2018年9月20~22日にかけて開催された「東京ゲームショウ2018」(TGS2018)の大きな目玉となっていたのが、「eスポーツ」関係のさまざまなイベントだ。会場となった幕張メッセのホール11で開催されていた「e-Sports X(クロス)」では、一般公開日の9月21日(土)と22日(日)の両日にわたって、さまざまなゲームタイトルを使ったeスポーツの大会が行われていた。その中から、ここでは「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」グランドファイナルの模様をレポートしよう。
「コール オブ デューティ ワールドウォーII」(CoD:WWII)は、米ACTIVSIION社が開発した人気FPS「コール オブ デューティ(CoD)」シリーズの現状の最新版。第二次世界大戦を題材にしている点が特徴で、全世界に多くのプレイヤーを擁するFPSのひとつだ。CoDシリーズは、「eスポーツ」のタイトルとしても過去さまざまな大会が開催されてきているが、「eスポーツ元年」となる今年2018年には、我が日本でも「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」として、参加プロ6チームによる賞金1000万円をかけた対抗戦が行われてきた。4月から毎月1回ずつ計5回行われた対抗戦の結果、1位と2位のチームが選出され、ついに最後の勝者を決める決勝戦がこのTGS2018の会場にて行われることになった。もちろんTGSとしても初の試みである。
決勝戦に勝ち残ったのは、対抗戦1位の「DetonatioN Gaming(デトネーションゲーミング)」と、同じく2位の「Libalent Vertex(リバレントバーテックス)」の2チーム。これまでのリーグ通算成績ではやや「DetonatioN Gaming」が有利で、かつ「Libalent Vertex」は「DetonatioN Gaming」に一度も勝てていないという状況。だが、解説の鈴木ノリアキ氏によれば、「Libalent Vertex」は対抗戦リーグが進むごとに徐々に強くなってきており、ここ最近かなりのってきているチームだということで、無敗の王者「DetonatioN Gaming」に「Libalent Vertex」がどこまで迫れるかというところがこのマッチの見どころだと語った。
なお、優勝決定戦は、「CoD:WWII」の「ESPORTSモード」で、用意された5つのステージのうち3つを先取したほうが勝ちとなるルール(BO5)だ。用意されたのは、第1戦が「HARDPOINT(LONDON DOCKS)」、第2戦が「SEARCH & DESTORY(SAINTE MARIE DU MONT)」、第3戦が「CAPTURE THE FLAG(ARDENNES FOREST)」、第4戦が「HARDPOINT(VALKYRIE)」、第5戦が「SEARCH & DESTORY(LONDON DOCKS)」となる。
まず第1戦の「HARDPOINT」は、拠点(ハードポイント)をいかに長く確保できるかを争うステージだ。250ポイント先取で勝利となる。これまでの勝率では、「DetonatioN Gaming」が81%、「Libalent Vertex」が43%ということで、圧倒的に「DetonatioN Gaming」の優位にゲームが進むものと思われたが、何と「Libalent Vertex」が序盤から押しまくる展開。「Libalent Vertex」のInaba UR選手が1人で46キルという大量キルで活躍するなど、最終的には250-177とスコアを大きく広げての勝利となった。まずはこの時点で、「Libalent Vertex」側の陣営・サポーターは大いに沸き立つ。
続く第2戦の「SEARCH & DESTORY」は、両チーム総当たりで行う殲滅戦だ。マップ上の爆破目的物を爆破するか、敵を全て殲滅すれば勝ち。攻守切り替わりながら、6ラウンド先取したほうが勝ちとなる。非常にスピーディーに展開するゲームで、4対4の対決の場合、1人欠けると大きく不利になるだけに、ファーストキルをどちらが取るかが重要になってくる。ゲーム開始当初は、「DetonatioN Gaming」が先行。AliceWonderland選手の個人技などでキルを稼ぎ2勝するが、徐々に「Libalent Vertex」が追い上げ、ついには逆転。ものすごい猛攻で終盤を支配し、結果としては6-3で「Libalent Vertex」が、第2戦もものにした。
こうなると勢いが止まらないのが、今の「Libalent Vertex」。続く第3戦の「CAPTURE THE FLAG」もすぐれたチームワークで「DetonatioN Gaming」の各メンバーを撃破していく。「CAPTURE THE FLAG」は、その名の通り、自軍/敵軍の旗を見つけて、それを拠点に持ち帰るというゲーム。もちろんフラッグを取ったプレイヤーは、敵側から付け狙われるので、そこからの猛攻をどう防ぐか、チームプレイが大事になってくる。もちろん、拠点もしっかり守らなければいけない。ここでも、「Libalent Vertex」が終始ゲームを支配。最終的には4-1という大差で3戦目を勝利し、3-0のストレート勝ちでの優勝をはたした。
優勝の瞬間には、選手はもちろん、サポーターも大いに歓喜! 奇跡の大逆転勝利とも言える展開に、会場中がどよめいたのは言うまでもない。強豪「DetonatioN Gaming」を見事に破っての優勝をはたした「Libalent Vertex」には、優勝賞金800万円と、副賞の「Xperia Touch」そして、先日発表されたばかりの「プレイステーション クラシック」が贈られ、半年にわたって行われてきた「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」は幕を閉じた。まさに、劇的な展開の決勝戦だった。
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