映画に期待したくなる中国の1月新作アニメ事情と中国のオタクに広まる特撮人気と、広まらない特撮玩具人気【中国オタクのアニメ事情】

中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の1月の新作アニメに関する動向や、中国のオタク層に徐々に広まっている日本の特撮人気と、広まらない特撮玩具の人気事情などについて紹介させていただきます。

動きが鈍いまま終わりそうな? 1月の新作アニメ配信

毎年この時期は中国の春節(旧正月)休暇と重なるので、中国における新作アニメに関する動きも鈍くなるのですが、前回の記事でもお伝えした通り、ゼロコロナ政策の取りやめ以降、混乱の影響などもあってか、今年の1月のシーズンは例年と比べてもさらに動きが鈍いようです。
しかしそんな中でもいくつかの人気作、話題作は出ている模様です。

1月の新作アニメに関して中国のオタク界隈では、ダークホース的な人気や注目を集める作品は出ていないようで、初動で注目を集めた「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」「虚構推理 Season2」などが現在も人気を維持しているそうです。
また「久保さんは僕を許さない」「氷属性男子とクールな同僚女子」といったラブコメ作品や、気軽に気分よく見ることができる作品として「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」などが比較的安定した人気を獲得しているようですし、遅れて配信の始まった「文豪ストレイドッグス第4シーズン」なども話題になっているとのことです。

ほかにも10月に始まったものの制作会社における新型コロナウイルス感染の影響により日本でも放映が延期となり再放送、再配信を含めての放映が行われている「異世界おじさん」が、中国のほうでも続きの配信が再開され、実質的に新作アニメのような扱いで注目を集めているそうです。

そしてこのような状況もあってか、中国のオタクな方々の話によると、現在中国のオタク界隈では劇場版アニメに対する期待がかなり高まっているそうです。
これについては新作アニメの配信の不安定さ以外にも、現在の中国では映画市場がまだ比較的景気のいい分野であることや、近年の日本の劇場版アニメに中国のオタク層にとって気になる作品が増えていることなども理由になっているのだとか。

ただ映画に関してもやはり中国国内の審査検閲がありますし、ネットなどの新しいメディアと比べて審査関係が整備されているとは言っても、現在の中国社会の情勢では、どの程度スムーズに進むか不明な部分も多いそうです。中国のオタク界隈では日本の劇場版アニメに関して「現在審査中」あるいは「審査を通ってあとは上映を待つだけ」などといった真偽不明な情報も飛び交っているらしく、何かともどかしい思いをしている人が少なくないといった話もありました。

そんな中ではありますが、日本の劇場版アニメに関しては3月24日から「すずめの戸締まり」が中国本土で上映されるというニュースが出ていますし、中国でも大きな期待を集めていた「THE FIRST SLAM DUNK」が4月20日から中国本土で上映という情報がようやく出て、中国のほうでもファンのテンションが上がり出しているそうです。
ほかにも、過去の名作を中国で上映するといった動きもあり、4月に「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」、6月に「天空の城ラピュタ」の中国国内での上映が予告されているそうで、中国のオタクな方々からは
「劇場版アニメによって二次元分野もなんとか盛り上がってほしいと思っています」
などといった話も出てきました。