【最新プラモレビュー】ハセガワのこだわりが詰まった「戦闘メカ ザブングル」1/72 ザブングルを、声優・泰勇気がストレートに組み立ててみた!

社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気がプラモデル製作に挑戦するのが、この連載!

コンセプトは「忙しい社会人でも、週末の休みを使えばここまでできちゃうよ」。ルールは素組みで、1~2日の制作期間の2点のみ! この連載を読めば、きっとあなたの作ってみたいプラモデルと出会えるはずだ。

 

というわけで、「声優・泰勇気の週末プラモ!」第74回スタート!

 

泰勇気の週末プラモ 第74回 「戦闘メカ ザブングル」1/72 ザブングル

 

今回はご紹介するキットは、以前「戦闘メカ ザブングル」より「1/500アイアンギアー」を発売したハセガワから発売された新作キット「1/72ザブングル」です! 「戦闘メカ ザブングル」40周年ということで嬉しいラインナップですね.

まず目を引くのがスケール表記の「1/72」! 完成したキットの全高は、なんと259mmにもなります! この大きさにハセガワらしいディテールが施され、キャラクターキットなのに非常にリアルに仕上がっております。

WM(ウォーカーマシン)形態にこだわっての立体化のため、変形・合体ギミックはオミットされていますが、完成した姿を見れば納得の仕上がりとなっていると思います。

なお、今回はきわめて製品版に近い段階のサンプルをご提供いただいてのレビューとなりますので、実際の製品とは異なる場合があることをご了承ください。

それではいってみましょう!

 

説明書はひとコマが大きくレイアウトされていて見やすい仕様で2部に分かれています。カラー印刷の面には塗装用カラーガイドや、水転写式デカールの貼り付け指示が印刷されています。

 

ビッグスケールなので外装パーツも大きめ。しかも組み立てただけで劇中のイメージに非常に近い色分けになるほど、しっかりとパーツが分割されています。

 

ここからは組み立てながら、注目ポイントをピックアップしていきましょう。

 

太ももから膝にかけての部分。外装で覆われる部分にも、しっかりとディテールが施されています。

 

タイヤパターンにも向きがあるので、組み立ての際はお間違えのないように。

 

上半身の下面には、ブングル・スキッパーのジェットノズルらしきディテールも見えます。

そして背面には12気筒エンジンが確認できますね!

 

頭部には、パイロットのバストアップフィギュアを2体乗せることが可能。

パイロットはジロン、ラグ、エルチが用意されています。接着をしなければ頭部の分解は簡単なので、完成後も乗せ換えて楽しむことができます。

組み立てながらの感動はまだまだあるのですが、それは皆様の手で確かめていただくこととして、続いて組み立てた状態をご覧いただきましょう。

 

これが1/72ザブングルの雄姿です。

頭部からつま先まで、これ未塗装状態でここまで配色が再現されています。そしてスタイルもいい! 各部にチラっと覗くメカがまたイイ感じです。

 

背面。

タイヤや肘、膝の裏側、エンジン、かかとなど、正面から見たとき以上にメカニカルな部分が見えて、リアリティを感じます。足首の多重装甲っぽい構造も面白いです。

 

頭部周辺から胴体上面。ビッグサイズだからこそできるハイディテールですね。同じディテールを小スケールのものに施そうとすると、相対的に溝の幅が大きくなってしまうので、このサイズであることに感謝です。

また額や口にあたる部分、頭部両サイドの赤いパーツの色分けもばっちり。アンテナのシャープさは、この大きさであることとハセガワキットだからこそできたと言えます。

ゴーグルは無色のクリアパーツなので、アニメに寄せてクリアグリーンなどで色を付けてもいいかもしれません。

 

頭部はゆるやかな末広がりのシルエット。各部の形状もバランスも、文句なしのバランスです。首にもしっかりディテールが入っています。

 

特徴的な胸部の意匠も、すべてパーツ分割による色分け。シンプルなラインの胴体部分も単調にならないように、各面が完全に平行にならないよう微妙に調整されています。

 

脇腹のメカ部分は、細かく塗り分けると完成度が高まりそうなポイントです。

 

腰部の色分けも完璧。赤い部分はダクトっぽく、センターの黄色い部分はヒートシンクのようなスリット状になっています。

 

腰部タイヤハウス。アニメ設定だと赤と青の塗分けになりますが、そのままでも悪くはありませんよね。組み立て途中でも触れましたが、このタイヤパターンも数々のスケールモデルを世に送り出してきたハセガワらしいこだわりだと覆います。

 

脚部付け根の、チラっとメカがのぞいている感じもほどよくてたまりません。

 

脚部全体。前後でパーツを合わせる部分もありますが、それすらもディテールのようになっているので非常に助かります。

膝の黄色い部分もつま先の濃い青の部分も、パーツ分割による完璧な色分け。

 

通常では見えない脛のブロックの内側には、ブングル・ローバーのジェットエンジン用のインテークが刻まれています。変形ギミックはオミットしているのに!?

 

そしてブングル・ローバーの主翼が折りたたまれた設定の脚部両サイドのパーツ。ここにまたしても「航空機のハセガワ」を見ました! 折りたたまれて露出した翼断面を見てください! これもこのスケールでの立体化だからこそできたのでしょう。むしろこういった表現にこだわりたくて、このサイズにしたのではないかと思うほどです。

 

厚みもまた航空機モデルのようなシャープさ。組み立てていて「さすがだぜ!」と笑ってしまいました。

 

腕部のタイヤハウスは、なんと1パーツでこの形状。前腕には変形ギミックを連想させる装甲パーツが配置されています。

 

手の甲の装甲も、ブングル・スキッパーのノーズ部分になることを想定したような形状になっているのが面白いです。

また、小スケールキットでの握り拳でよく見られるような「親指が謎にめり込んでいる」というような省略はされておらず、すべての指が造形されていることも素晴らしいポイントです。

 

背部ユニット。

ブングル・スキッパーのコクピット周りにあたる部分。インテークのフィンもシャープです。

 

WM形態では座席は頭部に移動しているので、キャノピーの中に人はいません。コンソールパネルのようなものは見えますね。コクピット上にはライトらしき造形もあります。

 

さぁ、きました! 背中のウイング! こちらも脚部のパーツ同様に、航空機らしさを感じるディテールが施されています。フラップまで読み取れますね。

 

背部ユニットを取り外したところにも、しっかりディテールが入っています。そしてバッチリ見える12気筒エンジン!

 

背部ユニット下のスラスターのような部分には、スリット状のディテールが入っています。

そして組み立て途中でも触れた、例のエンジンがバッチリ見えます。

 

生産は「INOCENT」によるものとわかる刻印が。ディテールだけでなくエンジン表面の質感のこだわりにも注目です。これは塗り分けがいがありそうですね。

 

腰部後方。ともすると面イチの真っ平な形状になってしまいそうな、シンプルデザインな部分ですが、今回のキットではスカートアーマーを斜めに切り離すなど、ほどよい密度のディテールが入っています。

 

肘関節は保護カバーが入ることで、グレー1色になりがちな部分も単調に見えないようになっています。

 

肘よりも大きいパーツにより構成されている膝関節は、メカ表現の見せ場のひとつ。ここもおいしい塗り分けポイントのひとつだと思います。

 

踵には人間でいうアキレス腱のような位置にシリンダーが配置されています。メカとしてのリアリティを出しつつも、こういった部分で「キャラクターキット」であることを忘れていないのがさすがのこだわり。

ここまででもかなり多くの見どころがありましたが、ようやく可動範囲の確認となります。

 

首はボールジョイントなので、かなりグリグリと動かせます。

 

肩の可動は水平方向へおよそ90°まで持ち上がり、軸接続部分での前後に360°の回転も可能です。

 

またボディ側には前方向へのスイング機構があります。

 

肩ブロックの下でロール回転。肘は二重関節でかなり深く曲げられます。

 

手首はボールジョイント接続。各種手首パーツとの交換も簡単です。

 

お腹のブロックを中心に、胸部と腰部はボールジョイント接続となっているため、上半身をこのように傾けることも可能。

 

前後にもある程度屈伸できます。

 

腰部周辺にはいろいろとパーツがあるので、腰のひねりはこのくらいまででしょうか。

 

股関節周辺ですが、まず脚の付け根と股間は軸接続、脚の付け根と太ももはボールジョイントで接続されています。

また脚の付け根を取り付ける軸の位置は、ご覧のように可動式になっています。

 

脚部付け根の軸移動と腰部装甲の可動により、前後開脚はこのくらい。

 

太ももの上は先述のとおりボールジョイント接続なのでロール回転が可能。

 

左右開脚は、腰部の装甲と太ももがあたるこのくらいまで。足首はよく接地してくれています。

 

膝は肘と同様に二重関節なので、かなり深く曲げることができます。

 

膝裏には、ディテールの入った裏打ちのパーツも配置されています。こういうところにもこだわりを感じます。

 

足首の可動は脛のブロックがじゃまになるかと思ったら心配するほどでもなく、ご覧のようにしっかり動いてくれます。

 

足裏は滑り止めのギザギザがずらっと並び、大きなジェットノズルも配置されています。

 

背中のウイングは開閉が可能。左右が連動する構造になっていますが、繊細なパーツなので両手でやさしく取り扱ってあげてください。

 

ライフルも大きさに見合ったディテールが施されています。銃身とバレルの隙間やスコープ下の隙間など、やはりこの大きさならではの立体感が出ています。

 

スコープの前後レンズ部分には、無色のクリアパーツを採用。こちらもお好みで、クリアカラーで塗装してもいいでしょう。

 

ザブングルといえば、こういったコミカルなアクションがたくさん描かれていました。

 

手首を平手に交換。

ロボット同士の接近戦も「ビームの剣」などをつかうチャンバラではなく、ゴリゴリの肉弾戦が多かったのも印象的。アイアンギアーさえイノセントの拠点を踏みつぶすという暴挙にでていましたからね。

 

印象的な例のポーズを、真正面ではなく斜めから見たところ。ライフルは武器持ち手と前腕に当てるサポーターパーツにより、しっかりマウントできます。

 

このポーズ。実は360°どの角度から見てもカッコいいという不思議なポーズだったんですね!?

■選択式でジロン仕様も再現可能!

 

もちろん、主にジロンが搭乗していた「ダメージを受けたのにそのまま使われたザブングル」も再現が可能。こちらも破損個所にこだわりが見えましたので、詳しくご紹介いたします。

 

まず腕部。タイヤハウスが外れてしまった部分には、装甲パーツが追加されています。また肘内側の装甲の一部は、カバーを外した状態のもの(マスターファイル設定)と交換。ここまで細かく表現されているアイテムは、ほかに見たことがありません。

 

もう1か所の破損個所である背中のウイングは、これまた「航空機のハセガワ」らしい仕上がり! 折れた翼断面から内部の構造物が飛び出しているものと交換します。ちゃんと左右のウイングで破損具合が違うという芸の細かさです。

 

ちなみに左の武器持ち手もございます。

 

ザブングル本体以外にも同スケールのフィギュアが3体付属。パイロットフィギュアと同じくジロン、ラグ、エルチが立体化されています。足裏のゲートさえきれいにしてあげればご覧のように自立も可能です。

20mmあるかないかというサイズで、しかも未塗装なのにここまでキャラクターが判別できるレベルの造形に驚きです。

 

今回の組み立てに使用しないパーツがいくつかあるのですが、その中でピックアップしておきたいのがこれら。

2本の頭部アンテナパーツは、予備として保管しておくとよいでしょう。クリアパーツはおそらく額の部分のパーツと置き換えることができるのではないでしょうか。

 

■水転写デカールでカラーリングを完璧に再現!

 

と、記事を書いていた最中に一通の封筒がハセガワの担当者様より届きました。その中には、キットのサンプル発送時には間に合わなかった「水転写式デカール」が! しかし手元に届いたのは、原稿の締め切り前日! 

間に合うのか!? いや、間に合わせて見せましょう! ということで、水転写式デカールを貼り付けた完成状態をご紹介!

 

 

デカールのおかげで、塗り分けが必要だった個所もかなりカバーされ、なおかつ1/72スケールらしい密度感に仕上がりました! デカールを貼ったあとに光沢クリアをエアブラシで吹き、最後に全体的につや消しクリアを吹き付けて完成させてあります。

 

頬の白い面と、頭部や胸部上面にマーキングデカールが追加されています。頬は塗分けをしてもいいのですが、この下地の色だと、白を発色させるのは少々大変なのでデカールでフォローできるのはうれしいですね。

 

胸部には控えめにデカールは1枚のみ。「DO NOT OPEN」などの文字が見えます。

 

腕部のタイヤハウスの色分けをデカールで再現。そのデカールの上に、さらにコーションデカールを重ねて貼りつけています。

 

腰部のタイヤハウスも、腕部同様に色分けをデカールでフォロー。

 

こちらにはジェットノズルのようなものがあるので、腕部よりデカールが増えています。

 

脚部、特に足首周辺にデカールを貼り付け。

 

膝には「熱風注意」のデカール。

 

脚部外側には、ブングル・ローバーの主翼パーツで隠れる位置にも黄色のコーションデカール。主翼パーツを取り付けるとご覧の通りなのに、こだわりが過ぎますぜ!

 

足首はほかの部分より多めです。確かに足裏にはジェットノズルとかがありますもんね。

 

ブングル・ローバー主翼パーツの下端にも「熱風注意」のデカールが。ここも推進機として使われているという解釈でしょうか。

 

どちらかといえば、ブングル・スキッパー形態の時に上面に来るザブングルの背面のほうがデカールは多い印象です。背中のウイングパーツには「歩くならこの枠の中までにしてね」デカールを貼り付け。この形状で1枚のデカールなので、うっかり破らないように注意してください。

 

ブングル・スキッパーのコクピット周辺にはキャノピーやインテークなどもあることから、やや集中的にデカールが貼り付けられています。

 

背部ユニット下面のスリットは、やはりスラスターの類なのでしょう。「熱風注意」のデカールがあります。

 

ブングル・ローバーの車両形態での天面にあたる部分に、「歩くならこの枠の中だけにしてね」デカール。でも運用しているエルチやジロンたちは、そんなことお構いなしでしょうね(笑)。

 

指示通りにデカールをすべて貼り付けても、上記のデカールが「自由に貼る用」として余ります。

 

ハセガワさんのロボットキャラクターキットといえば「バーチャロン」「マクロスシリーズ」が代表的かと思いますが、それに加えてこの勢いで「ザブングル」のラインアップが増えるのかと思うと、いろいろと期待してしまいますね。ウォーカーギャリアなんかはボリュームもあるので、1/72スケールでキット化されたら結構な大きさになりそうですし、ブラッカリィも並べたいところ。ぜひとも今後の展開についても応援させていただきたいと思います。

最後に。「大きい、大きい」と言っておりましたが一体どのくらい大きいのかといいますと……

 

 

それではまた!

【商品情報】

■「戦闘メカ ザブングル」 ザブングル

・発売中

・メーカー:ハセガワ

・スケール: 1/72

・価格:7,590円(税込)

・模型全高: 259mm

・模型全幅: 175.5mm

 

【泰勇気の出演情報】

・ NETFLIX海外ドラマ「Locke&Key」シーズン1、2配信中(タイラー役)
・ 橘猫工業「ハンドレッドエッジ」PVナレーション
・ YouTubeガンダムベースライブch川口名人のすいプラ」毎週水曜18時配信(アシスタント)

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協力:GA Graphic