「お前はまだグンマを知らない」第9話感想:「グンマの運動会」は、上毛三山の各チームに分かれて行う。これ常識

この4月よりスタートしたショートアニメ「お前はまだグンマを知らない」
ウェブコミック配信サイト「くらげバンチ」にて連載中のコミックが原作だが、その内容は、ネット上でやたらとディスられることの多い「グンマー」(群馬県/県民)の「あるある」を、やたらとテンション高めの大げさなアクションでデフォルメするというコメディである。

あまりにもローカルネタすぎる本作だが、何と民放局では地元の群馬テレビ(群テレ)しか放送しないという、あまりのローカルっぷりが泣ける。ただ、アニマックスやGYAO!でも配信されているので、ぜひチェックいただきたい。そんな超ローカル作品のネタを、グンマー出身の筆者が、愛をもって、詳細に掘り下げ解説する。

第9話のテーマは「グンマの運動会」。前編と後編とに分けられており(そんなに語ることあったっけか?)、今回はその前編となる。前回、甥っ子の実が通う小学校の運動会に、両親に代わって行くことになった主人公・神月。軽い気持ちで「実くんは赤組なの、それとも白組なの?」と聞いたところから、グンマにおける驚愕の事実を知ることに・・・。

あのさ、神月君、グンマの小学校の運動会には、赤組とか白組っていう単純なチーム分けは存在しないのよ。グンマの小学校はたいてい「赤城」「榛名」「妙義」という上毛三山の名がついた(場合によっては、これに「浅間」などが加わって4つになることもある)各チームに分かれて、競い合うのだ。これ、グンマじゃ常識よ。(というか、ほかの県のチーム編成を知らないわけだが・・・)

ここで上毛三山について説明しなくてはいけないな。上毛三山というのは、グンマ県における主要な山の3つを指しており、その3つとは、赤城山、榛名山、妙義山である。グンマにはほかにも山はたくさんあるのに(たとえば谷川岳とか)、なぜこの3つなのかといえば、関東平野の端にあるグンマの平野部では、この3つの山が目立つからである。グンマの平野部に降り立てば、必ずやこの3つの山は目に入るはず。特に、赤城山と榛名山は、県の中央部に位置しており、その裾野も長いため、その存在感は非常に大きい。この2つの山を見れば、今どのあたりにいるか理解できるほどだ(少なくとも筆者は)。この2山に比べると、妙義山は、高さも1000m以下だし、存在感は薄い。しかし、妙義山には、この2山にない特徴があるのだ。それは、その形状! 火山である赤城、榛名とは異なり、妙義山は年代が古い岩山であり、長い間の風や水の浸食によって、その形は、奇岩ともいえるほどのミステリアスさをまとっているのだ。まあ、それが評価されたかどうかはわからないが、とにかく妙義山を入れたこの3つの山は、上毛三山として、グンマ県民に親しまれているのである。

そして、山とは切っても切れない生活をしているグンマ人は、小学校の運動会でも、偉大な自然へのリスペクトを込めて、チームにこの上毛三山(+浅間山)の名前をつけて、一生懸命競い合うのである。なんだかいい話ではないか!(え?そうでもない?)

で、ストーリー的には、なぜかこの小学校に、神月のクラスメイトで、現状敵対している篠岡京(CV:内田彩)が来場しており、借り物競走に赤城団としてかり出された神月と、敵対する(京は榛名団として参加する)ことに・・・。勝利への執念を燃やす京とガチンコ勝負をしなくてはならなくなった神月だが・・・。

ちなみに、京と同じJKJ団のイエティも登場。声は先週に引き続きの小倉唯さん!
今回もイメージとはだいぶ違うキャラを演じてます。

というわけで、次回に続く!

(編集部・鎌田)