「お前はまだグンマを知らない」第10話感想:「グンマの運動会(後編)」こんにゃくゼリーとみそパンと下仁田ねぎ

この4月よりスタートしたショートアニメ「お前はまだグンマを知らない」
ウェブコミック配信サイト「くらげバンチ」にて連載中のコミックが原作だが、その内容は、ネット上でやたらとディスられることの多い「グンマー」(群馬県/県民)の「あるある」を、やたらとテンション高めの大げさなアクションでデフォルメするというコメディである。

あまりにもローカルネタすぎる本作だが、何と民放局では地元の群馬テレビ(群テレ)しか放送しないという、あまりのローカルっぷりが泣ける。ただ、アニマックスやGYAO!でも配信されているので、ぜひチェックいただきたい。そんな超ローカル作品のネタを、グンマー出身の筆者が、愛をもって、詳細に掘り下げ解説する。

第10話のテーマは「グンマの運動会」の後編。甥っ子の実が通う小学校の運動会に、両親に代わって行くことになった主人公・神月。そこで、父兄参加の借り物競走にかり出されることになったのだが、そこでクラスメイトの篠塚京と対決することに。

借り物競走のテーマは「グンマの名物」! というわけで、今回は、やたらいろんな名物が登場する。まず、京が引いた最初のお題は「こんにゃくゼリー」、「そんなのその辺にあるか?」と思う神月くん、君は甘い! グンマといえば、上毛かるた(過去回参照のこと)にも「ねぎとこんにゃく、下仁田名産」とうたわれているように、こんにゃくが名物。そのこんにゃくを使って、お菓子のゼリーを作ってしまったのもグンマ人(たぶん)。その代表格ともいえるのが、地元の優良企業・マンナンライフが製造する「蒟蒻畑」である。TV CMなどでも知られており、おそらく全国展開されているこの「蒟蒻畑」こそは、グンマの家庭には必ず常備しているくらいのポピュラーなお菓子。運動会にだって、きっと凍らせた「蒟蒻畑」を持参している人の2人や3人、いや100人や200人はいようというものだ。これは、圧倒的に楽なミッションであろう。

これに対して、神月が引いたお題は、なんと「みそパン」! 「焼きまんじゅう」の回でも触れたが、これもまごうことなき、グンマの名産である。しかしながら、みそパンは、売っている場所が限られることもあり(「グンマの真実」でも語られている通り、このみそパンは、沼田市のパン屋さん発祥)、これを持ち歩いている人はそうそういないだろう。いきなり、神月くん、ピンチである!

そんな難題に対して、観客席から「みそパンはあきらめろ」との声。確かに、あきらめたほうが無難だ。そこで、お題を変えようとした神月のところに、足をねんざしたおじさんがやってきて「代わりにこれを持って走ってくれ」と、あるものを神月に渡す。それこそが、上述した下仁田名産のもう片割れである「下仁田ねぎ」であった。しかし、神月くん、なぜかそれを「大人のオモチャ」と勘違い。いやいや、ないだろ、さすがにそれは(笑)。

それはともかく、下仁田ねぎをもってゴールへ向かう神月。そんな神月をゴール前でブロックしようと仁王立ちの京。さて神月くん、どうするのか、と思ったら、なんと京の股を抜いてスライディング! ……しかしその際に下仁田ねぎのヒゲの部分が、京のある部分に触り……。

その後の顛末は皆さんご想像ください(笑)。

 

(編集部・鎌田)