本日2023年2月23日、PS5/PS4/Switch/Xbox Series X|S/Xbox One向けにシューティングゲーム「雷電III×MIKADO MANIAX」が発売された。本作は、1990年に登場したアーケード版「雷電III」をベースにしたパワーアップ版であり、高田馬場と池袋に拠点を置くゲームセンター「ゲーセンミカド」とのコラボレーションを始め、オンラインランキングやリプレイモードといった機能を多数追加している。
ここでは、本作のPS4版を遊ぶ機会を得たので、そのレビューをお届けしよう。
2種類のウェポンを切り替えて戦う、スリル満点のシューティング
本作は縦スクロールタイプのシューティングゲームとなっており、全7つのステージで構成されている。上に向かって進みながら敵機を倒していき、最奥にいるボスを撃破する、この流れをくり返すのが基本だ。
武器はメインウェポンとサブウェポンがある。メインウェポンは、広範囲に撃つ「バルカンショット」、前方の1点に光線を放つ「レーザー」、スティック操作で照射方向を変えられる「プロトンレーザー」の3種類。サブウェポンはミサイル系で統一されており、攻撃範囲の広い「ニュークリアミサイル」、敵機を自動で追尾する「ホーミングミサイル」、前方の敵のみを追尾する「レーダーミサイル」がある。なお、サブウェポンは単発で使うのではなく、メインウェポンに連動して自動的に使われる。
瞬間的な火力は劣るが多数の敵に強いバルカンショット、攻撃範囲は狭いが威力の高いレーザー、照準を自分で定める必要があるが、狙った場所を攻撃できるプロトンレーザーと、メインウェポンはいずれも一長一短でバランスが取れている。傾向で言えば、バルカンショットとプロトンレーザーはザコ敵と戦う道中向けで、レーザーはボス戦向けといったところ。同時に装備できるウェポンはひとつだけだが、「パワーアップアイテム」を利用すれば中身を切り替えることも可能だ。
パワーアップアイテムは倒した敵からたまに出てくるアイテムで、メインウェポン用とサブウェポン用の2種類が存在する。メインウェポン系なら単色、サブウェポン系ならアルファベット1語という具合に、一瞬で判別可能だ。パワーアップアイテムの色や文字は一定時間ごとに変わり、ウェポンの中身も変わる。すでに装備しているウェポンと同じ種類のパワーアップアイテムを取った場合はそのまま今の攻撃のレベルが強化され、別種類のアイテムを取った場合は、攻撃方法がそのアイテムのウェポンに切り替わる。
メインウェポン系のパワーアップアイテムの色は、バルカンショットなら赤、レーザーなら青、プロトンレーザーなら緑。サブウェポン系の文字は、ニュークリアミサイルはM、ホーミングミサイルならH、レーダーミサイルならRとなっており、一瞬で判別できる
自分のウェポンを維持するか変更するかで、プレイヤーの立ち回りも変わってくる。バルカンショットを装備して大量のザコ敵と戦っている最中なら、レーザーを示す青いパワーアップアイテムは赤になるまで放っておくだろうし、逆に赤色ならバルカンショットを強化するために今すぐ欲しくなる。
もちろん、こうして考えている間にも戦闘は続くので、悠長に構えている暇はなく、迅速な決断が不可欠だ。自機は一撃でやられてしまうため、戦いながら作戦を考えていくのが刺激的で、終始スリルに満ちたプレイが楽しめた。
豊富な難易度や当たり判定の表記機能など、初心者へのはからいが充実
本作のベースとなった「雷電III」は、元々はアーケード向けのタイトル。つまりプレイヤーに100円玉を投入させたくなるような、絶妙なバランスを求めて作られた設計が根底にあるので、本作もゲームの難易度としては、それ相応に難しい。筆者の場合、初プレイ時は敵機が放つ弾幕の速度についていけず、用意されたコンティニュー回数は2面の後半に突入するころに使い切ってしまった。
とはいえ、それはあくまでもデフォルト状態の話となる。初期設定では難易度はNORMALになっているが、これは作中の説明によると「シューティングファン向け」の難しさであり、つまり初心者向けではない。シューティングに慣れていない人ならば、まずは難易度をPRACTICEにして進めるのがちょうどいいと感じた。PRACTICEは文字どおり練習と言っていいレベルで、そもそも敵が撃ってこない。
こちらが一方的に攻撃できるため、誰でも最終面までクリアできるようなあっけない難易度になってはいる。とはいえ、1面から7面までを通して遊べるというだけでもいい練習になるし、一度クリアした面やボス戦は後でいつでも再挑戦できるので、後で苦手なステージや敵を克服する際には大いに役立つ。
さらにステージの構成がわかれば、「フラッシュショット」も狙いやすい。フラッシュショットとは本作に導入されているシステムのひとつで、出現した敵機を早く倒すほど高い点数が得られるという仕組みだ。つまりPRACTICEで敵機の配置を覚えておけば、生存率が上がってほかの難易度でも戦いやすくなるだけでなく、フラッシュショットを使ったスコア稼ぎも狙いやすい。アーケード由来のゲームはスコアアタックが醍醐味でもあるので、フラッシュショットにいち早く慣れれば、本作をやり込むきっかけにもなるだろう。
PRACTICEでは物足りないという人にはVERYEASYがオススメ。敵機から放たれる弾は速度が遅くなっているだけでなく、全部ではないがこちらの射撃で打ち消すこともできる。シューティングの緊張感とPRACTICEの手軽さを同時に体験できる、ちょうどいいバランスの難易度と言える。
難易度設定も親切だが、個人的にオススメしたいのは当たり判定の表示機能。オプション画面で「COLLISION」をオンにすると、自機やこちらの攻撃の判定が四角い黄色の枠で表示されるようになる。一撃が生死を分ける本作では、当たり判定を知るのは重要だ。
デモプレイでは、各ステージのプレイ動画を視聴することもできる
当たり判定を表示させて筆者がいちばん驚いたのが、自機の判定の小ささ。プレイヤーが操る機体はサイズがある程度大きく、密度の濃い弾幕の隙間を縫うように進むのは、少なくとも初見では無理なように思えた。だが実際の当たり判定が行われるのはコックピットあたりしかなく、翼にいくら弾が当たっても撃墜されることはない。見た目と実際の当たり判定の差を知ってからはグンと動きやすくなったので、本作を遊ぶ際はぜひCOLLISION機能を使って確認してみてほしい。
くり返し遊んでスコアを稼ぎ、リミックス曲を含めた報酬をゲット
前述のPRACTICEモードを始め、初心者にも配慮されていたり、何度も遊べたるような要素を搭載している本作だが、もうひとつ欠かせない要素がある。それが獲得したスコアによる報酬だ。敵を倒して得たスコアの累計に応じて、プレイヤーは壁紙とBGMのリミックス曲が手に入る。
リミックス曲の存在は特に大きい。本作には「雷電」シリーズのオフィシャルアレンジバンド「HEAVY METAL RAIDEN」を始め、多数のアーティストたちが楽曲を提供している。まだすべてを解放したわけではないものの、クラブ調の「SIDEA」と、ハードロック/ヘヴィメタル調の「SIDEB」がステージごとに用意されており、一度解放されたBGMは特に制限もなく、好きなステージに設定可能。調子の異なる2種類のBGMを組み合わせれば、同じステージでも印象が大きく変わり、新鮮な気持ちでプレイできる。
アーケード版を下地にしている以上、どうしてもゲーム自体の難しさはついて回る問題ではある。だが、本作の場合はPRACTICEモードをはじめとする初心者向けの要素のほか、累積スコアに応じた報酬など、プレイヤーのモチベーションを高めようとする仕組みが手厚い。シューティングになじみのない人が入門として遊ぶにはぴったりの作品と言えるだろう。
- ■雷電III×MIKADO MANIAX
- 対応機種:PS5/PS4/Switch/Xbox Series X|S/Xbox One
- 発売日:2023/2/23
- ジャンル:シューティング
- 価格:4,180円(税込)※限定版は7,920円(税込)
- メーカー:モス
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