3年半ぶりに活動再開! 「デート・ア・ライブIII」OPテーマ「I swear」を歌うsweet ARMSインタビュー!

現在放送中のTVアニメ「デート・ア・ライブIII」。そのオープニングテーマ「I swear」を歌う「sweet ARMS」がアキバ総研に登場!

「sweet ARMS」は、野水伊織さん、富樫美鈴さん、佐土原かおりさん、味里さんによる声優ユニット。「デート・ア・ライブ」に関しては、これまでに1期、2期、劇場版、ゲーム版の主題歌を担当しており、TVアニメの第3期でも主題歌「I swear」を務めている。そこで、4人に今回の楽曲について話をうかがった。

  

3人とか2人でsweet ARMSは違うな、と思っていたんです

ーー久しぶりの活動になりましたけど、もう4人の間とか呼吸感は戻ってきましたか?

 

野水 それは全然、最初からいつも通りの間でした(笑)。

 

ーー久々に集まったときのエピソードはありますか?

 

野水 4人が揃ったのは振り入れのときなんですけど、その前に連絡は取り合っていたんです。

富樫 3期の主題歌をsweet ARMSでやるという話をいただいてから、LINEで話したんだよね?

野水 うん。「よろしくな!」みたいなテンションで。

富樫 最初はちょっとたどたどしい感じだったけど。

味里 4人のLINEも3年半振りくらいに動いたしね(笑)。

野水 1個前の発言がかなり前だったもんね!

味里 年月は経っているのに、あたかも普通に続いていたかのように始まりました。

野水 そういう意味でも、あまり変わりがなかったよね。

 

野水伊織さん

 

ーーLINEでは、どんな話を?

 

佐土原 「よろしく!」みたいなところから、全然関係ない話になり……。

野水 「レコーディングはいつ?」みたいなことを話したけど、それもいつも通りだったね。

佐土原 結果、変わらない!

 

ーー何か変わっててください(笑)! 

 

野水 あははは(笑)。いつも4人揃うとツイッターに写真を上げたりするんですけど、中二病ポーズをするのがお約束になってるんです。「じゃあ、いつものやりますか!」みたいなことはありましたね。

富樫 それはアップしたよね。

 

ーー中二病ポーズを見て、まだやってるんだな!とは思いました(笑)。

 

野水 「こいつら変わってねーな」みたいな(笑)。でも、佐土原が腰を痛めてたりもしたので、「佐土原は座ってて! 私たちが動くから!」みたいなやり取りはあったよね。

佐土原 よく座らせていただきました(笑)。

 

ーーでも、結果変わらない4人なんですね。

 

富樫 はしゃいでましたね。久しぶりっていう気持ちはやはりあるので。

味里 実家のような安心感があるんですよ。ここに戻ってくると、すべてをさらけ出してもみんなが受け止めてくれると思えるから。

 

味里さん

 

ーー最初の活動が、そこまで絆を深くしていたんですね。では、主題歌の話を聞いたときはいかがでしたか?

 

佐土原 「デート・ア・ライブIII」があることは前から聞いていたんですけど、「放送が近づいてきたけど、お話が来てないってことはないのかな?」って思っていたので、実際にお声がけいただいた時はビックリしたし、制作さんが「sweet ARMSでいきたい!」と思ってくれたのが嬉しかったです。

味里 私もまた歌わせていただけるとは思っていませんでした。制作サイドの意図もあると思うし、何よりメンバーの状況がみんな変わってしまっていたので、「みんな、またやってくれるのかな?」というのもありました……。でもまた集まることができて、sweet ARMSでやれると聞いたときは嬉しかったですね。

富樫 歌いたかったけど、主題歌を歌わせてもらえるのかな?という気持ちはあったから、口では「sweet ARMSでしょ!」と言いながらも、正式に連絡をいただくまでは期待と不安が入り混じってました。なので嬉しかったし、光栄だなと思いました。

野水 3期があることは動き出す結構前から聞いていて、sweet ARMSでまたやろうかというのもちらっと聞いていたんですけど、私も「メンバーがやってくれるのか?」というほうが不安でした。事務所もみんな変わってしまったし、それこそ佐土原がお母さんになっていたりしたので、誰かひとりでも「私は無理です」みたいなことになってしまったら、3人でsweet ARMSとか、2人でsweet ARMSっていうのは違うなと思っていたんです。そうなると自分ばかりがやりたいと思っていても、ちょっと事情が違うのかなと思ったので、メンバーからの返事を聞くまでが一番不安でした。

 

ーー無事、みんなでできることが決まって、例のLINEの会話になるんですね。曲が届いたときはどうでしたか? 作詞が渡部紫緒さん、作曲が坂部剛さんといういつものコンビですが、どんな印象でしたか? 個人的には「大変そうだけど、カッコいい曲が来たな!」と思いましたが。

 

富樫 正しい!

味里 正しい解釈!

野水 今までの曲よりも明るく壮大になったというのが、ポイントとしてまずは感じたことです。sweet ARMSで歌うのが久しぶりだったこともあって、イメージが沸かなかったんですけど、ファイナルミックスを聴いたときに「デート・ア・ライブだ! sweet ARMSだ!」って、すごく腑に落ちたので、またそこでの安心感もありました。

富樫 うまく説明できないんですけど、自分とみんなが歌ったものを聴くと、どうなるんだろう?って思うんですよ。でも、合わさるとsweet ARMSだなって思うから、うまく調和するのが不思議なんですよね。でも、それは嬉しいことですね。

味里 私はやっぱりカッコいいな!と思いました。でも、レコーディングでは大変苦労して、何度も録り直させてもらったんです。すごくいい曲なので、納得したものを歌いたいと思って。

佐土原 曲をいただいたときに、やっぱり「デート・ア・ライブ」は坂部先生の曲だな!と思いましたし、渡部先生の歌詞を見て、その思いがより強まって、3期らしいなと思いました。いろいろと自分の中で納得できるところが多くて、レコーディングにもすんなり入ることができました。

 

佐土原かおりさん

 

ーー録る順番だと野水さんが一番手だったそうですが、方向性はどのように決めていったのですか?

 

野水 今回はやさしく歌うというか。疾走感もあるし、〈私たちの戦争<デート>始めましょう〉で終わるので、ここ盛り上げっぞ!って気持ちになってしまうんですけど、それを抑えて「やわらかく包みこむ感じで」というディレクションを受けたんです。一番手だと誰の歌も聴けないので、手探りで歌わせていただきました。

佐土原 私はその次だったんですけど、最初のディレクションで「やさしくやわらかく」というイメージは言われたので、(自分が持っていったもので)合っていたんだなと思いました。

味里 私は佐土原さんのすぐ後にレコーディングをしたので、佐土原さんの歌を聴いて、それを参考にさせていただきました。でも久々だったので気合いが入り過ぎて力んで歌ってしまったんです。でもこの曲はそうではなくて「内に秘めたものを込めて歌ってください」というディレクションがあったので、そのように歌いました。

富樫 切なくて苦しい部分があるんですけど、いつもより明るい曲調がそれを引き上げてくれているというイメージがあったので、すごく歌いやすかったです。もちろん技術的な面ではとても難しい曲なんですけど「自分らしく歌って」というディレクションもあったので、のびのび歌わせていただけました。これは個人的なことですけど、sweet ARMSとしては3年半経っているので、自分の成長を感じた部分もあって、すごく楽に歌えていると気づけたので、それもすごく嬉しかったです。

 

富樫美鈴さん

 

ーーMVではダンスもしていますね。佐土原さんは昨年出産をしているので、大丈夫なのかなと思いました。

 

佐土原 ダンスあるのかぁ、大丈夫かなぁ~とは、私も思いました(笑)。

野水 少し裏話的ではありますが、佐土原が腰を痛めていたこともあって、体に負担をかけないような振り付けにはなっているんです。

佐土原 それでひとりひとり動きが違うんですよ。

味里 みんな違う動きをして、合わさったときに完成するダンスなんです。

野水 サビで4人並んで動いているけど、イントロとか間奏に関しては結構違う動きをしてて。

味里 いおりんめっちゃ飛んでるもんね!

野水 もう、何でもやるよ!って言ってたからね(笑)。

 

ーーMV収録中のエピソードや、見どころを教えてください。

 

味里 衣装が白くなりました! 楽曲も明るめなので、すごく合っているなと。

富樫 曲的に出てくるイメージが白だったからね。もちろん差し色で黒は入ってくるけど、すごく素敵なひらひらした衣装で。

野水 手を動かしたときに、袖が長かったり、生地感がオーガンジーだったりすると、振りも大きく見えるからと、振り付けの先生からのアドバイスもあって、スタイリストさんが用意してくださったんです。でもMV撮影の時間はわりとタイトだったので、一発一発が勝負みたいな感じでした。

味里 すごく緊張感のある現場でした! ダンスも間違えられないし、リップシンクも間違えられないしっていう。

 

ーーシングルはすでに発売されていますが、反応はいかがですか?

 

野水 曲が公開された時点で、皆さんも「デート・ア・ライブだ!」「sweet ARMSだ!」「これを待ってたんだよ!」と思ってくださったみたいで、こっそり「sweet ARMS」で検索をかけて見ていました(笑)。リプライでもそういう声は本当に多くてよかったです。

佐土原 「ヘビロテしてます!」とかね(笑)。

野水 いい言葉!

富樫 「泣きました」って言われた。

野水 あぁ、それもいい言葉!

味里 あと「おかえり」とか。

野水 あぁ~~。「待ってました」みたいなのはすごくありました。

富樫 「平成最後の復活」って書かれてたのは面白かったけどね(笑)。

 

ーー久々の「デート・ア・ライブIII」は、懐かしさもありましたけど、やはり変わらず面白いですね。アフレコ現場はどうですか?

 

野水 それも変わってなくて、久しぶり!と言いながらも、始まると昨日会ってたみたいな感じになるし。3期目ということもあって、自分のキャラとの付き合いも長いので、アフレコも早くてすぐに終わるんです。

富樫 いい緊張感もありながら、和気あいあいと楽しくやってます。

  

 

追っかけもハモリも全部録ったから、過去一番歌ったんじゃないかなと

ーーカップリング曲「甘言誘惑Receptor」では野水さんが作詞してますけど、これはどういう流れで?

 

野水 「作詞する?」と言われて「します!」と(笑)。

 

ーー軽いノリですね(笑)。

 

野水 ディレクターさんとも久しぶりにお会いして、そこで近況報告とかをしていたんです。あの時から変わったことと言えば、映画のコラムを書かせていただくようになったことと作詞をさせてもらう機会が多くなったことなんです、みたいな話をしていたら、「じゃあカップリング書いてみる?」って。

 

ーー「甘言誘惑Receptor」は、どういうテーマで歌詞を書こうと?

 

野水 これまでの流れと同じくゲームの曲になるという話で、その資料はいただきました。ゲームはこれまでもそれぞれでヒロインがいたので、こういうキャラクターが出ます!という設定をいただき、それを汲んで歌詞を書いたんです。

 

ーーそれが色濃く出ている部分というのは?

 

野水 実はタイトルからしてそうなんです。「甘言」と「誘惑」もそうですし、「Receptor」=受容体というのも、実はヒロインにかかっています。ポイントとしては2番のAメロですかね。あまり言うとネタバレにもなってしまうのですが、「蓮ディストピア」というタイトルで、蓮がヒロインなんですけど、結構ダークというかネガティブっぽくもっていってるのも、蓮のキャラクターにかかっているんです。

 

 

ーー歌詞にある〈甘言誘惑〉とか〈感情革命〉は、すごく引っかかるワードですよね。

 

野水 インパクトのある言葉がほしいなと。四字熟語っぽいのをパワーワードとして入れたい!と思いました。

 

ーー歌ってみていかがでしたか?

 

野水 なんか曲調は今っぽいなと。

味里 これまでと録り方が違っていて、1行おきに録っていったんです。

野水 結構クロスになるからね。今回の歌は歌詞が被ってくるので。

味里 それが逆に歌いやすくて。これも全部歌わせていただいたんですけど、追っかけもハモリも全部録ったので、過去一番歌ったんじゃないかなと思いました。

 

 

ーー1曲で3曲分くらいはありそうですよね。

 

野水 ありました! ありました!

味里 これ、歌い終わらないんじゃないかな?って(笑)。

野水 思った! 途中でのど飴舐めてたもん(笑)。

味里 でも楽しかった!

富樫 私も楽しかったです。すごく好き放題、やりたい放題やらせていただきました。使うエネルギー量も多くて、歌っているときは気持ちいいんだけど、長距離走をずっと走ってる感じなんですよ。

佐土原 2人ずつで分かれるのかな?と思いながら歌っていたんですけど、もしかしたらひとりと3人で分けるパターンもあるかもしれないと聞いていたんです。でも完成したものを聴いたら、やっぱり2人ずつで分かれてて「あ、sweet ARMSだな」って思いました(笑)。これがsweet ARMSのハーモニーなんだなって。でも新しさもありました。

富樫 そうだね。サビで主旋2、追っかけ2みたいなのはなかったもんね。曲的にも新鮮でした。

野水 これまでカップリングに関しては、結構ロックなゴリゴリっとした曲を歌わせていただいてたんですけど、今回はデジタルサウンドっぽいのも、新しくて。

味里 デジタルロックだよね。

野水 サビの譜割りとかもこれまでになかったかなって。疾走感があって歌い切る!とかではなく、ちょっとクールな感じ?

味里 でも、こんなに速いのもなかった。

野水 しかも速いところに言葉を詰め込むのが好きなんですよ(笑)。そのほうがこの曲の場合はいいのかなって。ホントごめんなさいって感じだけど。

味里 レコーディング前に、いおりんに謝られた気がする。

野水 この疾走感をそのまま生かしたほうがいい曲になる!と思ったから、今回は詰め込みました。

富樫 ライブとかどうなるんだろうね。がんばるしかないね。

野水 自分の歌うパートを忘れないようにしないと。

味里 ひとりがつっかかったらみんなコケるからね。Bメロはソロでパパパパって代わるから。

 

 

ーーでもライブで聴きたい曲ではありますね。では最後に、今後、sweet ARMSに期待することは?

 

富樫 まだまだやってないことはたくさんあるので、それをやっていきたいですけど…。

野水 今回は2曲とも、ひとりずつフルで録っているので、評判がよかったらソロバージョンも聴けるのかなって思います。それは応援していただくしかないんですけど……。

富樫 みんな、どういう感じでディレクションを受けていたのかも気になるね! 

味里 私、「不二子で」と言われました。

佐土原 「峰」ですか!?

味里 そう。セクシー担当として。

野水 納得! 最後サビ前の〈破滅させてよ〉のところが、エロいんですよ! なるほど~。

富樫 私も歌ったあとは、「RPGの主題歌みたいだね」って言われたから、やっぱりみんなのソロバージョンは聴いてみたいね!

 

(取材・文/塚越淳一)