「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」、舞台挨拶付き特別上映会レポート! 「ロケットアンカー」へのこだわりなど裏話が続々と

アニメ映画「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」より、特別上映&舞台挨拶の公式レポートが到着したのでご紹介しよう。

2012年にTVシリーズ第1作をベースに新たなスタッフで制作し、大ヒットを記録した「宇宙戦艦ヤマト2199」の完全新作として2014年12月6日に全国89館にて公開された「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」。イスカンダルからの帰路を舞台に、ヤマトと新たな敵・ガトランティスの戦いが描かれている。

 

今回、BD/DVDが5月27日に発売となることに向け、4月10日~11日に3都市(東京・大阪・京都)で舞台挨拶付き特別上映会を実施。新宿ピカデリーには、総監督の出渕裕さん、チーフディレクターの別所誠人さん、チーフメカニカルディレクターの西井正典さん、桐生美影役の中村繪里子さんが登壇。なんばパークスシネマにとMOVIX京都には、出渕さん、西井さん、プロデューサーの郡司幹雄さんが登壇。公開当時からアップグレードされたBD版の映像とともに、主要スタッフだから話せる制作裏話が披露された。

 

新宿の舞台挨拶では、最初に昨年末の『星巡る方舟』公開時に舞台挨拶などで全国を飛び回った中村繪里子さんが登壇。「このタイミングで劇場に戻って来れるなんて、本当にヤマトが愛されているんだなと思いました」と挨拶。その後、出渕総監督らが登壇し舞台挨拶がスタート。まず出渕総監督が手掛けた脚本の話題に触れると、中村さんは「アフレコ台本をいただいた当時、まずはその厚みに驚きつつも、重要な役どころを演じることをあらためて実感しました。そして、これ一晩で読み切れるかなという思いでページをめくりました」と、当時のエピソードを紹介。すると、出渕総監督がアフレコ台本以前に絵コンテ、その前にシナリオがあることを解説。どうやら、アフレコ台本のト書きには絵コンテを担当したスタッフのメモ書きまでも写し取られていたようだ。
絵コンテについては、西井さんから「絵コンテを担当した(8人の)スタッフそれぞれの『ヤマト』に対する想いが、シナリオ以上に膨らんでいた」と、全体の尺(上映時間)を考えてまとめたシナリオから大幅に時間がオーバーしていたことが暴露されると、別所さんも「物量も多くて1カットのカロリーも多い、正直1年でこれを作れるのかできるのかと困惑しました。そこで我々が第三者視点でシーンごとにバッサリとカットし、『総監督、いいですよね!』と確認を取りつつ進めていった」と裏話を追加。横で聞いていた中村さんも興味深々のようだった。
また、別所さんからは「(全26 話の)シリーズの打ち上げで、古代進役の小野大輔さんが『僕は後半、雪!雪!としか言ってないです』と話をしてたので、今回は古代にスポットを当て、古代からその先の世代に伝えていくお話を考えました」と本作のテーマに至るエピソード、そしてその流れで「シリーズではやれなかった、古代進が率先して指揮を執るシーン」が本作の見所になっていることが紹介。一方、西井さんは見所として「爆雷など、ヤマトに搭載している武器を全て使い切ることができた。特にロケットアンカーを武器として使うことができて満足している」とチーフメカニカルディレクターならではのシーンをセレクト。すると「ロケットアンカー好きな人多いんですよ(笑)。俺もそうですけど、アレはやりたかった」と出渕総監督が追随。先に別所さんが披露した「古代進が率先して指揮を執るシーン」についても、「古代が沖田戦法を受け継いで、古代戦法を作っている感じ」と補足し、見所としてラストのヤマトとガミラス艦隊が並ぶシーンを上げ「これまでヤマトの戦いは孤軍奮闘だったのに対し、共闘をテーマにした本作で艦隊戦をやれたのが良かった」と満足気だった。
最後に、中村さんは「Blu-ray の高画質な映像で、改めて『星巡る方舟』を楽しんでください」と挨拶。西井さんが「手を入れられるところは入れました。」と今回上映されたBlu-ray ver.について触れると、別所さんも「映画のときに押さえ切れなかった作画や表情の部分を手直ししていますので何度も観て楽しんでください」、出渕総監督からも「上映では至らなかったところもありましたが、キャラクターなども含め、ディテールなど観て分からないところまで手を入れています。気がつかないところまでこだわっていくのが我々の仕事なので、改めて楽しんでください」と、5 月27 日に発売されるBlu-ray&DVD でより多くの人が楽しんでくれることへの期待が語られた。