木谷社長が西本りみを見出した場所とは? 「バンドリ! スペシャルトークステージ Poppin’Party誕生秘話~西本りみ編~」in 東京ゲームショウ2017

千葉・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2017」ブシロードブースにて2017年9月24日(日)、「バンドリ! スペシャルトークステージ Poppin’Party誕生秘話~西本りみ編~」が開催された

同ステージは「バンドリ!」製作総指揮者のブシロード・木谷高明社長、音楽プロデューサーのElements Garden・上松範康さん、牛込りみ役の西本りみさんの3人が、「バンドリ!」黎明期からの秘話を語り尽くすレアな内容。今回は、声優ガールズバンド「Poppin’Party」のベース担当である西本さんに特にフォーカスした内容となっている。ほかでは聞けない秘話満載のステージの模様をレポートしよう!

■「バンドリ!」誕生秘話──そして、ポピパ結成!

木谷社長によれば、「バンドリ!」の企画が最初に“肩に降りてきた”のは2014年のこと。「Poppin’Party」のギターボーカル・戸山香澄役の愛美さんが、高校時代にガールズバンドでギターを担当していたことがきっかけだった。声優さんにバンドをやってもらおう。木谷社長がそんな企画を最初に持ち込んだのが、上松さんだった。

木谷社長と上松さんの出会いは2002年の冬にさかのぼる。そんな長い付き合いの上松さんの元に、木谷社長は当時の香澄のデザインラフ1枚を携えてふらっと訪れるとアニメの声優みずからがガールズバンドとして活動する着想を熱く披露。声優のスケジュール的なこと、技術的なこと、何よりドラムを叩ける声優がなかなかいないことなど、いかに大変なことであるかを説明した上松さんだったが、木谷社長は笑っていたそう。今ではようやくその大変さが理解できたという木谷社長は、大変さの1例として「5人ユニットがダンスをするなら先生は1人でいい。でもバンドだと5人に対して5人の先生が必要なんです」と語っていた。レッスンなどの大変さを聞かれた西本さんは「大変だけど、楽しいです!」と笑顔で語っていた。

そして、大変だった「バンドとして活動できる声優探し」の中で白羽の矢が立ったのが西本さんだった。西本さんは実は、今から4年前に開催された「ミルキィホームズシスターズ メンバースカウトオーディション」決勝に参加していた。そのオーディションでアリス役を射止めたのは「バンドリ!」でキーボード・市ヶ谷有咲役を務める伊藤彩沙さんだったが、木谷社長の目には西本さんも強い印象を残していたという。「僕はフェザーズオーディションには口出ししなかったんですが、オーディション後に愛美さんと並んでもらった姿がとてもしっくりきたんです」(木谷社長)。

いっぽう、西本さんから見た木谷社長はオーラがあって、ちょっと怖かったそう。「バンドリ!」の声優探し中、オーディションでギターを持っていた神戸の女の子を思い出した木谷社長は、早速西本さんにコンタクト。そして西本さんの地元を訪れて、家族にも説明を行なったとのことだった。西本さんについて上松さんは、ベースやギター、3歳から始めたピアノなど楽器がオールマイティにできて、しかも声優としての声のポテンシャルもすごくあった、とべた褒め。

ここでステージで流されたのは、Poppin’Partyの5人が初めて一緒にスタジオで音合わせをした時の映像だ。リードギター・花園たえ役の大塚紗英さんが噛みしめるように「やっとバンドだ!」とつぶやく姿がとても印象的である。その瞬間について西本さんは「こみあげてきて鳥肌が立ちました」と語っていた。興味深かったのは、上松さんが自分の感覚ならドラムありきで考えてしまうから、最後にドラム加入という形にはできなかったと話していたこと。木谷社長はRPGで仲間が増えていくことになぞらえると、メンバーの加入によって人が増えて、絆が深まっていくのがよいと語っていた。