「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」第7話感想 鰹はたたきもいいけど珍味もね

「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」(以下、のぶ)は、最近流行りの異世界ものと食を題材とした作品だ。京都の寂れた通りに「居酒屋のぶ」を構えているが、店の正面入口が中世ヨーロッパ風な異世界の街・古都アイテーリアとなぜか繋がってしまっている。店を切り盛りする大将の矢澤信之と給仕の千家しのぶの2人は、そんな異世界の住人を相手に店を営業している。

「のぶ」には、衛兵、職人、商人、貴族など、さまざまな職業の人たちがやってきては、うまい酒と肴でその日の疲れを癒やす……あたかも日本のサラリーマンが居酒屋で飲んでいるのと同じような光景が描かれる。

第7話は「のぶ」に盗人が入ったという知らせを受け、聖職者で助祭のエドヴィン(CV:チョー)が衛兵のニコラウスと一緒にやってくるところから。2人が到着してみると「のぶ」は普通に営業中。エドヴィンが「妙ですね」と言うと、ニコラウスも「誤報だったのでしょうか?」と思ったらしいが、とりあえず中に入ってみることに。

しのぶちゃんに席を案内され、店に入ったふたりはまず一杯引っかけるが、「トリアエズナマ」を飲んでいるニコラウスはともかく、初登場のエドヴィンが初っ端から「レーシュ」を飲んでいる?? ニコラウスはオトーシの「鰹のたたき」と「トリアエズナマ」のうまさで、うっかり「のぶ」に来た理由を忘れてかけていたようだった。作中で「鰹のたたき」の起源(※諸説あり)について語られていたが、筆者が昔読んだ本では皮下にいる寄生虫などを殺すために表面を焼くという内容だった覚えがあるが、調べてみるといろいろな説があるのでおもしろいですな。


今日は客じゃなくて任務で来たと伝えるニコラウス。「今日この店に盗人が入らなかった?」と言われると急に焦るしのぶちゃんとタイショー。ニコラウスが続けて「助祭様の前で嘘をつくと後々問題になるかもしれないよ」と念を押すと、口が重かったしのぶちゃんが経緯を話しはじめる。盗みに入ったのはエーファ(CV:久野美咲)で、店の戸が開いていたことで店内に入り、タイショーが使っていたあるものを盗もうとしたが、躊躇し隠れていたところにしのぶちゃんがきてしまう。しのぶちゃんが店内の異常に気づき「誰かいるの、そこにいるのはわかっているんですよ」と叫んだところ、エーファも観念し罪を償いたいという話になるが、ニコラウスは「だがここで見逃して別の店に盗みに入らんという保証もない」と言う。これに対して、しのぶちゃんが、「それは私が保証します。エーファちゃんには、この店で皿洗いをしてもらうことになりました。最近は私だけで給仕と皿洗いは難しくなってきたので」と収め、盗人の話から一転「のぶ」の従業員が急に増えるという急展開に。

盗人の問題が解決し一件落着と「レーシュ」を飲み始めるエドヴィン。だが「春分まで、教会では粗食しかできないんでしたっけ」と詰め寄るニコラウス。しかし、そこでしのぶちゃんからエドヴィンが「のぶ」の常連であることが明かされる。そりゃ最初から「レーシュ」を飲むわけですな。エドヴィン用のオトーシ「酒盗」をつまむニコラウスは、あまりの磯臭さにびっくりするが、食べたあとに「レーシュ」を飲むことでより味わいが楽しめることを感じた様子。最近「のぶ」を見ていると食べているときのリアクションが某「ミスター●っ子」のような感じになっているような気がしなくもない。


そして、しのぶちゃんがエドヴィンのいつも食べるつまみ「へしこ(塩サバのぬか漬け)」と「ままかり(小魚の酢漬け)」を運んでくる。「酒盗」をはじめとした「珍味」が好きなエドヴィンはかなりの酒飲みなのだろう。
珍味というと独特な風味の食材が多く、なかには好みが分かれるものもある。ご飯のおかずや酒の肴にもピッタリなものも多いが、筆者は「松前漬け」「明太子」「酒盗」あたりを偶然購入できた日本酒(作[ざく])とともにいただきたい。

後半実写パートの「のぶ+PLUS」では、料理研究家のきじまりゅうたさんが、本編に登場した料理をアレンジし実際に作るコーナー。今回は生魚が苦手な人でも食べられそうな「カツオのレアフライ」。フライになるとついついソースをかけたくなるが、今回紹介された料理はわさび醤油でも美味しそうだ。

春から夏にかけてが「初ガツオ」の時期なので、初夏の鰹を堪能するため居酒屋で「鰹のたたき」を食べたいところ。ただ、居酒屋などで食べるときには必ず「ポン酢」が出てくるが、筆者的には酸味が若干強すぎかなーと思うときもあるので、刺身醤油と、生姜やミョウガなどの薬味をそえていただきたい。しかし、今回のエドヴィン役のチョーさんのベテランならではの味のある演技はさすがのひと言。配信ではまだ無料で見られる期間なので、まだ未視聴の方は日本酒を飲みながらぜひ見ていただきたい。

(編集部 よなよなハンター)

(C) 異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~製作委員会