「YU-GOのキャラクターモデリングLABO」最終回は、海洋堂の「ARTPLA SCULPTURE WORKS」シリーズ最新作「機甲界ガリアン 鉄の紋章 鉄巨神vs邪神兵」の作例です。
YU-GOのキャラクターモデリングLABO 最終回 「ARTPLA SCULPTURE WORKS 鉄巨神vs邪神兵」
OVA「機甲界ガリアン 鉄の紋章」に登場する「鉄巨神」と「邪神兵」は、メカニカルな要素と生物的なラインの共存したデザインが非常に魅力的で、発表当時からさまざまなガレージキットメーカーから立体化されていました。近年は食玩キットも別メーカーから発売されたりもしましたが、今回、登場から38年の鬨を経て決定版ともいえるプラモデルが発売されました!!
しかもメカデザインを担当された出渕裕氏による完全監修ということで、強いこだわりが感じられるキットとなっています。
今回はその大作キットをじっくりと製作していこうと思います。
まずはボックスアートから見ていきましょう。
中村豪志氏による、重厚感あふれる魅力的な箱絵となっています。
箱を開けると、細かいパ―ツがぎっしり。密度や情報量の多さに圧倒されます。プラモデルの箱を開けるときはいつも期待感でワクワクしますね。
さっそくパーツを見ていきましょう。
とにかく情報量が多く、パーツを見ているだけでも楽しめます。
今回使用したニッパーは、ミネシマの「フィニッシングニッパー改」です。
グリップが握りやすく刃も切断能力が高いので、パーツの切り出しに威力を発揮してくれるニッパーです。
パーツのゲート跡やパーティングラaインは、アルゴファイルジャパンの「マジ・スク(マルチジルコニアスクレーパー)」が大活躍してくれました。
モデラー視点で設計されており使いやすさはもちろん、切削性も剛性も兼ね備えているスグレモノ工具です。
以前製作したエヴァンゲリオン2号機同様、パーツの合わせ目に「面」をつくる技法も容易に行えます。
⇒参考記事
【新作プラモレビュー】海洋堂「ARTPLA SCULPTURE WORKSエヴァンゲリオン2号機獣化第2形態ザ・ビースト“ジオフロント血戦”」をお手軽組み立て&こだわり塗装で仕上げよう!
加工すると、このように有機的な感じに仕上がるので、合わせ目消しが不要となります。
細かいパーツもあるので、ゲート跡などをヤスリがけで整えていきます。ゴッドハンドの「神ヤス」やウェーブの「ヤスリスティック」(400番〜1000番)を使って、じっくりとていねいに仕上げていきます。
こちらが組み上がった状態。この時点ですでに鬼気迫るものがあります。
塗装で仕上げていく!
それではお楽しみの塗装に入っていきましょう。今回はフィニッシャ−ズの「ディープレッド」とGSIクレオスの「モンザレッド」をメインに使用しています。
成型色が赤系なので、赤を吹くだけでいい感じに発色してくれます。塗料のポテンシャルを信じて、迷わずにどんどん塗っていきましょう。
金属色はファレホの「モデルカラー」を使用。水溶性アクリルなのでラッカー系塗料の上に塗るのに適しています。はみ出ても、水を含んだ綿棒やつまようじで簡単に落とせます。
シルバー部分はGSIクレオス「リトルアーモリーカラー 軍用銃火器色 ステンレスシルバー」と「Mr.カラー スーパーメタリック スーパーアイアン2」を使用。異なる質感の銀を使うことで、いい雰囲気を演出できます。
このように色の調子を楽しみながら塗り重ねていくとよいでしょう。
完成!! 作業量の手数は多いのですが、その分完成時の喜びもひとしおです。
邪神兵の手の表情もすばらしいですね。
細部の塗り分けを細かくすることで密度を高めています。
邪神兵は鉄巨神と対比させたかったので、つや消しで仕上げてみました。ポイントごとに金属色などを使い分けていくといい感じに仕上がります。
キット自体は情報量が多く、対決モノと言うことで作業量も多いのですが、作り手のためにいろいろと配慮されている構成なので、じっくり時間をかけて取り組めば必ずすてきに仕上がると思います。
プラモデルという存在を楽しみながら、自分の中にいる大好きなキャラクターたちをその手で作りあげてください。
それでは、またどこかでお逢いしましょう!!
BGM: “星の一秒” 井上大輔 EUROX
商品概要
■ARTPLA SCULPTURE WORKS 鉄巨神VS邪神兵
仕様:プラスチックモデルキット
※別途、接着剤や工具、塗料等が必要
・サイズ:ノンスケール 約195mm(頭頂高)
・成型色:1色(ダークレッド)
・ランナー枚数:15枚
・原型制作:谷明
・希望小売価格 :14,300円(税込)
・発売中
・メーカー:海洋堂
原型師、造形師、プロモデラーと多彩な顔を持つマルチクリエイター。キャラクターが持っているイメージや世界観を大切にして立体へとフィードバックさせる事を信条としている。アキバ総研ではガンプラやキャラクターホビーの作例記事をメインに執筆。
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