「お前はまだグンマを知らない」最終話感想:我々はまだグンマを知らなかった?

この4月よりスタートしたショートアニメ「お前はまだグンマを知らない」
ウェブコミック配信サイト「くらげバンチ」にて連載中のコミックが原作だが、その内容は、ネット上でやたらとディスられることの多い「グンマー」(群馬県/県民)の「あるある」を、やたらとテンション高めの大げさなアクションでデフォルメするというコメディである。

あまりにもローカルネタすぎる本作だが、何と民放局では地元の群馬テレビ(群テレ)しか放送しないという、あまりのローカルっぷりが泣ける。ただ、アニマックスやGYAO!でも配信されているので、ぜひチェックいただきたい。そんな超ローカル作品のネタを、グンマー出身の筆者が、愛をもって、詳細に掘り下げ解説する。

さて、今回の12話はいよいよ最終回。「我々はまだグンマを知らなかった」とは、これまたご大層なサブタイトルがついているが、はたしてどういうことなのだろう。

ストーリーは「上毛三山」(第9話感想参照)のひとつである妙義山へ向かう車内から始まる。上毛三山とは、すでに解説したとおり、グンマを代表する名山(赤城、榛名、妙義)を指すが、そのうち妙義山は、ほかの2つの山とは明らかに異なる趣を放っている。というのも、赤城、榛名は、比較的新しい火山であるのに対し、妙義山はそれよりもかなり古い地層の岩山である。赤城、榛名の2山が裾野が広がったきれいな形をしているのに対し、妙義山だけは、ゴツゴツとした岩が形作る奇怪な形状をしており、「日本三大奇景」のひとつにも数えられるほどだ。そういうこともあって、妙義山には不思議な霊力があるという話もグンマではよく聞かれ、山をまつった妙義神社は、県内でも有数のパワースポットと言われている。

その妙義神社に向けてドライブする(運転手は野汁先輩)、神月たち一行。最終回ということもあってか、友人の轟、紅一点の篠岡京、イエティこと家城瑛南までそろっている。しかし、山道に入ってカーブを曲がろうとしたところで、向かい側から来たトラックと衝突してしまい……。

一瞬、天国への階段を上りかけたかと思った一行だが、神様側のミスだったことが判明。元の世界に戻されることになり、どこから来たのかを聞かれた一行は、妙義神社に向かう途中であったこと、出身はグンマであること(半分ウソだろ、それ?)を告げる。すると、一行はとある山の中に転移した。そこがどこかわからずうろたえる一行。大蛇のような生物が現れおびえる京。これに対し、轟は「おそらくジャパンスネークセンターから逃げ出してきた蛇だろ」と一蹴。おいおい、落ち着いている場合か。それやばいだろ?

となると、ここは太田市のあたりかと合点する轟。しかし、上空をコウモリならぬ、コウモリ人が飛んでいたりと、尋常ではない様子。ちなみに、グンマでは夕方になるとコウモリが大量に飛ぶので、コウモリ自体は全然珍しくありません。はい。

で、ここがどこなのかという話なのだが、前述の神様は確かに、一行の話を聞き入れ、該当する場所に戻したはずなのだ。すなわち、「妙義神社に向かう途中のグンマ人である」ということは間違いなかったのだが、一行が飛ばされた先は「群馬」という名の小惑星だったのだ。というのも、実は「妙義神社」そして「群馬」という小惑星は実在するそうで、間違いなく、神様はそこへ一行を飛ばしたというわけ。いやー、これはかなりのトリビアですよ。へーへーへー!!(古っ……)

というわけで、最終回にふさわしく、まさに「我々はまだグンマを知らなかったー!」というところで、このお話はおしまい。

ちなみに本作のDVDは7月27日に発売となる。通常版が1,980円(税別)とお安いうえに、群馬県内での限定発売となる「グンマEdition」はなんと980円(税別)という破格のプライス! グンマ人なら一家に一枚、グンマ愛を高めるためにも、ぜひともご購入いただきたい!!!

どうもお後がよろしいようで。

(編集部・鎌田)