フンコロガシにねぎ袋に長州力……! 何でもありの2022年を代表するカプセルトイ5選! 年末恒例のカプセルトイアワード2022発表!【ワッキー貝山の最新ガチャ探訪 第71回】

ガチャガチャコレクター兼研究家「杜の都のカプセリスト」ワッキー貝山が、その年に最も印象に残ったカプセルトイを独断と偏見で選ぶ「カプセルトイアワード」を今年も発表! 記念すべき6回目の開催です!

年間各賞発表の前に、まずは今年も総括のほうからまいりましょう。

個人的には、カプセルトイ収集家兼研究家としてさまざまなメディアに出演させてもらいました。BS松竹東急チャンネル「松本幸四郎が沼る」では、大好きなカプセルトイの世界をプレゼンできましたし、フジテレビ「ノンストップ」においては斜め上をいく逸品を紹介できたり。

またYouTubeチャンネル「ワッキーガチャンネル」でも、ガチャYouTuberとして、毎日動画がアップできたのも財産になりました。45年間続けてきたコレクションはハンパないですよ。まだの方はぜひチェックしてみてください。

 

そして本題!

カプセルトイ業界においては、より革新的なアイテムが登場し、以前と比べて市民権も得た気がします。

個別のアイテムを見てみますと、サウンド系はより技術的に進化し、企業とのコラボアイテムやリング系アイテムもたくさん発売されました。「何これ?」系の尖ったアイテムも多かったですね。

リーディングカンパニーのバンダイは、「ガシャポン」誕生45周年イベントを大々的に開催したほか、ファイルやペーパークラフトなど薄いアイテムが出てくる「フラットガシャ」を展開。さらに廃カプセルからリサイクルカプセルを再生したり、紙を主素材にした自然に優しいカプセルを開発するなど、未来に向けた試みも行われました。

また街にはカプセルトイ専門店が増加。ご当地限定のガチャなども登場し、メディアで扱われる機会もグーンと増えましたよね。

そのいっぽうで、コロナ禍や円安による材料高騰が各メーカーさんを悩ませる1年でもありました。おそらく、かじ取りが大変な年だったようにも思われます。にもかかわらず、カプセルトイのアイテム数は過去最多クラス。

それだけワクワクも増えたということで、数えきれないほどガチャガチャさせていただきました!

 

それでは2022年の年間ガチャベストを発表します!

 

2021年12月~2022年11月の期間に発売されたカプセルトイの中から、今年も「ナイスファンシー賞」「ナイスギミック賞」「ナイス話題賞」「ナイス衝撃賞」そして「最優秀MVC(Most Valuable Capsuletoy)賞」を発表します!

メーカーのご担当者様のコメントとあわせてお楽しみください!

 

ナイスファンシー賞

■どんぐりタンク エール 300円  2022年10月発売

 

リーズナブルで商品自体に温かみを感じるエールさんのガチャ。子供が思わずニコッとしてしまうカプセルトイを数多く出していますねぇ。

そんなカプセルトイ好きにエールを送ってくれているようなメーカーさんから発売された「どんぐりタンク」が、ナイスファンシー賞です。

 

ミニブックに描かれているのは、思わず深呼吸をしたくなるような青々とした森の中。そこに、どんぐり!

どこでも見かける当たり前の風景かと思いきや、よく見るとどんぐりの足元にはキャタピラが! そして砲台も!

そして、どんぐりの傘をパカッと開ければ、極小サイズのリスがお目見え~。自然界の弱肉強食に憂いを感じ、武装化してしまったのだろうか? 扱っているものは物々しいのに、ひょっこりどんぐりから顔を出すリスに癒しを感じてしまうのはなぜでしょう? 純朴なりすの表情からはファンシーさしか感じられません。

 

そのいっぽうで、平和とは一体何なのか……と、いろいろ考えさせられます。深い(?)話になりましたが、年間ファンシー大賞決定です。

 

<メーカーコメント>

魂を込めた商品作り。

びっくりするような出来です。

来年はさらにいい商品を作りたいと思っております。

あなたもどんぐりタンクを見つけたら

ツイートして

知り合いにぜひおススメしてみてください!

 

ナイスギミック賞

■1/24旗ポールコレクション&ピコリーノ トイズキャビン 400円 2022年 10月発売 

 

今年は北京オリンピックやサッカーワールドカップが開催されたこともあり、世界各国の国旗を目にする機会も多かったのではないでしょうか?

そんな国旗の思い出と言えば、小学校の時の朝礼での国旗掲揚があげられます。最初はBGMとして流れる「君が代」なんかのテンポに合わせてゆっくりと旗が上がっていくのですが、だんだん曲の尺に合わなくなってきて、最後は曲のテンポを無視して、するすると旗が上がっていく無常さ……。そんな切ない思い出が、このカプセルトイで再現できるんです。

 

旗ポール業界でトップシェアを誇る「株式会社サンポール」さんと、ジオラマ作家・情景師アラーキーさん、そしてトイズキャビンさんのコラボで生まれた本商品。

カプセルいっぱいに入ったパーツを組み立てれば、約30cmのポールが完成します。ポールの中は空洞になっているので、そこにヒモを通せば、旗を自由自在に上下させることができるようになります!

旗にも注目です! 硬めの生地でできているので、常にピンと張っています。風になびいている感じが出ていて、見ていて気持ちがいいです。

 

それだけじゃありません。あの小鳥が4羽止まっている車止め「ピコリーノ」も付属。三者三つ巴の熱い激論のうえ、妥協なく製作されたことが推察されます。

さらに嬉しいことに、サンポール社旗もラインアップされています。

 

今年のガチャ業界のトレンドである「メーカーコラボ商品」の成功例になったのではないでしょうか。何回も上げ下げしてください!

年間ナイスギミック賞です。おめでとうございます。

 

<メーカーコメント>

国旗や学校の大型旗ポールで有名なサンポール社様と情景師アラーキー様のご協力のもと、リアルな旗ポール掲揚を再現するために試行錯誤して無事に商品化することができました。

 

公園などで一度は見かけたことのある、かわいいピコリーノと一緒に並べて楽しんでいただけると嬉しいです。

 

ナイス話題賞

■ねぎ袋 ターリンインターナショナル 300円 2022年 9月発売

あのわずらわしさからの解放か?

ながーく立派なネギが自転車のカゴからはみ出ている様は、ちょっとダサいような……。何とかならないものか?

そんななんともならなかったものが、すっぽり収まるとしたら感動ものでしょう!

そんなナイスなグッズがこの「ねぎ袋」です。

 

フランスパンやゴボウなど脇にそれることなく、ネギのみという潔さと愉快さで、SNSを中心にまたたく間に話題沸騰! あっという間に完売してしまいました。

 

お得な束ねぎがすっぽり入る「束用ねぎ袋」。

 

持ち運びに便利なショルダー付きの「1本用ねぎ袋」。まるで刀を携えている武士気分!

 

やわらかなネギをやさしく包み、ポーチのようにしゅっと閉じられる「小ねぎ袋」。

 

そして秀逸なのが、バッと広がった緑の部分だけをカバーし、巾着(きんちゃく)で結わえる「ねぎの青い部分カバー」。大きな存在感を示す「あの部分」を優雅にしまえる、イケてるネギカバーなんです。

結果、本物のネギより、むしろこの袋が完売するという大人気商品となりました。

今年は、「これ何?」というカプセルトイが多数登場しましたが、その中でも群を抜いていたのが、この「ねぎ袋」。年間話題賞に決定です。

 

<メーカーコメント>

ナイス話題賞に選んでいただき、ありがとうございます。

道端に落ちているねぎが不憫で…そんな思いで作り上げた”ねぎ袋”が、SNSやテレビ・ラジオなど引っ張りだこになろうとは私も想定しておりませんでした。

“ねぎを大切に”と共感していただいた人がたくさんいることに、驚きと感謝でいっぱいです。

寒い季節ですのでねぎ袋を使って、おいしいねぎ料理を召し上がってください。

2023年も皆さんがクスッとする商品をリリースしてまいります。

エポック社のカプセル事業を引き継いだターリン・インターナショナルに、熱い声援をお願いいたします。

 

ナイス衝撃賞

■長州力の家 バンダイ 500円 2021年12月発売

あのプロレス界のレジェンド・長州力がカプセルトイ業界に殴り込み! と発売前から話題沸騰だったこのアイテム。

今年もサウンドトイが多数発売されましたが、この玄関チャイムには群を抜いて笑わせていただきました。

バスの降車ボタンもしかり、卓上呼び出しボタンもしかり、何度も押したいという欲求をカプセルトイでかなえてきました。そして今度は玄関のピンポン。しかも有名人のお宅のときたら、いたずら心に火が点いちゃいます。

本当に長州さんの家なの? 小力さんじゃないの? まずは、押せばわかるさ!

 

ピンポ~ン……と押せば「どなた~」と、舌足らずのかわいらしいお声が聞こえてきます。まさにご本人じゃないですか! 

それだけで十分衝撃的なのですが、勇気を出してさらに続けてチャイムを連打すれば、「キレるぞ」の声が!

まさしくリング上の長州力の声です! これはインパクト大です。

メーカーはバンダイさん。2022年は「ガシャポン」45周年イヤーでしたが、タイミング的に企画の幕開けのような形で世に出てきたこのカプセルトイ。その後も、数々の衝撃的な施策が展開したわけですが、今思えば、それらを予感させる逸品だったのではないでしょうか。これは年間ナイス衝撃賞受賞です。

 

<メーカーコメント>

この度は、2022年ナイス衝撃賞に選出していただき、ありがとうございます。

カプセルに入るサイズでリアルな体験ができる商品を作りたい!と考えていたところ、有名人のお宅に遊び行ったら応答してくれる……という仕様が浮かび、誰の家に行きたいかな?と考えたところ、大好きな長州力さんがいいな!となりました。

ダメ元で長州力様に企画をご提案させていただいたのですが、快くご承認いただき、音声収録の際も「気になる個所があったら、気にせず指摘してくださいね。」と、とてもやさしく対応していただきました。本当にありがとうございました。

これからもカジュアルで楽しい企画を考えていきますので、引き続きガシャポンをどうぞよろしくお願いします!

 

2022年最優秀賞M.V.C(Most Valuable Capsuletoy)

■アニマリエコレクション 1/1フンコロガシ 500円 SO-TA 2022年7月発売

連載第67回で取り上げた、リアルスケールのフンコロガシが年間大賞です。

実は「松本幸四郎が沼る」に出演した際も、これを紹介させていただいたので、ご覧いただいた方の中には、もしや?と思った方もいらっしゃったのではないでしょうか?

 

今年もいろんな昆虫がカプセルトイとして発売されましたが、これはなかなか現物を目にするとができないけれど、一度はじっくり見てみたい昆虫をゲットできる、という点で究極のアイテムかもしれません。フンの部分もばっちり再現されていますからね。

ある意味カプセルトイにおいて「う〇ち」は定番アイテムだと言えます。匂いはしないはずなのに、今にもプ~ンと漂ってきそうなこのフンは、昔からカプセルトイに触れてきた者にとってはたまらない逸品なのです! ごつごつした質感もそうですが、いろんな色を混ぜて彩色されているんです。もしかしたら昆虫部分よりも気迫を感じるかもしれません。

 

本体の昆虫は、外見がカブトムシみたいに立派で、これが本当にフンコロガシ?とびっくりしてしまいます。ちなみに本物のフンコロガシを取り寄せてフィギュアを製作するのは法律で禁止されているそうで、100年以上前の標本から原型が作成されたそうです。

そのかいあって、納得のできあがり。見ごたえあるフィギュアになりました。インテリアとしてもおススメです!?

 

 

今回のMVCは、このフンコロガシに決定です。おめでとうございます!

 

<メーカーコメント>

この度はMVCに選んでいただきまして誠にありがとうございます。

本商品は、昆虫標本制作の第一人者の「福井敬貴」さん完全監修のもと、実際に生きていた時の状態を徹底的に再現いたしました。

これもフンコロガシの仲間なの!?と思わず言っちゃいそうになる「エンシフェルオオニジダイコクコガネ」は、鈍く輝く独特の色味から頭部の凹み具合、脚の節のひとつひとつまでこだわりました。フンコロガシといえば!で思い浮かぶ「タマオシコガネ(スカラベ)」は、本体の色味などはもちろんのこと、糞のリアルさも追求いたしました。

これからも「アニマリエコレクション」と題しまして、さまざまな生き物たちの精巧な造形物を発信していきます。応援のほどよろしくお願いいたします。

 

今年もたくさんの感動と興奮をありがとうございました!

読者の皆さんからもあたたかい反応があり、カプセルトイ中心に人生回ってるなあと実感した年でした。

来年もパカッと爽快なレビューを心がけます! またご覧くださいね!

ワキワキワッキー!

杜の都のカプセリスト・ワッキー貝山でした。

<プロフィール>

ワッキー貝山
フリータレント兼ガチャガチャコレクター・研究家(カプセリスト)
7歳からガチャガチャを集めだし、10万個所有。「昭和レトロガチャ 最強コレクション」(グラフィックス社)、「愛しのインチキガチャガチャーコスモスの全て」「素晴らしきインチキガチャガチャの世界―コスモスよ永遠に」「最終決定版!インチキガチャガチャの真相―コスモス、その愛」(双葉社)「日本懐かしガチャガチャ大全」(辰巳出版)関連本5冊出している。
最新ガチャ、レトロ「コスモス」ガチャの動画を毎日YouTube公式チャンネル「ワッキー貝山ガチャンネル」で公開中!