一世を風靡した名作「マジンガーZ」が、劇場版となって帰ってきた。アニメジャパン最終日の2017年3月26日、BLUEステージで行われたスペシャルステージをレポートする。
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「マジンガーZ」は漫画家・永井豪さんの代表作のひとつで、人間が巨大ロボットに乗り込んで操縦する「搭乗型ロボットアニメ」の元祖。1972年に漫画とアニメが始まるとたちまち大ヒット。のちのロボットアニメに多大な影響を与えたほか、日本のみならず、世界各国で大人気を博した不朽の名作である。
その復活を記念するステージのMCは、アニメ評論家の藤津亮太さんが担当。立会人として声優の森久保祥太郎さん、茅野愛衣さんが登壇した。お2人が生まれる前からあったこの作品。森久保さんはシリーズ3作目の「UFOロボグレンダイザー」がお好きだったようで、妹さんが生まれた時に、「名前はデューク・フリード(※「グレンダイザー」の主人公)がいい」と言った覚えがあるとか。茅野さんは、かろうじて主題歌はご存じとのこと。
そんなわけで、まずはここで「マジンガーZ」とはそもそもどんな作品なのか? その魅力を知るべく、72年度版テレビアニメの振り返り上映が行われた。有名な発進シーンから、強力な武器の数々に個性豊かなキャラクター。「ロボットが手をパンチにするっていう発想はこれが初めてなんじゃないですか?」と森久保さん。現在の巨大ロボットものに続く原点であることを実感されたようだ。
そして、いよいよ最新版である「劇場版マジンガーZ」(仮題)の超特報映像がお目見え。重厚なBGMと共に映し出されていく、くろがねの巨体。“それは神にも悪魔にもなれる――”という兜十蔵博士の名台詞。うなりを上げるパイルダーのローター。迫力ある映像に、場内に拍手が起こる。
といったところで、満を持してのキャスト発表! 主人公の兜甲児を森久保さんが、ヒロインの弓さやかを茅野さんが演じることが告知された。「立会人ではなく、私たちが演じますので、よろしくお願いします」と笑顔の茅野さん。
おふたりともアフレコはまだとのことだが、世界中にファンを抱える作品の魅力は受け継ぎつつ、2017年ならではの新しいマジンガーを蘇らせたいとのこと。森久保さんはスタッフの意気込みは熱く、素晴らしい作品になる予感がすると述べ、「ぜひご期待いただきたいと思います!」と力強く発言した。
続いて発表されたメインスタッフは監督に「ONE PIECE」の劇場版などを手がけた志水淳児さん。脚本に漫画「東京トイボックス」の作者、小沢高広(うめ)さんと、ほかにも豪華なメンバーが集結するとのこと。これは確かに期待せずにはいられない。
さらにここで原作者の永井豪さんから特別ビデオメッセージが。画業50周年を記念したこの作品が、世界で先行公開されることが明らかになった。永井さんは長年にわたりマジンガーZを支えてくれた世界中のファンに感謝を述べるとともに、声優のお2人へも「思い切り今の時代の2人を演じていただけたら」とコメント。この激励に森久保さんと茅野さんはますます気合いが入った様子。会場へ向け、ぜひとも皆さんといっしょに盛り上げていきたいと呼びかけ、ステージを締めくくった。
その後、最後に取材陣のための撮影タイムがあったのだが、なんとテレビCMでおなじみのマジンガー課長が応援に登場。このサプライズにお2人は大喜び。マジンガーZ“本人”と並び、笑顔でカメラに収まっていた。
(取材・文/遠藤智子@TRAP)