前作「AUBE」から約1年半。藍井エイルのニューアルバムがついに完成した。去年から今年にかけ、いくつもの話題作の主題歌を歌ってきた成果と、新たな可能性への挑戦が1枚に。「D’AZUR」とは、フランス語で「青の~」の意味。収録曲が織りなす何層もの青の美しいグラデーションが、リスナーを魅了する。
ニューアルバムには、さまざまな「青」が詰まっています
──「D’AZUR」は、前作「AUBE」から約1年半振りのアルバムですね。今回はどのようなアルバムにしようと思いましたか?
エイル 藍井エイルという1本の幹から、さまざまなジャンルに枝分かれした、幅広い楽曲が集まったアルバムになりました。「AUBE」以降、シングルをいくつもリリースさせていただいて、アルバムの準備を始めた段階でバラエティに富んだ楽曲が揃っていたのにくわえて、アルバム用の新曲では、初めて組ませていただくことになる作家さんにもお願いして。新たな挑戦、新たな出会いをたくさん経験させていただきました。
──1曲目のインストゥルメンタルを除いて、アルバム用の新曲は7曲。そのうちの5曲の作詞に、エイルさんの名前がクレジットされています。バラエティに富んだ楽曲に歌詞をつけていくのは、大変だったのでは?
エイル 制作期間の間にいろいろなイベントに呼んでいただいて、海外にも行く機会が多くて。その移動中に書いた詞は、外国で見た風景や、出会った人に触発されて新たな世界が開けたせいか、そんなに悩まずに完成させることができました。
──近年海外でのイベント参加が増えてますよね。
エイル 貴重な経験をさせていただいていると感じます。とにかくハートが強くなりました。今ではライブ中にハプニングが起こったとしても、そんなにあわてなくなりましたし、失敗を引きずることもなくなりました。以前は、ミスすると気に病んでしまうタイプだったんですけど、それは誰のためにもならないことがわかって。気持ちの切り替えはかなり早くなりました。
──アルバムタイトルの「D’AZUR(ダジュール)」には、どのような思いをこめましたか?
エイル 1枚目の「BLAU」(ブラウ)はドイツ語で「青」、2枚目の「AUBE」(オーブ)はフランス語で「夜明け」、そして今回はフランス語で「~の青」という意味です。「私の青」「あなたの青」そして「みんなの青」という意味合いをこめて、このタイトルにしました。
──さまざまな「青」が集まって、1つの大きな世界を形作っているという感じですよね。
エイル そうなんです。「暗闇の中にいたとしても、光を求めて進んでいく」というイメージのシリアスな曲が、藍井エイルの軸となる世界観なのですが、今回はそこから発展して、さまざまな「青」にたどり着くことができたと思います。藍井エイルの新しい一面を、ぜひ味わっていただきたいです。