ランティスレーベルの男性声優たちによる音楽の祭典「Original Entertainment Paradise -おれパラ- 2017 10th Anniversary ~Welcome to おれたちのパラダイス~」が、神戸ワールド記念ホールと両国国技館にて、2017年12月に、各2公演、計4公演開催された。ついに10周年を迎えた記念すべき公演から、ここでは12月23日(月)に行われた両国国技館公演・初日の模様をお届けする。
小野大輔「国技館!多幸感!一体感!」
会場にはサンタの衣装や帽子を身につけた人も多く、開演前からパーティームード満点。そんな中、オープニング映像が流れてホストメンバーの小野大輔さん、鈴村健一さん、森久保祥太郎さん、寺島拓篤さんが登場! 大歓声に包まれる中、「おれパラップ」で個性的なラップを披露すると、「帰ってきたぜー!」「元気かい! 元気なのかい!」などと叫んで、10周年を迎えた「おれパラ」両国公演の幕を開けた。
トップバッターはリーダーの小野さん。今回はメンバーが豪華な椅子に座ったままポップアップで登場する演出になっており、その座り方も個性が出ていて面白い。椅子から立ち上がった小野さんは、ダンサーの“チームD”を従えて「supernova」でダンサブルなステージ。甘くセクシーな歌声にスタイリッシュなパフォーマンスと、小野さんの魅力満載だ。「ROSA ~Blue Ocean~」でも観客の心を鷲づかみにしていった。
「両国もす!」からの相撲パフォーマンスで楽しませてくれた小野さんは、やはりこの場所に立つと初心を思い出すという。武道館のソロライブなども、すべては「おれパラ」のおかげだと感謝を口にする。そうやって成長したからこそ歌える曲「ヒーロー」を力強く歌い上げ、「みんなが僕にとってのヒーローです」と笑顔を浮かべていた。
さらに、今の気持ちを「国技館、武道館、多幸感、親近感」と表現。みんなをもっともっと幸せにしたいと意気込みも語る。そんな気持ちを込めた新曲「Endless happy world」では、やさしく暖かな歌声がみんなを包んで笑顔にさせていく。「Shinin’ Days」では、一体感や多幸感をからだ全体で表現するように大きく踏み出すステップも印象的だった。
森久保祥太郎「崖っぷちの局面は滑走路にすればいい」
続いては会場がピンクのペンライトに照らされ、森久保さんが登場。ワイルドに腰かけた椅子からむくりと起き上がると、激アツのナンバーをたたみかけていった。「FOCUS」でお立ち台に片足を乗せて熱量マックスで歌う姿は、睨むような目つきから、ちょっとやさしさを浮かべた眼差し……どちらも魅力的だ。
MCでは「おれパラ」10周年を噛みしめる森久保さん。自分自身も決して平坦ではなかったが、「行き止まりとか崖っぷちの局面はあるけど、それは崖じゃなくて滑走路にしたらいいんじゃないか、と発想の転換をした」と振り返る。えいっと飛んでみたら意外と飛べたそうで、そんな森久保さんの想いにぴったりな新曲「FIRE」を熱唱。さらに、「Drive me crazy」では全身で気持ちを表現しつつ、時にセクシーで情熱的な雰囲気も見せた。
改めて「おれパラ」の魅力や10年の月日を振り返り、「こんなこと今まで言ったことないけど、みんな偉いね。みんなのこと尊敬してるよ。ありがとね」といった言葉も素直に口からこぼれる。「おれパラ」という種をもらい、それをどう育てるか試され、できたのがピンクの花だと語る森久保さんは、そうした気持ちを込めて「モンテーニュ」をやさしく披露。会場に響くギターと手拍子の音、思いのこもった歌声が心に伝わり、ラストはハイテンションなロックナンバー「TRY ME」で自身のステージを駆け抜けた。
鈴村健一「これからも何かが伝わればいいな」
鈴村さんは1曲目「バベル」でふんわりとやさしい雰囲気を作り上げる。まさに彼の人間性が表れたようなステージだ。言葉をテーマに書いたというこの曲を披露すると、「何かが伝わればいいな」をモットーに、音楽活動も含めこれからもやっていきたいと、意気込みを語った。
そして、自身の音楽活動の始まりの歌「INTENTION」へ。ステージを左右に移動しながら両手を広げて観客の気持ちを受け止める鈴村さん。そうやって気持ちを受け止め、みずからも届けてきた10年間。10年前とステージ経験値は全く違うものの、変わらぬ想いはみんなに届いたことだろう。さらに、ピアノの音色に乗せて美しくやさしく言葉を紡いだのは「新しい音色」。情感的なミドルバラードは、歌を通して“語っている”かのようだった。
MCでは今回のライブで実施しているカバー企画について、やってみたらすごく深かったこと、みんながすごい音楽をやっていると実感したことを語る。そして、今度は「NAKED MAN」を元気に披露。ハーモニカを響かせ、観客と一緒に歌い楽しさいっぱいのステージを作り上げた。ラストは10年間の感謝と、またここに帰ってこられますように、との気持ちを込めて「home sweet home」。ハートウォーミングな歌声が響き、360°ステージぐるりと囲んだ全員が手を振って会場が一体となっていた。