今後のブラッシュアップが可能となるので、作品を完成させること自体がいかに大事なのかを学生たちに伝えていく。さらに、学生たちの自由でアーティステックな作品に触れたことで、自身も刺激を受けたとも語った。
マークさんは、この場に参加できたことが貴重な体験だったとコメント。作品についてさまざまな講評をしてはきたが、自分の色を失わないよう、今あるものを生かして発展させていってほしいとエールが送られ、本プログラムは終了となった。