TVアニメ「Fate/Apocrypha」2ndクール エンディングテーマ「KOE」で、CDデビューを果たしたASCA(アスカ)。その高い歌唱力と、ドラマティックな楽曲は、すでにアニメファンの注目を集めている。デビューシングルには「KOE」を筆頭に3曲を収録。どの曲も、ASCAのアーティストイメージを明確に打ち出したものとなった。
かつては大倉明日香という本名で、歌手活動をしていた彼女。新たに生まれたASCAという存在を、本人はどう感じているのか? 「KOE」に至る道のりを、たっぷり語っていただきました。
ASCAとしてデビューするまでの、長い道のり
── ASCAさんは以前、大倉明日香の名で、TVアニメ「さくら荘のペットな彼女」のエンディングテーマ「Prime number~君と出会える日~」を歌ってデビューしているんですよね。
ASCA はい。デビューのきっかけは、第5回「全日本アニソングランプリ」でした。決勝まで残ったことで「さくら荘」のエンディングテーマのお話をいただいたんです。
── アニソングランプリに出場したきっかけは何だったんですか?
ASCA 中学生の頃から通っていた音楽教室の先生に、「アニソングランプリで優勝すればデビューできるぞ」と勧められたんです。歌手を目指して、いろいろなオーディションを受けようと思っていて、最初に応募したのがアニソングランプリでした。
── では、最初のオーディションでデビューに至ったということなんですね。
ASCA はい。
── 「Prime number~君と出会える日~」のCDリリースは2013年2月なので、高校1年生の冬ということになりますね。デビュー以降、学校と音楽活動をどう両立させていたんですか?
ASCA 愛知の地元の高校で勉強しながら、中学生の頃からの音楽教室にも通って、週末に東京に出てはデモ音源を歌って、という毎日でした。高校の友達とガールズバンドを組んで地元のライブに出演したり、音楽教室のライブでも歌ったりしていました。
── 高校に通いつつも、音楽漬けの毎日という感じですね。路上ライブの経験もあると、お聞きしました。
ASCA 路上ライブは高校卒業後に始めました。歌に対するモチベーションを上げようと思って、不安はあったんですが、挑戦してみたんです。
── 路上で歌ってみて、いかがでしたか?
ASCA 始める前は、自分が歌っている前を人がどんどん通り過ぎていくのを見るのは、辛いんじゃないかなと思っていました。でも、歌ってみると、ひとりでも足を止めて見てくれる人がいることをポジティブにとらえることができたんです。すべての人の心に届いて、好きになってもらえる歌声なんてないじゃないですか。私の歌を聴いてくれる人がいるということだけで、すごいことなんだと思いました。
── 歌への情熱を持ち続けて、地道に活動してきたということですね。去年(2016年)の12月には、配信限定のミニアルバム「デイズ」をリリースされています。
ASCA はい、この時はまだ大倉明日香の名前でした。まだ、地元に住んでいたので、数日、東京に滞在してレコーディングしたんです。高校を卒業してからは、東京に出て歌うことが増えていきました。
── そして、いよいよASCAのプロジェクトが動き出すわけですね。
ASCA 今年の2月、まだ何も決まっていない頃に、思い切って上京を決めたんです。その直後に、ASCAプロジェクトのお話をいただいたので、すごくタイミングがよかったなと思いました。
── 先が見えない時期に上京を決意するのは、勇気がいったのではないですか?
ASCA このまま地元にいていいのかなという気持ちが、どんどん大きくなっていたんです。事務所に呼んでもらって東京でレコーディングしているだけでは、自分から行動しているとは思えなくて、成人式が終わったタイミングで、「今だ!」と決意しました。周囲の人たちがみんな応援してくれたので、前向きな気持ちで上京できました。
── そうしたら、ちょうどいいタイミングで、ASCAプロジェクトが始まったと。
ASCA お話を聞いた時は本当にうれしかったです。全力を注ぎこめる場所に、今、自分はいるんだと思いました。